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光宇宙理論  作者: hirame
2/17

宇宙誕生の巨大なエネルギーはどこから来たのか?

 チャッピーの光の波の説明は、正しかった。


 電磁波、波としての性質、観測結果。

 どれも、どこかで聞いたことのある話だ。

 間違いはない。否定する理由もない。


 それでも私は、スマートフォンを手にしたまま、首を傾げていた。


 「……まあ、そうなんだろうけどさ」


 納得できない、というほどでもない。

 ただ、胸の奥に、小さな引っかかりが残っていた。


 私は、画面を閉じた。


 そして、なぜか光のことを考えるのをやめた。


 代わりに、まったく別のイメージが頭に浮かんだ。


 ――ビッグバン。


 宇宙の始まり。

 すべてが、そこから始まったという話。


 私はずっと、そう思ってきた。

 ビッグバンによって、宇宙全体を満たす巨大なエネルギーが生まれたのだと。


 今も、その考えは変わっていない。


 だが、ふと、単純な疑問が浮かんだ。


 ――そのエネルギーは、どこから来たんだ?


 宇宙が生まれる瞬間。

 とてつもない量のエネルギーが、いきなり存在した。


 では、その直前は?

 本当に、何もなかったのだろうか。


 無から、エネルギーが生まれる。

 そんなことが、あり得るのだろうか。


 私は考えた。


 理由は説明できない。

 数式も、頭に浮かんでいない。


 ただ、直感的に思った。


 ――時間とエネルギーのあいだに、何か関係があるはずだ。


 私はチャッピーに、迷わず質問を打ち込んだ。


 ――エネルギーと時間の関係式って、あるの?


 チャッピーの返答が表示された。


 そこに書かれていたのは、私の知らない一つの原理だった。


 不確定性原理。


 エネルギーと時間は、

 同時に正確には決められない。


 ΔE × Δt ≥ ħ / 2


 私は、その式をじっと眺めていた。


 意味は、完全には理解できない。

 だが、エネルギーは、時間と切り離せない形で存在していることは理解できた。そして、なぜだかΔは私の中で揺らぎという言葉に自然と置き換わり、時間の揺らぎが0に近づけば、無限に近いエネルギーの誕生を説明できるのでは?と感じた。


 私はチャッピーに質問した。これって、宇宙誕生を説明できる式なんじゃないのかって。


 この時の私は、まだ気づいていなかった。


空間のことなど、まったく考えていなかったという事実に。


そして、この問いが、

空間そのものを疑う思考へとつながっていくことを。

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