異世界生活始めました。
どうもこんにちは。斧神です。
バレンタインデーですね。本当は記念短編やりたかったのですが、まだ序盤なのでもう少しお待ち下さい。
では本編どうぞ( *`ω´)
まさかここまで訳の分からない世界だとは…
××××
俺たちの前に巨大な城下町が広がる。しかし俺の世界とは違うところがある。それは、
周りの人間が義務教育として魔法を習得してきたところだろう。
「…今回は本当に転移できたんだな?アリス。」
「ふぅ…当たり前だ。」
「その割にはバテてるな?」
「…うるさい。またさっきの場所に飛ばされたいか?」
「それは勘弁してくれ、俺は二度とあんな場所ごめんだな」
さっき聞いた話によると、魔法を使用するためには気力を使うらしい。
アリスは魔法に慣れていないのか、転移しただけでかなり疲労しているようだ。
「とりあえず私が使っている家に行こう。話はそこでゆっくりしようか」
「ああ、アリスも疲れてるみたいだしな。いろいろ世話になってばかりだな」
「パートナーとして当たり前のことだ。気にする必要は無い。」
そういって彼女は優しく微笑んだ。凛とした表情からは想像が出来ないほど暖かい表情だった。
「私の家はここから歩いて十分くらいだ。街並みを見ながら一緒に行こうか。」
「ああ。ありがとうな。アリス。」
××××
十分ほど歩いただろうか。
まるで城のような建物の前でアリスは立ち止まった。
「まさか…アリスの家ってここ?」
「ああ。そうだが…何か変か?」
「いや、すごく立派な家だね。」
白を基調とした壁、赤い屋根。窓は俺の背丈ほどありそうだ。
ただ、とにかくでかい。町で見た建物の十倍くらいありそうだ。
「…一人暮らし?」
「いや、使用人が一人住んでいる」
そう言ってアリスは玄関のドアをノックする。
「アリスだ。今帰ったぞ。」
するとドアが音もなく開き、中から可憐な使用人、いや、素敵なメイドさんが姿を現わした。
「お帰りなさいませ。アリス様。…そして恭弥様。どうぞ中へお入り下さい。」
「ああ。ラルク、いつもご苦労。恭弥、入るぞ」
「お、おう。」
メイドのラルクさんが金髪ロングだったことによって俺のテンションが最高潮だったことは言わないでおいた。
××××
迷子になりそうな家の中を少し歩くと、ひときわ目立つ装飾のドアが目に入った。
「ここが恭弥の使う部屋だ。一応、一通りの家具はあるが、足りなければ言ってくれ。」
「いや、部屋を用意してくれただけで十分だよ。ありがとう。」
「べ、別に大したことではない。中に入って感じを確かめてくれ。」
見るからに上機嫌になったアリスに連れられ、部屋の中に足を踏み入れる。
率直に言おう。俺が日本に持っていたアパートの一室とは比べものにならないくらい広い。
「…すごいな…想像以上だ。」
ふかふかのベッドに、高そうな絨毯。テレビなどはこの世界に無いようだが、生活には十分だ。
そのときふと、部屋の角に扉を見つけた。
「なぁアリス。あの扉はどこに繋がっているんだ?」
アリスは表情を全く変えずに
「ああ、私の部屋だが?」
と、答えた。……ってマジかよ。
「え、マジか。アリスは俺の隣でいいのか?」
するとアリスは若干焦ったような表情になり、
「ば、馬鹿を言うな。もし敵襲があったら貴方を誰が守るのだ」
と、早口でまくし立てた。
確かにアリスの言うとおりだ。俺は丸腰。何も戦うスキルは持っていない。
「ありがとう。アリスがいてくれて頼もしいよ」
「うむ。ではこれからよろしく頼む。我がパートナー、恭弥。」
こうして俺とアリスとラルクさんの共同生活が始まった。
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これからも頑張りますので、お付き合いください( *`ω´)