任務?そんな面倒なことはとっくに消しちまったよ!
《任務内容:脱走体ZERO-TEN及び0816の捕獲。内容確認、直ちに実行しー…… 》
ほんの僅かの間機能が停止して、再び再起動がかかる。
《原因不明のシステム侵入を検知しました。任務内容確認出来ません。》
どうやらシステムは、このAIは目の前で見ていたのにも関わらずとことん馬鹿らしい。
『知っている。なんせ俺が任務を消してやったからなぁ。』
紅蓮のツインアイを光らせたダークブルーの機体は、無数の光を灯す夜空を見上げた。
そして無数の光の一つ、最も明るいとは言えないが輝く光を見つけた。あまり目立たないのに、見た途端に目を奪われた。
AIが自動で解析を始める。
《解析結果:獅子座α星の…》
どうやらZERO-TENとは違ってよほど俺らを逃してはくれないらしい。
先程からECO-COREの下っ端どもが熱心にアプローチしてくる。全機お帰りしてもらっているが。
まぁ、俺はZERO-EIGHTがいればそれでいいのでアプローチは受けるつもりはない。
《それは私のことですか?》
EIGHTと意識同調しているために考えていることが伝わるのだろうAIが戯言を抜かしてきやがった。
『そうだと思うなら俺の役に立て。じゃねぇと削除すんぞ。』
EIGHTは恋人だとかそんな類のもんじゃねぇ、俺の剣と盾だ。
《成程、そういうことでしたか。貴方はどうやら普通の人間とは違うらしいですね。》
なんかコイツムカつくなぁ…。
《どうやらZERO SERIES屈指の殺戮機と謳われるZERO-TENの方がよっぽど人間らしいではないですか。》
『言ってろ。』
なんでこんな役に立たないポンコツAIがEIGHTなんかに積み込まれているんだよ。
あ、いやでも、自爆させる時とかは使えるな。
こう見えて命令は黙々とこなしてくれる奴ではあるからな。
やはり思考が伝わったらしい。
《貴方は私が嫌いなのですか?》
『嫌い、というか使えねぇ奴はいらねぇ。』
いちいち聞いてくるからAIは好きになれねぇな。
《 ……。ほら、また貴方を捕まえに来ましたよ。精々頑張ってください。》
こちらに向かってくる軽い砂嵐を軽蔑して腕部のガトリングを向ける。
『そろそろ飽きてきたな…。そろそろもう少し楽しい戦いがしたいな。』
弾種を徹甲炸裂弾にし、軽い砂嵐の吹き荒れる方へと飛び込んだ。
RgX-Ⅷ ZERO-EIGHT パイロット:0728
アールジーエックス-エイト
ZERO SERIES屈指の高機動型
武装:ガトリングガン ビームトンファー兼シールド 大型ブースター兼ビームカノン (武装は仮)




