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初めての投稿です。
拙い文章ですが、よろしくお願いします。
いろいろ、設定など適当なので、生温い心で読んでいただけるとありがたいです。
輿入れ先で通された扉を開け、目に入った光景に絶句した。
◆◆◆
「メルティナ、まもなくだが支度は順調か?」
お父様の執務室に呼ばれたので何事かと思ったら輿入れ準備の進み具合の確認だった。
私の名前は、メルティナ・ラインハート。銀髪にレッドスピネルのような赤に金粉を撒いたような瞳をしています。
私のお父様は、私が産まれたアグニス帝国の公爵で、宰相のお仕事をされています。
とても優秀で、現国王の妹君の旦那様でもあるので、発言力は恐ろしいものがあると聞きます。又、この国は魔法が盛んな国でもあり、公爵であるお父様は他人より勝れた魔力量と技術をお持ちです。
とりあえず、無難な返事をしておきましょう。
「ええ、お父様。順調に整えておりますよ。」
「そうか。ならいい。呼び出して悪かったな。」
なんと殊勝な!! こんなお父様、なかなか見る機会ないわ!
私には、10歳の時に決められた婚約者がおります。
隣国アッシュベルト国の第二王子で、エリック様と言います。約8年前に顔合わせでお会いして以来、一度もお会いしておりません。
正直、顔も忘れてしまいました(笑)
今、私は17歳。18歳で輿入れすることが決まっておりますので、誕生日の前に隣国に移り、花嫁修行ではないですが、隣国に馴染む為に婚姻の数ヶ月前に行くことが決まっております。
その為の準備をしているところです。
ちなみに、出発は明後日です。準備できてない方がどうかと思いますよ。
私には、3つ上の兄が一人と2つ下の弟が一人おりますので、私が家を出たところで、公爵家は問題ありません。
「お父様、失礼いたします。」
深々と頭を下げて退出しました。
◇◇◇
出発の日になりました。
私には、幼い時から世話をしてくれている侍女のセレンがおります。今回の輿入れでも着いてきてくれると言ってくれました。とても大好きで、本当の姉のように思っております。
ちなみに、付き合いが長いせいかツッコミも辛辣です。
公爵家の門の前に馬車が到着しました。
別れの挨拶を皆と交わし、馬車に乗り込みました。
お兄様や弟はもちろんですがお父様まで抱き締めてくれるとは思いませんでした。なんか、本当に嫁ぐみたいです。って、嫁ぐんですけどね。
セレンと共に馬車に乗り込み、私達は出発しました。
道程としては、片道5日かかります。
3日目にはお尻が痛くて、向かいに座っているセレンに散々愚痴りました。愚痴り過ぎてもう、愚痴ワードが思い浮かばないほどです。
とりあえず、自分とセレンに治癒魔法をかけておきました。
私は、一応、あの魔力の高いお父様から産まれているからか、幼い頃から魔力量は群を抜いていました。
その為、厳しく魔法を使う技術の訓練を受けてきました。お陰様で、他人よりは上手に魔法が使えると思っております。
もちろん、転移魔法も使えますよ。1日に2回までと制限はありますが。転移魔法は大量の魔力を消費するので、私の膨大な魔力をもってしても1日に2回までが限度なのです。
とりあえず、隣国から実家に帰るくらいは問題ないでしょう。
「お嬢様、あと、数時間ほどでアッシュベルト王国の王宮に到着いたします。」
どうでもいい事をつらつらと考えていると、セレンから声をかけられました。
「まもなくですね。わかりました。」
ぼーっとしてませんよアピールを兼ねて、冷静に返事をしておきました。なのに……
「お嬢様、思考トリップからお帰りなさいませ。プッ。」
笑われました。セレンの軽いジャブは避けきれませんでした。やはり、アピールしない方がよかったのか……。
などと考えているうちに、王宮に着きました。
出迎えの従者と思われる男性が、馬車の扉を開けて手を差し出してくれました。軽く左手を乗せ、優雅に見えるように馬車を降りました。彼は、セレンにも手を差し伸べてくれていました。
侍女にも気を使ってくださるなんて、好感度が上がります。
「はじめまして。アグニスからまいりました。メルティナ・ラインハートと申します。」
丁寧に挨拶して、カーテシーをしました。
「遠方より遥々、我が国までお越し頂きありがとうございます。私は、エリック第二王子殿下の従者のヴィッセル・ドリスタともうします。以後、よろしくお願い致します。」
「こちらこそ、よろしくお願い致します。あの…、ヴィッセル様とお呼びすればよろしいかしら?」
「ヴィルとお呼び下さい。」
丁寧な挨拶でヴィル様は返してくださいました。
そのまま、「こちらへどうぞ。」と城の中を案内してくれるようです。
ヴィル様は、薄い茶髪に濃いエメラルドの様な瞳の、整ったお顔立ちの男性でした。髪は後ろに撫で付けており、清潔感のある爽やかな方という印象でした。
ヴィル様に一つの扉の前まで連れてこられました。
「こちらのお部屋で、エリック殿下がお待ちです。私はセレン嬢に宮殿内の事など説明してまいりますので、その間、殿下とお二人でお過ごし下さい。」
丁寧に頭を下げたあと、セレンを連れてそそくさと行ってしまいました。
残された私は、仕方なく扉を開けて中に入る事にしたのでした。
1話目、最後まで読んでいただきありがとうございますm(_ _;m)三(m;_ _)m
投稿は不定期です。すいません。