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プロローグ

高円寺駅からあるいて十数分、寂れたビルの四階が本日の戦場だ。まあ、戦場と言ってもアイドルの、だが。

俺の推しメン「ゆーぴょん」こと雪野姫(ゆきのひめ)が所属する地下アイドルグループ「迷える子羊にせめてもの救いを」略して「こひ救」約二週間ぶりの現場なので気持ちも昂る。

なにより今日から新衣装なのだ。チャイナ服風の衣装はイメージカラーの白でスカートしたから見える太ももがより美しく、まてまてこれはヤバイぞ、なぜ猫ミミなんだ、衣装デザインは誰だコノヤロー神かよコノヤロー!


ライブ終わりの楽しみと言ったらやっぱり物販なのだが、なんと言っても1番は千円につき一枚撮れるチェキ。今日は五枚撮るぜ。

他のグループのアイドルもひしめくフロアは独特のオタク臭がするもので、やはり臭い。ゆーぴょんはメンバー人気なので当然チェキの列も長くなる。ようやく自分の番が回ってきた。

二週間ぶりにあうゆーぴょんは少し前髪を切っていたがいつものショートカットで、口元ホクロがセクシーだった。

「あー! お久しぶりだー!」俺に気づいてくれたゆーぴょん、Twitterではリプライを送っていたがこうやって生ゆーぴょんに話しかけられるとやはり嬉しい。

「ゆきき! 私の新衣装どお??」

「えっ、いや、どちゃクソ可愛いんだけどマジで、作った人神でしょ」予想外、まさか彼女から話題を振られるとは、ニヤケ興奮気味に返事を返す。絶対今の俺気持ち悪いだろ、そう思ってもやはり推しの前では口元が緩んでしまうのだ。

「えっありがとーマジ嬉しい! ゆききとは長い付き合いだからなー」そう言いながら彼女は小さく手を降るのであった。そう、俺との再会を喜ぶように。

「古参だからねー」ドヤ顔で返事をする俺の手を取り引き寄せる彼女。「それで、何枚撮るの? 」

もちろん五枚「十枚」気づいた時には遅かった、推しの可愛さに負け十枚宣言、上限いっぱいだ。その額一万。

「えっマジで? ヤバい嬉しいわ」

ええい、どうとでもなれっ!


こうして俺の財布から福沢諭吉が消えた。

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