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身勝手で一方的な別れを告げられたので、これからは私も好きにやらせていただきます  作者: こまの ととと


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18/19

第18話 勇者達の反省会

 その夜の事。

 勇者パーティ、新拠点にて。



 教会での仕事を終えたラティーレンは、帰ってきて早々、己がパーティのリーダーであるティリートに詰め寄っていた。


「ティリちん、結局今日のアレなんだったわけ~?」


「! あ、ああ。……まぁ、つまり……彼の様子をぉだな? ま、まあ一応元パーティメンバーだし、幼馴染だしぃ。一応知っておくというのも悪くないような……そ、そんな感じなんだ」


「ごめん、ちょっとどもり過ぎて何言ってるかわかんない」


「うっ!」


 その鋭い意見がティリートの胸を突き刺した。

 自分でも苦しいと思っているので何も言い返す事が出来ないのだ。


 とにかく、つい焦ってしまうような話であるのは間違いがない。


「ん~でもさ? エレぴってやっぱいつも通りだったじゃん。わざわざ心配しなくてもどこでもやって行けるよ。だってあーしらの中でも一番図太い神経してるし」


「ま、まぁ確かに! あの図太い性格だからどこへ行ってもそれなりに頑張って行けるだろうし。このパーティー程じゃないにしろ活躍も見込め……、なくもないんじゃないかなとは思ってるさ。でもね、あの性格だから結局メンバーと反発し合うかもしれないし。その時、少しは反省するかもしれないから、そうなったら直ぐに声を掛けらる掛けられる距離に居るのもやぶさかじゃあ……」


 ティリートは、余裕を取り戻すかのようにエレトレッダに対する”第三者”としての、あくまでも”第三者”としての評価を口にするが……。


 次の瞬間ラティーレンから出た言葉には、驚きを隠せないものがあった。


「あ、でもさ。ラゼたんと今は結構コンビってる感じだったじゃん? 結構お似合いかもね~」


「!?!?!? な、ななな何を言ってるんだ……! そ、それは他でも無い彼女に対して失礼な評価だと思うんだボク。滅多な事を言うもんじゃないと思うし第一彼の好みは昔からぶれずに胸の大きな」


「そんな急に早口にならなくたっても……。ちょっと怖いよ~」


 ”別れた男”が可愛い女の子を連れて歩いている。


 それを実際に自身の目で確かめたからこそ、ティリートにとって中々に受け入れる事が出来ないものでもあった。



 そもそも、どうしてこのような事態になったかというと……その理由は一昨日まで遡る。



『エレトレッダ。唐突かも知れないがキミをこのパーティーから追放する』


『テんメェ、一体どういう了見でこの俺を追い出そうってんだ。あああん!!?』


『いいかい? 一度だけ言うから良く聞くんだ。ボク達はね、自惚れるわけでは無いけど王と国民からも期待されている……かもしれないパーティなんだ。当然、求められるのは単なる戦力だけじゃない。それだけじゃ許されない程に有名になってしまったんだ。分かるね? つまるところ、品性だよ。キミとくれば、旅先に美しい女性……それも胸の大きい女性を見ればすぐに口説きにかかる。挙げ句の果てにはフラレてもめげずにストーキングする始末。その苦情を真っ先に受けるのは誰だと思ってるんだい? 外でもないボクじゃないか』


『そりゃリーダーとしての仕事だろ? 団員のケツを拭くのも立派なリーダーの条件だ。俺はお前にその経験を積ませてやってるんだよ。感謝しろい』


『……そうかいそうかい、それは済まなかったね。余計な手間を掛けさせてしまって! しかしだ、現実問題として苦情が入っている以上、キミをこのままにしておく訳にもいかない。他の団員にも示しがつかないからね。大体他の団員だってみんな女性だよ? 周りからの目をもう少し気にするべきじゃないのかい?』


『ああん? んなコト言ったって全員貧乳だろうが。お前の趣味か知らねぇが、どっちが前か後ろか分かんないような鉄板女ばっかり集めやがって。そのうっ憤を外で発散しようってんだから止めるんじゃねぇっての!』


『……い、今の暴言は聞かなかった事にしておいてあげる。でもね? 迷惑しているんだよみんな。これ以上は限界だ。キミとしてもちょうどいい時期だろう』


『ここ出て行ったら俺はどうなる? このパーティーのブランドがあったから女との縁もあったのに、それが無くなったらただの不審者として通報されかねねェだろうがよォ!!』


『自覚はあったんだなぁ。……いや、普通にさ。その性格を治しなよ。それにボクだって鬼じゃないんだ。路頭に迷う事がないようにちゃんと故郷の母君にも連絡を入れておくから、帰って畑の面倒を見ておくといい。ボクも故郷に戻った後、キミの成長を楽しみにしておくからさ』


『ケ、お断りに決まってんだろ! 今更イモ臭い生活なんて御免だね。折角田舎を飛び出してきたんだ、色っぽい姉ちゃんとまともに遊ぶ事も無く戻れるものかよ!!』


『もう、いつまでもそういう了見だからキミを追い出さなくちゃならなくなったんだ。……ただね、キミがどうしてもこのパーティーを出て行きたくないと言うのであれば、今直ぐ心を入れ替えてボクの指導を受けるんだ。そうしたら他のメンバーとの仲も取り次ぐよ。大体、胸の大きい女性を追いかけるのを止めてもっと身近な……た、例えばずっと昔からキミとの関係を『ああそうかよ! そこまで言うならこんなパーティー出ていってやらァ!! 後で吠え面かくんじゃねえぞッ!!』あ、ちょっと!!?』


 

 と、いうやりとりを経てエルトレッダはパーティから追い出されたのだ。

 ……勝手に出て行ったともとれるが。

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