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これまでの登場人物紹介&0728とポンコツAIの与太話的な

RgX-Ⅷ ZERO-EIGHT 0728 主人公

アールジーエックス-エイト

EIGHT&ZERO EAGLE

黒青 紅蓮

ZERO SERIESの8機目

割と戦闘狂


ZERO-EIGHT専属AI ポンコツAI 0728の助手

EIGHT&0728専属の教育係

調子乗らせると中々鬱陶しいが、まぁまぁ頼れる奴


RgX-Ⅹ ZERO-TEN 0816 よく会話に出てくる奴

アールジーエックス-テン

TEN&ZERO SERIESの中でも屈指の殺戮機

黒 青

ZERO SERIESの10機目

______________________________________________________


次の依頼をしに行く途中、ふと疑問だったことを口にした。

『あれからずっと考えていたんだが、他のZEROと戦うには殴り合いが1番手っ取り早いんじゃねぇかってな。』

ZERO-EIGHTを操縦する前に、シュミレーターを一度使って、実践形式の訓練をした。

相手はZERO-TENで、最初のうちは戦いと言っていいような戦いをしていた。けれども、弾丸が尽きても決着がつかず、最終的には殴り合いというおかしな事態になった。

《馬鹿ですか?殴り合いで損傷を与えられる程、脆くないと思いますけど。》

このポンコツAIは分かっていないようだな。

例えば、お互いにガトリングガンを撃ったとする。

予測して撃ったとしても、お互いが無茶苦茶な機動をしてでもほとんどの弾丸を避けて、それの繰り返し。

そしていずれ弾は無くなってしまう。

恐らく、現実でも同じだろう。

だから殴り合い等で確実に敵にダメージを負わせられる方法が無ければ終わらない戦いと化す。

ZERO SERIESは生憎、ZERO SYSTEMという、性能を約2倍まで引き上げられるとんでもないシステムが備わっているらしい。

流石に防御力が高くなることはなく、むしろ半減するようだからZERO SERIES同士では、殴り合い方が有効打になりうる可能性が高いと0728は考えた。

『多分、他の奴らもそう考えると思うぜ?

まぁ、近接型がいたら多少は違うかもしれんがな。』

近接型、近接戦闘を得意とするZEROがいれば、恐らくそれに特化した武装をしているだろう。

例えば実体剣を相手が持ち出してきたら、それらの類を持ち合わせていないEIGHTが負ける。

なるほど、とポンコツAIが相槌を打つ。

『これからを考えて、もうちょっと近接戦闘武器増やした方がいいかもな。

あぁそれと、他の奴らといえば、研究所を出る時にチラっとZERO-THREEの姿を見たんだが、無数に居たぞ。』

それはまるで異様な光景だった。

同じ機体が吊るされて、列になって運ばれていた。

0728がEIGHTとの同調を成功させた同時期に、THREEの同調を成功させたと通信が入っていた。

機体を見る限りZERO SERIESと似たような面影があったので、恐らくZERO-THREEなんだろう。

それに、どれがホンモノなのかが分からなかった。

もしかすると、全部ニセモノか、全部ホンモノ。

『量産型か、子機か。子機にしては異様な量だった。戦争を始めたいのか?ECO-COREの上層部どもは。』

今も戦争と言えるかは分からないが、戦争は各地で続いている。

それをまるで、本当の戦争に変えるかのような機体量。

とりあえず、あれは働き蜂か働き蟻軍団だと思った。

《恐らく、その子機が他組織制圧作戦に使われたのでしょう。本体の意識は何処かの実験室で隠されている可能性が高いですね。ZERO SERIESにとっては雑魚と言える存在ですが、あの量となると、相手にするのが厄介な相手になります。》

ポンコツAIもZERO-THREEの脅威がしっかり分かっているらしい。

『あの量産型が…なんだっけ、カンピロバクターだっけ、パンカーバターだっけ…』

あの“上から落とす”デッケェ“投下”爆弾。

《無知すぎませんか?地中貫通爆弾のバンカーバスターです。いつから細菌やら食べ物になったんですか?》

呆れながらもポンコツAIは指摘するが、後半はガン無視して0728は続ける。

『それだ、それになったらあの働き蜂軍団ちょっと厄介じゃねぇか?』

上から高速で落ちてきて自爆する、意思のある地雷みたいな感じだ。

言うなれば隕石と同じようなものだ。

《ZERO-THREEを排除しに行きますか?》

これからを見据えると、排除しておきたい存在になることは間違いないが、相手は腐ってもZERO SERIESの一機だ。

本体の武装が分からないのに一機で突っ込むのはいろいろと心許ない。

『他のZERO SERIESがTHREEを倒そうってんなら、それに加勢すれば良いだろ。』

最有力候補はZERO-TEN。

あまりにもしつこいようなら、あいつ(殺戮機)は動き出す。

《まぁ、あちらのAIに話を持ち出してみましょう。貴方のためにするのですから、精々感謝してください。》

ポンコツAIはどうやら煽ることを身につけてきているみたいだ。クソムカつくが、まぁまだ許しておいてやろう。

『ところで、東部で有名な傭兵知ってるか?』

いまだ浮かれているポンコツAIにそう言った。

東部…東アジアと呼ばれていた地域。

《存じ上げませんね。》

素っ気ない返事をする辺り、興味がないのだろう。

それでも0728は、話を続けた。

『ずっとペアで依頼こなしてるらしく、実力もそこそこ良くて、なにより傭兵名の意味が分からないんだよな。

確か、“竜舌蘭(リュウゼツラン)”と“篝火花(カガリビバナ)“だったな。』

竜舌蘭と篝火花…どちらも植物の名である。

《それで、…その傭兵が何かしたのですか?》

話に出してくるくらいなら、何かしてほしいことがあるのだろうと思ってポンコツAIは恐る恐る聞く。

『とりあえず、そいつらの情報が知りたくてなァ。

なにか、変な予感がしたからな。』

0728の「変な予感」とはよく分からなかったが、竜舌蘭と篝火花が主な主戦場としている東部の方では咲かないとされるリュウゼツランとシクラメンをどうして名前にしているのか、謎だとAIは思った。

《まぁ、いいでしょう。調べてみます。》

なんとなくの出来心で、ポンコツAIは頼み事を了承した。

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