Dancin' into the flame【一人で詩の連作企画⑩】
青い空が灼け落ちて逝く
その、瞬間
僕は確かに見たんだ
君が輝きの中で踊るのを
↓ やく
神様、お願いです
あのひとの夢を叶えてあげてください
そのためだったら、決して
この身が灼かれることも厭わない
↓ かみさま
喪くしたものが多すぎるなんて
酷く悲観的な台詞を吐くんだね
神様に縋り付けるのなら
未だシアワセな証拠だろうに
↓ なくす
追いかけるものが喪くなりました
ずっとずっと 私は孤独でした
心を忘れかけて立ち尽くしたその先に
光のようなあなたが現れるまでは
↓ こどく
孤独とひとりは違うものだと
教えてくれたのはあなただった
あれから僕はあなたを想い
幾度の夜を越しただろうか
↓ よる
この夜はどこまでも永く
世界の終わりまで繋がっているようだ
隣で眠る君を見ながら
そんな馬鹿な幻想を抱く
↓ ながい
永い間引き摺るほどに
何かがあったわけじゃない
すぐに笑顔を作れるほどに
何もなかったわけじゃない
↓ ひきずる
過去という名の鎖を引き摺り
今日も私は歩き続ける
その重さには辟易するが
この足は二度と止めない
↓ おもい
永く永く続く薄闇
その先には何があるの
重く重く落ち込む空気
僕らを繋ぐのはその哀切だけ
↓ くうき
同じ空気を吸っているのに
ぼくらの瞳に映る景色は
こんなにも大きく異なり
それぞれの輝きを放つのだ
最後までお読み頂きありがとうございました。
vol.10のこちらは、なんだか重たい作品が多くなりました。行きつくところまで行くと恋愛ってまぁ重たいものですよね。その重さが逆に映えるのが文学の良さですよね。(現実だとアレかも知れませんが……文学の世界でくらい綺麗なものに囲まれたい!)
ひとつでもあなたの心に響く作品があれば光栄です。