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一般魔法検定

「えーみんな、一般魔法検定は受けておいた方がいいよ。」


先生は僕らの事をまるで自分の事のように考えてくれる人だ。その先生が言うんだからそうなんだろう。


「先生!一般魔法検定ってなんで必要なんですか?魔法ライセンスと何が違うんですか?」


あ、賢人君が質問してる。賢人君、君はそんな事も知らないのかい?そんなわけないだろ。先生を困らせたいだけか?


「お、賢人君いい質問だよ。皆んななんとなく違いは知ってるかもしれないけど、一応魔法ライセンス関連についておさらいしておこうか。」


そうなんだ。先生がそう言うなら間違いないんだろう。確かに賢人君は十中八九知ってるだろうけどクラスの中には知らない子もいるかもな。…もしかして賢人君それを見越してあんな質問を?流石学級委員長…。


「よし、じゃあ先に魔法ライセンスについてね。魔法ライセンスは、要するに魔術や魔道具の免許のこと。指定された免許を持っていないと使ったり、そもそも知ったりすることすらできない魔法があるんだ。例えば、コックさんが使うお肉を美味しくする魔法があるとしよう。だけどこのお肉を美味しくする魔法は、使い方によってはお肉を腐らせることもできるかもしれない。だから魔法を間違って使ったり悪用されないように魔法は管理されてるんだ。」


そういえばパパも魔法の無免許使用はダメだって言ってたな。ママが言うにはパパが中学生の頃、空飛ぶバイクに乗って警察に注意されたらしい。パパ、空飛ぶバイクを運転する魔法ライセンスは中学生じゃ取れないでしょ。反面教師にも程があるでしょ。(呆れ)


「まあ、魔法ライセンスには使用ライセンスと閲覧ライセンスがあってできる事が違ったりもするんだけど…まあとりあえずこれはいっか。」


先生が言うなら今は別に気にしなくていいんだろう。気になるけど先生が言うなら!


「それでねー、特殊な魔法ライセンスがなくても一般的に公開されていて、使う事ができる魔法があってね。それが一般魔法って呼ばれているものだよ。皆んなが生活の中で使ってる魔法は大体この一般魔法だよ。ジェネリック魔法っても呼ばれてるね。」


確かにまだ小学生の僕らじゃあ特殊な魔法ライセンスを持ってる人はあんまりいないか。あ、でも競技用魔法のジュニアライセンスだったら僕も一応持ってるか!そっかあれ魔法ライセンスの一種か!


「ただこのジェネリック魔法、皆んなが使っていない魔法とかも実はいっぱいあってね。一般人が生活の中で実際に使う魔法は、登録されているジェネリック魔法全体の10%にすら満たないくらいだなんて言われたりもしているね。」


え、少なっ。いや、ジェネリック魔法が多すぎるだけか。


「でね、そのやたらと多いジェネリック魔法には一つ一つに違った特性があったりするんだ。例えば水の浄化をする魔法にも何個も種類があるんだ。基本的に使われているのはフィルターを作ってそれで水を濾すタイプかな。けどほかにもいくつか不純物分離式とか冷凍式とかいろいろあるんだよ。」


きっと僕らが知らないだけでもっといっぱいあるんだろうな。


「みんなも理科の実験で水を蒸留することがあると思うけど、あれができる魔法もあるんだよ実は。ただ、蒸留式の水を浄化する魔法はジェネリック魔法には含まれないけどね。とりあえず、水を浄化するだけでも何種類もジェネリック魔法に登録されてるって事だけわかれば大丈夫。」


そういえば家ではママが遠心分離式をよく使ってるな。あ、でもこれだと細菌とかは殺せないからちゃんと沸騰させなきゃダメって言ってた。


「つまり、そのたくさんのジェネリック魔法を適切に扱える知識と技術を持つ事を証明できるのが一般魔法検定。4級から1級まであって、一般魔法検定(いっけん) 1級なんて持ってたら、下手な魔法ライセンスを持ってるよりもすごいなんて言われたりもするね。みんなはまだ小学生だから4級に受かれば十分だよ。」


一般魔法検定は実技と筆記があって筆記は男女共通だけど、実技は男子が魔道具、女子が魔術になるらしいな。珍しいけど男子で魔術を使える子とか、女子で魔道具を使える子なんかは複合試験になるらしいけど。賢人君なんか多分複合なんじゃないかな。


「別に小学生のうちは受験しなくてもいいから、中学生になったら受けといた方がいいよ。」


僕はこの前受けてきたよ!4級受かった!


「あ、話が逸れちゃったね。授業に戻ろうか!」


そういえば今は算数の授業中だった。


「よし、じゃあこの問題を…今日は16日だから16番の葉君!」


え、あ、僕だ。やばい!全然わかんない!

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