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武器×精霊=紛失

俺たちは少しの間、世界を救うという壮大なスケールのお喋りを楽しんだ。


ルミアもダルクも少し常識から離れてはいるが、単に個性的なだけで話してみると案外まともだった。


そしてアリスの家に帰るついでに、町にどのような施設があるのかを教えてもらった。


「ところで恭弥、貴方も戦闘要員だからな。家にある武器を使ってもらうぞ。」


「うむ。了解。……って俺も戦うのか!?」


「当たり前だろう。貴方を呼んだ理由を忘れた訳ではあるまい?」


「んー…まぁ出来るだけ頑張るよ」


まぁ、戦わずに解決するのが最善なんだけどね。


××××


町から歩くこと約十分。まるで城のようなアリスの家の扉を開く。


すると、今日は金髪を後ろで束ねているらしく、ポニーテールのラルクさんが出迎えてくれた。


「おかえりなさいませ、アリス様、恭弥さん。昼食の支度をしておきますね。」


「ああ。着替えたらすぐ向かう」


「ラルクさん、いつもありがとうございます。」


「いえいえ、今日は大変でしたでしょう?」


「ええ、まぁ。新しい仲間に会ってきたばかりなので」


当然ながら、ラルクさんは世界が滅びることなんて知らないはずだ。


「それは心強いですね。では、そろそろキッチンに向かいますね。失礼します。」


まるで天使のような微笑みを浮かべ、ラルクさんはキッチンに戻って行く。いつ見ても可憐だ。


さて、早く着替えて昼食をとるか。


すると、背後に殺気を感じた。まるで周囲の空気を凍らせるような目線が俺を捉えていた。


「いつまで貴方は鼻の下を伸ばしているのだ?いや、いつから恭弥【さん】になったんだ?」


よく分からないが、アリスさんはどうやらラルクさんに俺がデレデレしていたことにご立腹のようだ。


「う、まぁ、ラルクさんとは少し話しただけだよ。」


「ふーん。ならばこれ以上は追及しないでおこう。早く着替えるぞ」


これからはアリスの前でデレデレするのは自重しておこう。理由はよく分からないが。


××××


俺たちは三人で食事をとった。


一つ驚いたのはこちらの世界にも米があったことだ。


アリスにそれを伝えたときは、


「こめ?何だそれは?恭弥がいた世界の人間はライスをそんな風に呼ぶのか?」


と、米の疑問から始まり、たくさんの質問をぶつけられる羽目になった。


「…恭弥、渡したい物がある。なるべく早く私の部屋に来てくれ。」


そう言ってアリスはリビングから出て行き、

部屋にはラルクさんと俺だけになった。


「…恭弥さん。早く行かれなくてよろしいのですか?」


「んー、その前に一つ質問をしていいですか?ラルクさん。」


「はい…構いませんが。何でしょう?」


「俺は以前、ラルクさんやアリスに出会ったことはあるのか?」


するとラルクさんは少し考えた後、


「はい。確かに以前恭弥さんと生活していました。」


「そうですか。ならもう十分です。」


「え?…これだけで良いのですか?」


「はい。自分で思い出していきたいので。」


「そうですか…いつまでも、待ってますからね。」


「え、はい、まぁ。」


××××



「アリス、入るぞ。」


「うむ。早く入って来い。」


俺の部屋にある扉はアリスの部屋に繋がっているので、行き来は便利だ。


ドアノブを回し、中に入るとアリスが桐箱のような物を持っていた。


「渡したい物って…これ?」


「ああ。日本刀と呼ばれる武器らしい。ただ、これはただの武器ではないぞ。」


「ん…何か特徴でもあるのか?」


「そうだ。この武器には【精霊】が宿っている。」


…もうよほどのことがない限り驚かない。

慣れは怖いものだ。


「…この世界の武器にはみんな精霊が宿ったりしてるのか?」


「いや…私が知る限りではほとんど例がないな。」


「まぁ、実物を見てみるよ。開けていいか?」


「もちろんだ。中身を確認してくれ。」


アリスから桐箱を受け取り、蓋を開ける。


すると黒塗りの上に金の龍が装飾された、見るからに高価そうな刀が中に入っていた。


「これはかなり上等の刀だな…これを俺に?」


「ああ、遠慮はいらん。受け取ってくれ」


「それはありがたい。で、肝心の刀身は別に収納してるのか?」


そう。この刀は鞘だけしか入っていない。


アリスの表情が曇る。


「…少しそれを見せてくれ。」


アリスに刀の鞘を手渡すと、何かを探すように見た後、鞘の中から一枚の紙を引っ張り出した。


それを呼んだアリスが溜め息を漏らす。


「…恭弥、明日の昼まで町を見物するなりして自由に過ごしてくれ。」


「どうしたんだ?今日から刀を使った剣術のレクチャーをしてくれるんじゃなかったのか?」


「緊急事態だ。…と言っても明日の昼には解決するだろうな。」


緊急事態なら仕方がない。俺には何が起こっているのかが分からないのでアリスの言うとおりにするべきだろうな。


「了解。明日の昼まで自由時間で良いんだな?」


「ああ。そうしてくれ。」


…これから急に暇になったな。何をしようか。


しばらく考えていると、俺が自分で持ってきたリュックの存在を思い出した。


「じゃあ、手荷物の整理をしたいから部屋に戻るよ。何かあったら教えてくれ」


そう言って俺は自分の部屋に戻り、早速リュックの中身を探った。









活動報告の方に質問解決コーナーのようなものを作りました。


私は結構回りくどい、分かりにくい書き方をしているので、何か疑問などありましたら書き込んで下さると幸いです。


そしてもう一つ、物語がある程度進んだので番外編のようなものを書きたいと思っています。


だからもし「こんなテーマで書いて欲しい」などの要望がありましたら、感想の方にお願いします。


( *`ω´) <もしコメントが無かったらどうするのー?


…えぇ、まぁ、私の方で頑張ります。


では、ここまで読んでくださってありがとうございます。


これからますます物語を加速させますので、どうぞお付き合いくださると幸いです。

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