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DEAD LINE~悪魔の刻限~  作者: 深井陽介
第二章 咎人のタイムリミット
43/47

その23 真相PART.3

 <23>


「桧山さんは、口封じのために篠原氏の弟さんを殺害しようと考えていました。実際に手を下したのは朝沼さんでしたが……」

 キキの説明は続いていた。詳細なレポートにしたら膨大な枚数になりそうな、複雑で長い説明を要する事件の真相を、この中学生は頭の中だけで組み立てていた。普通の中学生でない事はすでに明々白々だった。

「桧山さんが篠原龍一氏を殺害し、その際のアリバイ作りを弟さんが提案した、その流れはどのようにして生じたのでしょうか。恐らく、桧山さんによる殺害の場面を、偶然に弟さんが目撃してしまったためでしょう」

「そして、アリバイ作りに協力する代わりに金を渡せ、などといった脅迫行為に及んだわけか……共々、やることなすこと極悪だな」

 やりきれないといった様子で友永刑事は腕を組んだ。

「でも、ずっと兄と関わりを持たなかった弟が、兄が殺される場面に偶然出くわすというのは、ちょっと出来過ぎじゃないか?」

「うーん、そう言われればそうかも……」

「その点はわたしも同感です」キキは言う。「偶然に思えない事が起きたなら、それには必然が混じっています。これも想像ですが、弟さんは事件以前にも桧山さんを、別の件で脅迫していたのではないでしょうか。その目的で桧山さんに接触しようとした時、偶然に殺害の瞬間を見てしまった……これなら、出来過ぎとは言えませんね」

「確かにありそうな話だが、別の件というのは?」

「恐らく、横領絡みです」

 二人にとって予想しえないワードが出現したようだ。友永刑事と吉本刑事は、揃って目を見開いていた。

「ちょ、ちょっと待ってくれ。それじゃあ、同時期に『ホーム・セミコンダクター』で起きていた横領事件の犯人も、桧山だったというのか?」

「そう考えれば全ての辻褄が合うという話です。いいですか?」キキは噛んで含めるように話し始めた。「警察が桧山さんたちを犯人と見なさなかったのは、横領に手を染めるような環境になかったからです。でも、篠原龍一氏は同じ部署の仲間に犯人がいると思っていたのでしょう。だから自分から調査チームに参加を志望して、そのくせ調べた事をチームに報告しようとせず、一人でけりをつけようとしたのです。そして恐らくはその通り、身内の中に横領犯がいた」

「それは分からなくもないけど……」

「桧山さんは、横領を繰り返す環境にありませんでした。しかし、別の件で度々脅迫行為を受けていたとなれば話は別です。脅迫を受けて支払うお金を得るために、会社のお金に手を出したとすれば、そのお金は全て脅迫者の元にそのまま流れます。だから警察がいくら桧山さんを調べても証拠は出ないし、桧山さんは脅迫の度に横領を繰り返す……」

「うーん、確かに辻褄は合っているけど……やっぱりちょっと想像が過ぎるかな」

「想像である事は最初に言ったはずですよ。具体的に桧山さんがどんな弱みを握られたのか、それさえも分かりませんから。ただ、こう考えれば一つ納得のいく事があるのです」

「納得のいく事?」

「横領とか、それより前に握られた弱み。その証拠となるものを、弟さんは例の廃屋に隠していたと考えたらどうでしょうか」

「これはまた大胆な発想だな」吉本刑事は冷笑した。

「お二人もすでにご存じでしょう? あの廃屋を、篠原氏が事件の一か月前に、土地ごと買い取っていたという話を」

「あ、ああ……」吉本刑事が答えた。「それらしいという情報が入ったものでね、調べてみたから知っているよ。また篠原龍一に関して分からない事が増えたと途方に暮れて」

「違います」

 キキは吉本刑事のセリフを遮って、その事を否定した。

「……な、何が違うって?」

「あの廃屋を買い取っていたのは弟さんの方です。お兄さんは無関係です」

「その根拠は?」すっかり信用しきっている様子の友永刑事。

「契約書を見ましたよね。ボールペンによるサインは滲みも汚れもなかったじゃないですか。もし左利きの兄が書いたのなら、手帳の文字と同じように擦れて滲むはずです。篠原さんなら手の下に紙などを敷いて書いたでしょうが、特に“龍”の字は複雑です。一切擦れることなく書く方が逆に難しいはず」

「なるほど……後で不動産屋に確認されてもごまかせるのは、顔かたちのそっくりな双子の弟だけだな」

「そういう事です」キキは満足そうに頷いた。「そして事件が起きて間もなく、別の人間の手に渡っています。田中広治という名前を使っていましたが、それは恐らく桧山さんの使った偽名でしょう。サインの筆跡を調べれば分かるはずです」

 こいつはどうやって不動産契約の書類を見たのだろうか。吉本刑事は疑問に感じたが、返答が恐いので訊かなかった。

「買い取った目的は一つです。廃屋の中に、横領や、その元凶となった何かを示す証拠が眠っている……少なくとも桧山さんはそう考えたようですが、それを見つからないようにするためです。自分の所有物となれば勝手に調べられないし、許可なく取り壊される事もありませんからね」

「でも、証拠が隠されているのなら、探して処分すれば済むんじゃ? まあ、どのみちそのための時間が必要だろうから、買い取る理由にはなるだろうけど……見つかった時点で手放しても全く問題はないよね」

「その通りです。事件以降も桧山さんは廃屋の中をくまなく探したでしょう。でも見つからなかった……篠原氏の弟さんからすれば、そう簡単に見つけられないように隠したでしょうし、あるいは隠したという話も眉唾かもしれない。でも、万が一のことを考えたら、とても手放せないでしょうし」

「そうかな?」吉本刑事が反論した。「くまなく探して見つからなかったのなら、手放した後で警察などが探しても、見つからない可能性が高いと思えるんじゃないか?」

「ところがそうでもないんですよ。そこに隠した可能性は極めて高いのに、どうしても探せそうにない場所が一つだけあります。……土の下です」

「「あっ……」」

 二人の刑事は同時に声を上げた。

「桧山さんが土地ごと買い取った事から見ると、その可能性を本気で考えていた可能性はあります。建物の中ならまだ捜しようがありますが、土の中となれば、至る所を掘り返さなければなりませんから骨が折れます。そして見つからないままで、あのボロボロの廃屋を手放してしまえば、どうなると思いますか?」

「そうか! 誰かの手に渡って改築でもされたら、基礎工事のために土を掘り返される可能性がある。そうなれば、先に証拠を見つけられるかもしれない」

「だからと言って土地だけ残して廃屋のみ売るのは怪し過ぎるし、業者だって黙ってはくれないだろう。ますます手放せなくなるな」

 二人が即座に理解してくれたことで、キキは満足そうだった。

「しかも桧山さんは、上場後に出張が多くなってしまったせいで、わざわざ廃屋に出向いて探す暇がなくなっていました。土の中を密かに探すとなれば、自分の手で何ヶ所も土を掘り返す必要があるので、休日を返上しても十分に調べるのは無理だったはずです」

「まあ、これも想像にすぎないわけだが、もしこれが正しいとなれば、桧山は相当な時間を無駄にしたことになるな。気の毒とは思わないが」

 警察官として、犯罪者に同情するつもりは微塵もないらしい。

「これは想像に過ぎませんから、あくまで可能性の一つだと受け止めてください。サインの筆跡を調べるまで、確かな事は何一つ分かりませんからね」

「かなり現実感のある想像だと思うけどね」

「とはいえ、犯人があの廃屋の事で神経質になっているのは確かでしょう。十四年後、つまり現在起きた事件に繋がるわけです」

「朝沼数美の事件か?」

 話が早くて助かる。吉本刑事のセリフにキキは口元を緩めた。

「フリーライターの福沢さん、そして朝沼さんは、何者かによるタレコミを受けて、例の廃屋を調べ始めました。朝沼さんは篠原氏の弟さんを、篠原氏と間違えたまま殺害した張本人です。このまま調べ続ければ真相に気づく恐れがある。だからその前に、朝沼さんを止めようとしたのです。フリーライターの福沢さんと違って、勤め先に尋ねれば住所を聞き出す事はできますからね。まあ、手段を選ばなければ、ですけど」

 昨今、普通に住所がどこか尋ねたところで、教えてもらえる保証はかなり低いのだ。

「つまり、編集部に朝沼数美の住所を電話で聞いてきたのは、桧山だったのか」

「ええ。そして聞いた通りの場所に桧山さんは侵入したのです。その際、入居者のいない一階の部屋を見つけて、その窓を破って侵入したようです。テラスの壁は高くてクレセント錠が見えませんし、破られている事には気づかれません。それに一階エントランスを通らないから、防犯カメラにも映りませんしね」

「なるほど。入居者がいない部屋なら誰も注意を払わないだろうし、ドアが施錠されていても内側から簡単に開けられる。単純だけど見落としがちな盲点だな」

 実際、木嶋などはそうした単純な可能性に気づかず、死亡推定時刻の辺りにエントランスを出入りしていたというだけで、福沢一人に容疑を絞ってしまったくらいだ。あれは逆に木嶋の間が抜けているだけか……?

「桧山さんが朝沼さんに何をしようとしたのか、具体的な事は分かりません。しかし、すでにお二人もご存じの通り、朝沼さんは桧山さんが来る前に自殺していました」

「松田美樹は、君に言われて初めて知ったそうだが……あれは自殺で間違いないのか」

「ええ。一昨日、福沢さんが朝沼さんの部屋を訪ねた時、朝沼さんの部屋にいた人は無言で自動ドアを開けてくれたそうです。それは、犯人の桧山さんが、後から来る警察に福沢さんを疑わせ、その動きを封じるための策略でした。もし桧山さんが自殺に見せかけて朝沼さんを殺害したのなら、そんな工作は何の意味もありません」

「裏を返せば、朝沼数美は殺されたのではない、イコール自殺というわけか」

 友永刑事は得心がいったように頷いた。

「朝沼さんが先に自らの命を断ったせいで、篠原氏が廃屋を買い取っていた事実を書いた手紙がどこにあるか、桧山さんには分からなくなりました。本当なら、朝沼さんを脅すなどして聞き出すつもりだったはずですが」

「確かに、その手紙は是が非でも回収したいはずだよな。そんなものをいつまでも残していたら、我々警察が手に入れて廃屋を調べるだろうし……」

「しかも最悪のタイミングで福沢さんが来てしまったから、家探しをする暇さえなくなってしまいました。もし福沢さんが朝沼さんと会う約束をしていたなら、不審に思って管理人を連れてやってくるかもしれない。やむを得ず手紙の回収は諦め、福沢さんの動きを封じるためにわざとマンションの中に入れたわけです」

「桧山は福沢の事を知っていたのか?」と、吉本刑事。

「会った事はないと思います。でも、福沢という名前の週刊文明の記者が、事件の事を調べ回っている事は知っていたでしょう。福沢さんはマンションを尋ねた際、インターホンに向かって自分の名前を告げたはずですし、朝沼さんが週刊文明の記者である事は桧山さんも知っていた……同一人物だと考えるのが自然です」

「ふむ……」

「結果として問題の手紙は、あなたがた警察の手に渡りました。警察がその事実を知って蔦谷不動産に確認をしに来たと聞いて、わたしも福沢さんも、桧山さんが来る前から朝沼さんが亡くなっていたと気づいたんです」

「なるほど、それで君は朝沼が自殺だと結論付けたわけだな」

「回収したがっていたはずの手紙が部屋に残されていたのなら、犯人は朝沼さんから手紙の場所を聞き出す事ができなかった事になりますからね。朝沼さんに他に外傷が見当たらない事から見ても、聞き出す前に争ってしまったという可能性はありません。となると、聞き出す前からすでに亡くなっていたとしか考えられない、というわけです」

「福沢の動きを封じる理由があるのは、廃屋を調べられたくない犯人のみ。その犯人が朝沼の部屋に侵入した理由もそれと同じ、というわけか……そう考えると、あの廃屋にまずいものがあるという発想も、信憑性が高くなるな」

「はい。わたしから説明する事は以上です」

 ふう、と大きく息を吐くキキ。長い説明に疲れたようだ。友永刑事たちも、まさかここまで長く複雑な話になるとは思っていなかった。

「どう思う? 吉本」

「聞いた限りで矛盾はなさそうだ。的を射ている可能性は極めて高い」

「僕も同感だ」友永刑事は首肯した。「キキちゃんの推理を参考に、今後の取り調べの方針を決める事にしよう」

 それを聞いて、キキは疲弊しつつもほっとしたような表情を浮かべた。推理が正鵠(せいこく)を射ていると認められた事より、推理によって捜査が進展した事に安心しているのだ。

「お疲れさま」そう言って友永刑事たちは立ち上がる。「後は僕たちに任せてくれ」

「それにしても今どきの中学生は恐ろしいな……」

 吉本刑事が何やら聞き捨てならないセリフを漏らしたようだが、キキはむっとするだけで何も言い返さなかった。別に中学生がみんなキキと同じ事ができるわけじゃない。むしろ自分だって他の同世代の子と変わらない……と言っても空々しく思えたのでやめた。

 二人の刑事が退室して、また小会議室に一人きりとなった。

 多分、もう警察から自分に尋ねることはないだろう。そう判断してキキは椅子から立ち上がった。隣の会議室からは壁越しに喧騒が聞こえてくる。いま向こうでどんな相談が行われているのか、一仕事終えた気分のキキは興味を示さなかった。

 小会議室のドアを開けて廊下に出ると、近くに置かれた長椅子に美衣が座っていた。

「やっほ」

 美衣は無表情のまま軽く手を挙げた。端から見れば気のない呼びかけだが、これでも普段の美衣からすれば結構ノリがいい方だ。

「終わったみたいだな」

「待っていてくれたの?」

「キキが一人で推理を進めたようなものだけど、一応わたしも一枚噛んでいるし、行く末を見守るくらいの事はしたいからな」

 キキは美衣の隣に腰かけた。

「やっぱり何だかんだ言っても律儀だよね、美衣って」

 また背中がこそばゆくなるセリフを飛ばされ、反射的に美衣はキキの頬をつねった。

「それで? 事件捜査は好転しそうなのか」

「信憑性の高い仮説が見つかったから、友永刑事たちはそうなると思っているかもね。でもどうなるかは分からないよ。後は警察の人たちの手腕次第だね」

「いっそ、お前が取り調べをしたらどうだ」

「いやいや、本職の人たちを差し置いてそんなことできないって」

「まあ、確保した犯人をいつまで拘束できるかは、はっきり言って怪しいかな。現状はどうも、さそりの携帯を持っていたというだけで任意同行を求めただけらしいから、確かな証拠でも出てこない限り、いつまでも自由を奪う事はできないだろう。取り調べは原則として、一日最長八時間、合計で四十八時間を超えてはならないというルールがある」

「へえ、そうなんだ。自白するまで粘るものだと思ってた」

「粘るけど時間制限は当然の如く存在するのよ。今はドラマでも見なくなったけど、取り調べで怒鳴り散らして相手を萎縮させるやり方は、人権擁護(ようご)の観点からやらなくなったしね。取り調べは基本的に心理戦だからね」

「うーん……だったらわたしにはできそうにないなぁ」

「どの口が言うか」

 キキの、相手を引き込む話術は天下一品だ。それを知っている友人からすれば、無自覚が過ぎる発言としか思えないのだ。

「そういえば、もっちゃん達はまだ来てないの?」

「ええ。どこをほっつき歩いているのかしらね」

「福沢さんが証拠を持っているから、連れてきてほしいって言ったんだけどな」

 そう言いながらキキは携帯を取り出した。

「あれ……? もっちゃんからメール来てた」

「また気づかなかったのか。鈍感が」

「だから友達に向かってその言い方はやめて……おっと?」

 もみじから送られてきたメールを見て、キキは「ほおぉ……」と息をのんだ。

「どうした?」

「またしてももっちゃんが予想外の物を持ってきましたよ。もっちゃんのご学友が部活の用事でさそりの学校に行った時、偶然にさそりの後をつけていた車を撮影していて、それをもっちゃんの携帯に送ってきたそうな」

「天恵か。寝ずとも果報が訪れたか。というかそのご学友とは何者だ」

「それは書いてない。でもほら見て」キキは携帯の画面を美衣に見せた。「車のナンバーだけじゃなく、運転席にいる人の顔も写っているよ。鮮明に」

「ほう、これは誰がどう見ても、桧山努そのものですわな」

「どうやら、桧山さんを追及するための絶好の材料が手に入ったみたいだね。はあ、もっちゃんには感謝しないとなぁ」

 キキは携帯を胸の前で握り締めているけれど、もみじからすれば恐らく、いらない感謝に他ならないだろう、と美衣は思った。

「……で、今どこ?」

 間抜けが過ぎる疑問だ。キキはメールに返信しようとするが、その前に友永刑事が会議室から出てきた。ついさっきまで携帯で誰かと話していたらしく、通話を終えて切りながら廊下に出て、キキと美衣に目を向けた。

「あ、よかった。まだいたんだ」

「まだわたしに何か御用ですか?」

「うん、ちょっと厄介な御用を頼む事になりそうだ。今、確保した桧山を東京空港署からここに移送しているんだけど……」

「星奴署の管轄で起きた事件の被疑者ですから、そうなるでしょうね」と、美衣。

「あ、その事なんですけど、さっきもっちゃんからメールが来まして、学校前でさそりをつけ狙っていた桧山の写真を入手したそうです」

 正確には、もみじからメールが来たのは“さっき”ではない。

「本当かい? これでまた証拠が揃ったな。それで、移送後もこちらで取り調べは行うんだけど、それに君を参加させるようにというお達しがあって……」

「えっ、わたし?」

 キキは自分を指差して言った。思ったより厄介な御用だった。

「ちょ、ちょっと待ってください」さすがのキキも動揺していた。「どうしてわたしが取り調べをしないといけないんですか? 警察の人たちを差し置いて……」

「僕が訊きたいくらいだよ」友永刑事は肩をすくめた。「でも本庁の高村警部からのご命令となれば、従う他はないよ」

 キキは唖然としながら友永刑事を見返した。先ほどまでの余裕はどこに行ったのか、あまりの展開に脳内が混乱していた。その一方、美衣は傍観者となっていた。

「……まだ仕事は終わってなかったな。頑張れよ」

 それ以上キキを励ます言葉はない、美衣はそう断定した。憐れむつもりもない。目的や信念に関わりなく、推理によって信頼を獲得した人間が迎えるべき末路は、得てしてこんなものだ。

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