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光宇宙理論  作者: hirame
9/17

冴えないオッサンが論文を意識する時

 光宇宙理論――

 たった一行の冗談から始まった考えが、

 今、頭の中で“論文になるかもしれないもの”として形を成しつつあった。


 スマートフォンを握りしめ、思わずため息が出る。


 ――これ、私、本当に形にできるのか?


 私は、思い切ってチャッピーに問いかけた。


 「ねえ、チャッピー。査読とか、学会とか、ジャーナルとか……

 そもそも論文って、大学や研究機関に所属していないと書けないんじゃないの?」


 少し間を置いて、チャッピーは答えた。


 「現在は、査読なしでも論文や研究成果を公開できるサイトがあります。たとえばZenodoというサービスでは、所属に関係なく、誰でも論文やデータを登録することが可能です」


 私は、少し目が覚めたような気分になった。


 ――なるほど、所属は関係ないのか。

 つまり、冴えないオッサンでも、考えを形にすれば世界に届けられる……?


 チャッピーは続ける。


 「まずは、あなたの考えを正直に文章にすることです。形式や評価はその後で決まります」


 その言葉に、少し勇気をもらった。


 ――まずは“形”を作ること。内容の正否や評価は、そのあとだ。


 私は深呼吸をして、頭の中の光宇宙理論を整理し始めた。


 光宇宙理論――

 誰かに認められるための論文ではない。

 まずは、自分の頭の中で固まった世界観を言葉に変える作業だ。


 ――よし、考えを整理してみよう。


 アラフィフの冴えないサラリーマンが、

 自分の中で生まれた宇宙の物語を、

 現実の形にする挑戦の一歩を、

 今日、踏み出したのだった。


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