エピローグ「始まりと終わりはいつも一緒だよ」
エピローグです!!!
私──天倉ルナは、人間になった。
力を取り戻せはしなかったけれど、メグルからもらった『たましい』が、私を人間にしてくれたみたい。
私は、人間の頃の記憶を取り戻した。
良い記憶……とは言えなかった。辛くて、口になんてできない。とても酷いものだった。
だけれど、メグルと過ごした数日の記憶が、私を守ってくれた。
人間になったはいいが、帰る家がなかったので、記憶喪失ということで保護され、施設に入ることになった。
幸い、つらい記憶は沢山あったから、何かと過敏に反応してみた。
すると警察や医者、精神科医などは。ひどい仕打ちをされたことで、自ら記憶を消したのだろう……と判断してくれた。
過去の記憶に感謝だ。
本で読んだのだが、過去は巡るらしい。
自分の行いは巡り巡って自分に返ってくるのだとか。
そんなこんなで十年後──
「──月ちゃーん、あそぼ~」
「あ、ずるーい! おれとあそぶよね? 月ねーちゃん」
両の手を、私より力の弱い子供たちが引っ張る。
「はいはい、みんな仲良くね。外で一緒にあそぼっか」
わーい。と喜んで外へ走る子供たち。
後を追おうとして、一人だけ隅っこで丸まっていることに気が付く。
「あきなちゃん、どうしたの? 私たちと一緒に遊ばない?」
小さくしゃがむ彼女に優しく声をかけて誘う。
彼女は何かと不思議な能力を持っていて、周りから仲間外れにされることが多かった。
仲良くしてくれる子ももちろんいるが、その子たちはもう全員外に行ってしまっている。
「……院長先生。もうすぐお仕事入るから、遊べないよ」
お仕事……? だれか新しい子でも入ってくるのだろうか?
ちなみに院長先生とは私のことだ。
十年経って、私は前任の先生からこの施設──孤児院を引き継いだのだ。
そんな時、院のチャイムが鳴った。
「はーい! 今出ますよ~」
外に向かって声を張り、あきなちゃんの方を見る。
「あれ?」
あきなちゃんはそこにおらず、辺りを見ると外へと向かって走っていた。
……あの子、こんなに足速かったっけな?
首を傾げていると、再びチャイムが鳴る。
意識を切り替え、急いで玄関へ向かった。
「いま開けますよ~」
ギィと音をたてながらドアをゆっくり開けると、そこには小さな男の子がいた。
「どこの子……え」
私は、自分の目を疑った。
なぜなら、目の前にいたのは……どう見ても彼だったから──
「両親が死んだから、ここに来た」
いや、そんなわけない……
恐る恐る、私は名前を聞いた。
「俺? 俺は──」
ここまで読んでいただきありがとうございました!!
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