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新快速からうまれる物語  作者: あんかけ~
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第2話  帰り道

京都駅17時01分発の新快速に乗っていた裕也は一人で帰っていた。自分の父親は誰なのか、いったいどこで何をしている人なのか、帰りに京都駅であった女の子がきっかけでそういうことを考えていた。

窓を見ていたら、いつの間にか野洲に着いていた。ここまで来ると空席が出始めたので座った。

一息ついて、京都駅で買った缶コーヒーを飲んだ。飲みながら色々なことを考えていた。今日会った女の子のこと、地元の友達が家出をしてしまい音信不通なこと、昨日家に届いた引っ越した友達からの手紙のこと、色々なことを考えていた。いつの間にか彦根に着いた。

家に帰る気にもならなかったので、気分転換をしようと思い、彦根で途中下車した。着いたのは17時50分、1時間後に敦賀行きの新快速があるので、それに乗ることにした。駅前のスーパーにカフェがあるので、そこで一息着いた。

 親にはメールで「京都駅で買い物して帰るから」と適当に言い訳しておいた。入ると意外に混んでいた。確かに、このあたりに気軽に入ることができるカフェはここぐらいしかなかった。さっき電車の中でコーヒーを飲んでしまったので、アイスティーを注文した。飲んだら急に疲れが出てきた。色々考えていたせいかもしれない。ゆっくりと時間を過ごしていたらあっという間に次の新快速が到着する時間になったので、急いで駅に戻った。しかし、ラッシュ時間帯のせいか、約5分遅れで到着した。長距離を走る通勤電車なので仕方ないとも思うが。乗ったらいつの間にか寝てしまった。

米原に着いたら車両の切り離し作業で5分程停車した。いつの間にか寝てしまっていた。気づいたら米原を出発していて、田村、坂田を過ぎ、いつの間にか長浜に到着していた。しかし、目が覚めず、長浜を出発してしまった。どんどん長浜から離れていき、電車は速度を上げて敦賀へと向かっていった。

「…さん、お客さん!!終点ですよ!!」

車掌に声をかけられて目が覚めた。気がつくと駅名板に「敦賀」と書いてあり、驚いてしまった。

「お客さん、寝てたんでしょう、もしかして降り過ごしました?」

車掌さんが笑いながら聞いてきた。

「あの、長浜で降りる予定だったんですけど…」

裕也が目をこすりながら答えると、

「本来なら料金を取らないといけないんですけど…、いいでしょう、今回は大目に見ますよ。意図的にしたことではなさそうですしね」

車掌さんが笑いながらそういうと、ホームへと去って行った。

着いたのは19時50分過ぎ、52分発の新快速があったのですぐに乗り込んだ。

携帯を開いてみると、母親からの電話着信があった。慌ててかけなおすと、案の定、怒りの声が携帯から聞こえた。

「裕也‼あんたいったいどこで何をしてるの‼」

「ごめん、電車で寝過ごして福井まで行ってた…。」

「何してるにあんたは…。あきれてものが言えないは。とりあえず急いで帰ってきなさい‼」

そういうと電話を切られた

(まあ、怒るのも仕方ないか…。)

そう思いながら家に帰った。


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