鬱陶しい元部下の敵は飽きたんだが。
『なぁポンコツAI、コイツら以外の敵いねぇのか?』
あまりにも弱すぎるECO-COREの敵を飽き飽きしながら殲滅しながら聞く。
《貴方を倒して得するのは100%の確率でECO-COREのみだと解析結果が出ています。なので『コイツら以外の敵』というのはいないでしょう。》
どういう情報からどうやって解析したのかは謎だが、聞いて無駄な回答だったことは明らかだった。
0728は聞き流して最後の敵機をビームトンファーでズッタズタに斬り焼いた。
『焼いたのはいいが、とても喰ねぇ焼鉄だな。
焦げるを通り越して溶けちまった。』
ビームで焼き斬られた鉄屑と化した残骸を見ながら、全く面白くない戯言を吐かす。
《そもそもZERO-EIGHTに口は存在しないのですがね。》
ポンコツAIは戯言を本気で聞き入れようとする性質があるらしい。
『馬鹿か阿呆か、全く呆れる。
でも全部食べられないことはないらしいぜ?』
0728は GSgeRで強化されたからか、本来はナノ粒子並みのGSgeRが、光って見えるようになったECO-CORE産の強化人間。
ちなみに、そのことを知っているのはZERO SERIESのパイロットのみである。
『ECO-CORE所属の下っ端どもにちらほらGSgeR燃料機がいる。ZERO-EIGHTの食事にもってこいじゃねぇか。』
当のEIGHTもGSgeR燃料機。普段は自機でGSgeRを生成して補ってはいるが、実際はそこら辺の GSgeR燃料機を狩って分捕るほうが効率が良い。
《よく GSgeR燃料機だと分かりますね?姿形はほとんど変わらず、人間にはほとんど見分けがつかないはずなのですが。》
とても回答に面倒くさいので、これにはスルーした。
《ところで『なぁポンコツAI、コイツら以外の敵いねぇのか?』のもう一つの回答なのですが、》
どうせロクでもない回答が来るんだろう。
《私なりに頑張ったつもりな回答なのですがね、…まぁ続けます。戦いたいなら傭兵というものをしてみてはどうでしょう。解析結果によると70%の確率で貴方が喜ぶのではないかと思われます。》
『ヨウ、ヘイ…?』
AIなのに何故か溜息を吐かれる。
《私を散々馬鹿にしていたのに、傭兵がまさか分からないとは。まぁいいでしょう。知識不足の貴方に教えてあげます。傭兵とは金銭等の報酬を条件に契約に基づいて軍務に服従することを指します。これであれば、様々な敵と戦えると思いますが?》
妙に上から目線なAIを放って、少し考える。
確かにこれから金は必要になるし、好きなだけ戦えるのはありがたい。
それに、
『見たことのないものを見てみたい…あの時の星のようなものを、沢山……。
決めたぜ、傭兵やりながら世界を見て回る。』
《あ、じゃあ傭兵登録しておきますね。傭兵名はZERO-EIGHTで良いですか?》
登録なんてものがあるのか…。
『いいや、ZERO EAGLEにしろ。』
感情が無いはずのAIが驚いたような感じがした。
《他のZEROから呼ばれていた異名を名にするとは…想像もしませんでした。》
想像する脳が無い癖に、と思う。
『さっさと登録しておけ。そして仕事を探せ。』
どんどん思考放棄してきた気がするAIを急かさせて、0728はZERO-EIGHTにGSgeRを吸収させるのに勤しんだのだった。
ZERO-EIGHT ZERO EAGLE
ZERO SERIESの中でも屈指のスピードを誇るZERO-EIGHTが、敵機を瞬く間に近接武器で全壊に陥れるため、その異名が生まれた。最初に言い始めたのはTHREEかFIVEと言われている。




