introduction 08 チセ―縺(もつ)れるラップタイム(Lap Time)/08
※この作品はフィクションです。実在の団体・組織・企業・人物とは関係ありません。
仮想世界が「現実」となった時代――
企業が支配する電脳都市「インター・ヴァーチュア」。
自由を求める者たち、デジタル生命体(DQL)、そしてコード・フレームワークを駆る戦士たちの戦いが始まる。
この物語は、仮想世界の秩序を巡る戦争と、
人間とデジタル生命体の共存の可能性を描いたSF作品です。
適宜更新予定。
楽しんでいただけたら、評価・感想をいただけると励みになります!
【Flashback】
ゼブラストライプのシャツとレザーのミニスカートに戻ったわたしは、特別試着室のテーブルの椅子に戻っていた。
嵐のような一時が終わり、アジエのところに戻ると、大興奮したアジエとアルデンに出迎えられた。
その時はわたしが発生してはじめて知る、高いテンションで一緒になって騒いだ。
ひとしきり盛り上がるとアジエは「これ全部いただくわ」と言って、アルデンと一緒に会計のために部屋を出て行った。
それまで部屋にいた様々なスタッフたちもいつ間にかいなくなっていた。
「チセちゃん、楽しかったわ」
レイナが代表してわたしにそう声かけた。
ミルが「チュチュッ」と頬にキスをしてきた。
直後、背後からルジュが手を伸ばして首ねっこを掴む。
「きゃーん!」と情けない悲鳴を上げながら、ミルはずるずると引きずられていった。
振り返りざま、ルジュは軽く片目をつぶって――あれがウィンクというらしい――無言のサインをくれた。
ジンは軽快なステップを踏みながら、すれ違いざまに笑顔で額に指を二本当てて、敬礼していった。
「チセたーん! またきてねー!」
そしてルジュに引きづられたミルが大袈裟に手を振りながら扉の向こうに消えて行った。
そして気がつくとわたしは広い特別室で一人になっていた。
つい、空気に流されて着替えて歩いて、いろんな顔した――。
あの瞬間はとても気持ちよかったと感じていた。
生き残るために、人間の姿に固定したはずのわたしはあんなにも変化できるのだと驚いた。
そんなことを考えつつも、手持ち無沙汰で、仕方なく椅子に座った。
服と、髪と、表情であんなにも自分が複雑に分岐するなんてすごいな……。
服……。
「それと……これと……それ。自分がどれだけの武器持ってるがわかってねーだろ。そいつは、正しく使えるようにならないと危ねぇの」
アジエの言葉が頭の中で再生された……。
左右に振れるお尻……存在を主張して揺れる胸……ものありげに目を流して、意味ありげに笑う……。
あれは確かに自分だった。
その瞬間、それまで頭に血が登ってカッカと興奮していたのが嘘のようにスゥーッと消えていった。
ゾクっという悪寒が走り胸から服を乱暴に破られたあの瞬間が頭によぎった。
そのあと意味を知るためにみたあのターミナルで見た映像を思い出す。
一旦、血の気が下がったはずなのに、まるでお湯が沸くように再び顔が熱くなったが、それはさっきまでの興奮とは違うもので、わたしは思わず両手で顔を覆った。
思わず、口元から声が漏れた。
「……むぅ……」
恥ずかしさと、どうしようもない苛立ちがごちゃ混ぜになって足をバタつかせる。
ひとしきりそんな行動した後、ぐったりとテーブルに突っ伏した。
「何やってんだ、わたし……」
そうつぶやいて顔を上げたとき、視界の端にひらりと揺れる布があった。
ラックの端、隅っこのほうに掛けられていた、見慣れたやつ。
黒地にオレンジのラインが走る、ややオーバーサイズのジャケット――。
AVI-REXのタグが、ほんの少しだけ揺れていた。
……これは女性用だけど、同じものだと気づいた。
これは今日、着なかったな。
確かに、華やかさには少し欠けると感じる。
あの日、パシフィックゲートのターミナルで、マキシムがわたしの肩にそっとかけてくれたあの服。
「餞別代わりに」と言って、まるでお守りのように残していった、あの一着。
サイズはぶかぶかで、ポケットの中には折れたレシートと古いリップバームが入ってた。
あれから、今日、アジエから借りたこのお出かけ用の服を着るまでずっと来ていた。
ブカブカだし、華やかでもない――。
でも、一度も似合わないって思ったことがない。
着た瞬間、胸の奥のざわつきが、ふっと遠のいた。
外の騒がしさが少しだけ遠くに感じられた。
まるでこの服だけが、わたしを「今、ここ」に静かに繋ぎとめてくれているようだった。
……サンタクララ過ごしたあの短い間、マキシムは、いつもそうだった。
何も言わなくても、黙って隣にいてくれた。
たぶん、あのときのジャケットも、そうだったのかもしれない。
あの人なりの大丈夫だという言葉。
それを感じたからわたしはマキシムに初めての声を使った送ったのだ。
――あの『ありがとう』を。
レイナたちに着せてもらった、ゴスロリやギャル系やセクシーラインという服たち……今日着たどれもが、それぞれに楽しかった。
試すたびに何か新しい自分を見つけたような気がして、それはそれで……悪くなかった。
でも。
――どこか、何かが違う。
誰かのバリエーションはいいが、自分の中心ではないという違和感。
心のどこかで、何かがずれていた。
そして思った。
わたしは、あのマキシムがくれた服が好きなんだ。
「……やっぱり、いちばんしっくりくるのは、あれなんだよなぁ」
自分でも驚くくらい小さな声で、そんなことをつぶやいた。
「ん? なに一人でしんみりしてんのよ」
扉がスッと開いて、戻ってきたアジエがわたしを覗き込むように顔をのぞかせた。
「え……? あ、いや、別に……」
思わず立ち上がろうとすると、アジエは手にした大きな紙袋を軽く持ち上げて、ひとこと。
「お会計完了。あんたのもぜーんぶお持ち帰りよ。――って顔が曇ってるじゃん。なに、着疲れ?」
「ちが……くも、ない……」
誤魔化すように小さく言ったけど、アジエの目はまっすぐわたしを見抜いていた。
「ま、いいけど。……で、なんか気になる服でもあった?」
「ううん、あったけど……」
言いかけて、目線をラックの端に戻した。
グリーンのAVI-REXが、そこにあった。
アジエもその視線に気づいたらしく、ちらりとそちらを見て言った。
「あー、アンタが着てきたやつでしょ? あれは男物だけどずっと大事そうにしてるよね」
わたしは頷いた。
「……AVI-REXって、ここに店舗ある?」
ふと気になって聞いた。ロゴを何気なく見て、あらためてその名前の意味を知りたくなった。
アジエはちょっとだけ意外そうな顔をしてから、口元を緩めた。
「ある、ある。ちょっと外れのエリアだけど、このモール内に一店舗あったはず。いわゆるミリタリーヴィンテージ系の老舗よ。なんで、気になった?」
「……ううん、ちょっと……たぶん、わたしこれが好きなんだと思う」
アジエは、そんなわたしの呟きをちゃんと拾ってくれたらしく、小さく「そっか」とだけ言って、紙袋の中身を整えはじめた。
その仕草がなぜだか、とても安心できた。
「OK。それじゃのぞいていこう。レディースもあるからさ、サイズ合うの選ぼうぜ」
「いいの? こんなに買ってもらったのに」
「だからセコイこと言うなっつーの。お前のフェイバリットなら、それでいい」
アジエはそう言って、笑ってくれた。
【Present Day】
……そして現在。
青白く辺りが少し明るくなってきた頃、ドックの入口で、わたしは小さく息をついた。
見上げた先に、ジクサーの船体がぼんやりと浮かんでいた。
薄暗い空に滲む輪郭と、船灯の明滅。それを見ていると、不思議と心が静かになった。
今日は、いい時間だった。
アジエと他愛ない話をして、いつもよりゆっくりと食事をして――なんてことのない時間。
けどそれが、わたしには特別だった。
アジエは本当にすごい。
厄介で、図太くて、強くて、優しくて。
わたしが何も言わなくても、いろんなことを察して、それを言葉にしないまま支えてくれる。
わたしがこれから人間の体として成長していくのなら、アジエみたいな大人になりたい――って、たまに本気で思う。
だから、この穏やかな気持ちも、少しだけ続いてほしかった。
……でも、それはハンガーの奥にあいつの姿を見つけた瞬間、じわりと濁っていった。
悠は、γの足首に手を置いたまま、じっと機体を見上げていた。
その表情を見た瞬間、なんとも言えない気持ちが胸の奥で引っかかった。
あいつのそういう顔――何かを諦めたみたいな、わかりきった結果を抱えたまま、それでも「仕方ない」って飲み込もうとする顔――が、いちばん腹が立つ。
自ら選んだ前提条件では辿り着けるわけもないのに、それでも信じて、限界の先に最適を求めている。
そんなの、どうやったって破綻するに決まってるのに。
「……チセ」
となりを歩いていたアジエが、ふと声をかけてきた。
視線は前のままなのに、全部見透かしてくるようなトーンだった。
「顔、こわくなってるよ」
そのまま、そっとわたしの腕に手を添えてくる。
指先に力はなく、ただ『落ち着け』とだけ伝えてくるような、静かなブレーキ。
――わかってる。
わかってるけど……気持ちは、止まらない。
仕方なく、わたしは無表情を選択した。
簡単だ。最初のころの、何も知らなかったわたしを思い出せばいい。
わたしはアジエの言葉を背中で受け流しながら、舷門をくぐった。
その先に、筋肉と、そして――あいつがいた。
「おー、お二人さんおはよっす。どこ言ってたんすか?」
ライノが、いつもの惚けた調子で声をかけてくる。
「オッス、チセがまた突貫してたんでよ、メシ連れていってた」
アジエがそう言いながら、スッと前を開けてくれる。
その背後から、わたしは顔を覗かせた。
悠と――目が合った。
「お……おっす?」
悠の声は、照れと戸惑いと、なぜかちょっとした期待が混ざっていた。
……それが、なんだか引っかかった。
腹が立つっていうより、胸の奥がざわざわした。
「あらら。姫、ご機嫌斜めっすね……」
またこれだ。
ほんとに男のコード・ライダーって、こういうのばっかり。
バカで、下品で、スケベ。
こんなやつらと組めるケイトが、わたしには本気で不思議だ。
「姫いうな、筋肉。お前に用は無い」
ライノの軽口にぴしゃりと返して、わたしは悠に向かってつかつかと歩み寄る。
この空気、この感じ――全部が、いやに馴染みすぎていて。
「な、なんだよ……」
顔が近づいたそのとき、あいつはまたすけべ心でも湧かせてそうな顔をしていて。
……余計に、むかっときた。
「悠、あんたまた勝手にインジェクションの値いじったでしょ」
さっき、ほんの少しでも情けをかけようと思った自分がバカみたいだ。
だからわたしは、遠慮なく右ストレートを、顔面に投げ込んだ。
【Flashback】
わたしはAVI-REXの淡いオレンジのニットシャツ、アーミーグリーンのロングスカート、ボア付きフードの赤いナイロン製のミリタリーコートのコーデでジクサーのハンガーに立っていた。
銀蘭堂を訪れてから三日後のことだった。
最後にAVI-REXの店舗でアジエに「好きに選べ」と呼ばれてチョイスしたものだ。
「へぇー。あんたさ、出るとこ出てるのに、そういうシュッとした感じのが好きなんだ――」
そう言われて、自分が体の線を隠すというより、どちらかと言えばスマートに見せたいという願望があるということに気づいた。
体に密着しない程度に余裕があり、胸やお尻を強調しない。
かといってルーズというわけでなく、スマートに頭の先からつま先まで整ったような印象がするこのいでたちを好ましいと感じたのだ。
とりあえず、これがアジエ曰く、わたしのフェイバリットらしい。
そのフェイバリットを身に纏って、アジエに連れられギルド、アルマナックの母艦であるジクサーと呼ばれるライナーに再び足を踏み入れたのだった。
その一角で雑に座らされてる青、白に赤いラインが入った三色のカラーリングの巨人を見上げていた。
|コード・フレームワーク《CF》。
人間が作った、インター・ヴァーチュアで駆動する身体拡張プログラム。
わたしの故郷を破壊し、蹂躙した、轟音を放つ人型の戦闘兵器。
ハマーと呼ばれるあの機体とは別だが根源を同じにするそれがいる。
ただこのCFは力無くハンガーでその身を壁に寄りかかって佇んでいた。
ところどこ煤けて黒く汚れてれ、胸の辺りが外側に向かって、内部から破裂したように抉れて大きな穴を開けていた。
頭は右に傾げるように項垂れ、鉄の仮面のような装甲からは、まるで焦点が合っていない虚な目が覗いている。
それは、あの、地面に倒れた仲間たちの姿と重なった。
「これを直せばいいの?」
そう言ってアジエの方を振り返った。
すると、アジエはうんざりという顔でCFを見上げていた。
「まあ、そうだけど。うーん、まあ、やるだけやってみてくれ」
アジエの顔は、このCFはもうダメだと言っていた。
柳橋も言っていた。
「ダメ元でいい」
このCFにはもう、誰も期待していない。
もう一度、この機体を見上げた。
むしろ、離散量生命体であるわたしにとっては、人間よりこのCFの方がより近い存在なのかもしれないと思った。
故郷を奪った兵器の同類であるが、こうなってしまうと、何か哀れさを感じた。
ふと視線の隅に気配を感じた。
ハンガーの上の方にある通路の上に人がいた。
同じエンブレムを背中にしょっていた。
コード・フレームワークのパイロット。
確かコード・ライダーと呼ばれる連中だ。
うち二人はミツエおばちゃんの事務所で見た顔だった。
赤毛の女と、もう一人はやけに体のデカい男だ。
もう一人はあの場では見なかった顔だ。
黒い短い髪に、ブラウンの瞳。
アジア系……ああ、たぶん日本人ってやつだ。
自分自身もそのデザインを取り込んだのでなんとなくわかる。
どうやらこの壊れたCFを見ているようだった。
なんだが随分と情けない顔をしている。
その表情はなんとも幼い顔立ちに見えた。
ふとその男と目があった。
すると目を見開いて慌ててのけぞった。
(なんで……こっちを見て逃げる? わたし、そんなに怖いの?)
その行動にわたしは首をかしげた。
なぜだかよくわからないが、そいつは、わたしから目を逸らした。
すると、赤毛の女と、ごつい男に何やら話しかけられると、顔を真っ赤にして何か叫んでいる。
「チゲーから!」
と聞こえたような気がする。
どうやら二人がからかっているようだ。
赤毛の女とごつい男は「ウヒャヒャ」というようななんとも下卑た笑いをしてそいつから走って逃げた。
そいつは腕を振り上げ二人を追いかけ、通路の先へと消えていった。
「なんだあのガキ」
なぜだか知らないが自然とそんな言葉が口から出ていた。
するとアジエが「ププっ」と吹き出した。
「いやいや……あいつ、あんたより年上なんだけどね」
「ミツエおばちゃんのところでは見なかったけど、誰?」
「そのスクラップの持ち主だよ。悠って名前だ」
「ふーん」
もう一度、壊れたCFの目を見た。
今度は悠というあのコード・ライダーの見せた情けない顔が重なって見えた。
なんとなくあの表情は気になった。
何故だかわからないが、この力無く座る機体を見てわたしはやるだけやってみるかという気持ちになっていた。
【Present Day】
「うっ……」
わたしの言葉の右ストレートは的確に悠の顔面を捉えたらしい。
怯んだあいつにわたしは容赦なくたたみかけた。
「ダンパーの段階もかってに変えて。左右どころか両手も両脚もバラバラになってたんだけど」
「えっと、それは……」
図星をついたのが丸わかりだ。
やっぱりか……。
ちょっと見、ズレに見えるように微妙な変更をかけていた。
姑息すぎて余計に頭にくる。
「あと、コード・ベースに変な処理を勝手に入れるなって、あたし、あれほど言ったよね。後処理でループしてTEMPに焦げたデータがごっそり滞留してたんだけど」
こっちに関しては隠してすらいない。
大方、ノリで処理を追加して後で消すのを忘れていたといったところだろう。
「と、飛ばしてる間にちょっと気になったから俺なりにチューニングをだな……」
絶望的にセンスのないコードを割り込ませてチューニングだと……。
こいつは……人をバカにしてるのか?
わたしがいったいどんな気持ちで……どんな思いで毎度、γを直してると思っているんだ。
それをこいつはすっとぼけた顔して言ってる。
だめだ……わたしの頭の中で何かがキレた。
「悠、あんた、あたしの調整にケチつけるわけ」
「……いや、そういうわけじゃ……」
「あんたのはただその場しのぎで弄ってるだけでしょ。動きがついてこないのをあたしのせいにしないで」
「おい!そんなこと言ってないだろ!」
そら、きた……とうとう逆ギレだ。
わたしはとどめの一撃を叩き込んでやった。
「ヘタクソ! 言い訳しないでよ……」
ぷいと顔をそむけて言ってやった。
悠にはこれが一番、効果的だ。
「いい加減にしろよ、お前!」
ほーら、釣れた。
単純なんだこいつは。
そういうカワイイとこなんだよ……。
「STOP! ほーら、そこまで、そこまで!」
アジエの大声が響いた。
わたしと悠の間にぐいと割って入りきた。
ペチンと額を軽く小突かれた。
悠にも同じように小突く。
「ったく、どっちもどっちだ。悠!ガキみたいにムキになるな。チセ、お前も言い過ぎ!」
唇を尖らせわたしはそっぽを向いた。
そのとき、ジジっと頭の中でへんな音がしたような気がした。
「まったく、ガキ共は……」
アジエの声が聞こえる。
痺れるような感覚がして思わず、目が泳いだ。
視線の先に、ニキシー管時計が目に入った。
その瞬間、わたしには分と秒の部分がノイズが走ったように見えた。
二キシー管の数字に、わずかな「演算の乱れ」を感じた。
……いや、違う。わたしの処理のほうかもしれない。
思わず目を閉じた。
少し気分が悪い。
たまに気持ちが昂ぶると、同じようなことが起きる。
ざらざらとした感情は後味が悪い。
とくに悠と言い争いをした後は特に嫌だ。
いま、悠の顔は見たくない。
わたしは無言のまま、風に辺りたくてハンガーの出口へと向かった。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
この物語は、仮想世界の秩序と、
人間とデータの境界を巡る戦いを描いていきます。
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次回もお楽しみに!
外伝 デジタル娘は腹が減る:チセの日常飯日記
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設定などをインターヴァーチュア・ガイドで不定期に投稿しています。
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