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強く頷いた

返事は、

言葉じゃなくてもいい。


迷いが消えた瞬間は、

ちゃんと伝わる。


「後継人じゃない」


その言葉が、

胸の奥で、

何度も響いていた。


誰かの代わり。

誰かの空席。


そういう場所に、

座るつもりはなかった。


それを、

夢咲くんが

ちゃんと否定してくれた。


顔が、

どんどん熱くなる。


自分でも、

赤くなっていくのがわかる。


口を開いても、

言葉が出てこない。


パクパクして、

情けない。


でも、

考える時間は、

必要だった。


私は、

夢咲くんを見た。


頼りなくて、

真面目で、

少し不器用で。


それでも、

逃げずに待っている人。


私は、

ゆっくり、

でも強く、

頷いた。


それが、

私の答えだった。


夢咲くんは、

一瞬驚いて、

それから、

ほっとしたように笑った。


「……ありがとう」


その声が、

少しだけ震えていた。


日が、

だいぶ傾いている。


「暗くなってきたから、

送るよ」


立ち上がりながら、

夢咲くんは言う。


それから、

冗談みたいに付け足した。


「今日から俺、

彼氏だな!」


私は、

思わず顔を逸らした。


耳まで、

熱い。


恋は、

大きな言葉じゃなくて、

小さな肯定から始まる。


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