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03-04:くらーい話と少女の理由


 なんやかんや一波乱あったが、新一年生四人は無事異能部に迎え入れられた。

 炎を纏う紅蓮のヤンキー女番長、茉夏火恋。

 風を操る古の神狼の末裔、丁嵐涼偉。

 宝石を身体から生成できる財閥令嬢、宝条くるみ。

 影の中に潜って多彩な術を使うくノ一、影浦鶫。

 異色の経歴を持つ四人は今、二年三年の年上たちに連れられて上階の部室に移動していた。


「───明日以降、君たちにも異能部としての活動を本格的に始めてもらう予定だ」

「早速っすか?」

「もうッスか?」

「あぁ。先の試合で君たちの実力はある程度理解したつもりだ。琴晴くんと洞月くんが傍にいれば万が一もない……つまり、実践に出しても戦力として使える」

「え、ボクら頼み? 嘘でしょ?」

「良かったね真宵ちゃん。保護者だって」

「ボクまだガキでいいや……」


 一年生たちをソファに座らせながら始まった今後の活動内容に皆が首を傾げ、部長である玲華の主観を聞いて納得する。

 異能部は年中人手不足だ。それはどこの部も同じ。

 空想や異能犯罪者との戦を前にして、悠長に時間をかけてはいられない。今は星見廻の異能で空想出現の予知が可能になっているが、その力も絶対ではない。

 いつでも出動できるように。いつでも刃を振るえるように。

 早いか遅いかはそこまで重要では無い。

 が、すでに基礎はできあがっている戦士達を無為に遊ばせておく余裕もない。

 玲華が一年を即戦力としたのはそういう理由だ。

 加えて、既に予知で明日以降の空想出現は判明している為、悠長に時間をかけてはいられないのもある。


 保護者枠を喜ぶ日葵と拒む真宵を他所に、一年生に向けた玲華の説明は続いていく。


「今週はどうもひっきりなしでな。木曜以外は連続で空想が来ることが廻の異能でわかっている。言い方はあれだが、君たちには実践で学んでもらうつもりだ」

「りょーかいなのです! がんばります!」

「承知でござる」

「威勢があってよろしい。では、今日はもうお開きにするが……最後になにか質問がある者はいるか?」


 そう声を上げた玲華を前に、一年生は顔を見合わせ逡巡してから特にないと首を振る。

 質問がない以上今日の部活は終了。解散である。

 集中力が切れてきた二年(雫と一絆を除く)と三年の早く終わらせろオーラを感じ取った玲華は、文句を言われる前にミーティングを終わりにする。


「では解散! また明日からよろしく頼む!」

「「「「はいっ!」」」」


 若々しい元気な重声と共に、休憩時特有の重くない軽々とした空気が流れる。

 笑顔の年下達の若さを見た廻は思わずにっこり。

 この歳で社畜ばりの働きを見せている彼にとって、普段の顰めっ面が解けるレベルで微笑ましくなる光景だったようだ。

 横でそれを見た多世は若干ひいている。何故か。


「じゃっ、こっからはフリータイム、だね♪」

「一年坊共〜、この洞月様が今からお前らに死にたくなるほど有難いお言葉をくれてやる。例えば今ボクの胸を揉んでいる変態クソ女の弱みとか色々」

「えっ」

「教えて欲しいでござるぅ〜☆」

「さては人の弱み大好物だな?」


 自由時間だと人目を憚らず真宵に手を出した日葵は死ぬ運命が定まった。弱みの内容によっては真宵ごと空間内の人間を殺すか真剣に考えている。

 悪いのは日葵なのに。人前での肉欲発散は普通に犯罪である。


 面白半分で自分の元に集まる一年たちを、悪巧みの笑みで真宵は迎えて語り出す。


「ま、弱み云々はともかく、これから異能部で働くに当たって知っておくべき注意点、それをボクが教えてあげるよ。時と場合によっては死に至るからね」

「ホラースポットかなんかか?」

「もしかしてッスけど入る部活間違ったッスか?」

「ぷぇ……」

「くるみん殿気を確かに! 怖い話苦手なんでござるね理解しましたお耳塞がせてもらうでござる」

「限界民みたいなのおって草」


 経費で無断購入した使い道のない教卓を椅子にして足を組む真宵は、どこからか取り出した青い火を灯す蝋燭を片手に怪談を話さ───ない。

 雰囲気作りは一絆によって速やかに処理された。

 ビクビク震えるくるみの背後に回った鶫は、小さな身体をぬいぐるみのように抱き、そこから耳を塞いでいる。


 他の二年と三年は何やってんだコイツといった顔で真宵が語る禁則事項を興味半分で聞き始めた。


 そして皆、黙って見ていたことを後悔する。


「まず一つ。二階の204号室には入らないこと」

「えっ……」

「……あのその、えっ」

「魔法研究部を根城にしている仇白悦って言うヤツが不法投棄した冒涜的なモノが居座っているので、命が惜しければ立ち入らない事を勧めるよ」

「待ってくれ部長である私も知らないんだが???」

「真宵ちゃん???」


 なんということでしょう。一絆に止められたはずの怖い話は止められていなかった。

 普段使われていないとは言え、怖いモノは怖い。

 物理で潰せる空想はともかく、かの魔女が放置する代物など不穏でたまらない。

 部員達の静止を無視して、真宵はほん怖を続ける。 


「二つ目。地下二階の訓練場の下にある空間に意識を向けないこと。あんまり見続けると気付かれます」

「なにに!?」

「さっきぶっ壊れた部屋ッスよね!?」

「待ってくれ。待ってくれないか洞月くん」

「真宵ちゃん……?」


 玲華と弥勒が行った魅せる戦い。それで壊れた畳の訓練場。その下にナニカがいると真宵は語る。

 先程までそこに居た彼らは恐怖で身を竦ませた。

 なんとも言えぬ恐怖が、ひたりひたりと這い寄ってくる。


「鶫ちゃん鶫ちゃん」

「な、なんでござろう……」

「影潜ってた時、なんか違和感なかった? 聞いた感じ水中みたいな感触なんだろうけど、一部だけ重く感じなかったかい?」

「えっ? …………………ぇっ」

「ぴぎゃ」

「雫ちゃんが死んだ!!」


 思い当たる節があったのか、鶫は完全に硬直した。

 約一名ほど流れ弾で奇声を上げぶっ倒れた。液体故水中という単語がアウトだったようだ。


 そんな二人の反応も無視して、真宵は終幕を紡ぐ。


「これで最後。女子シャワー室の入り口から三つ目は使わないように。取り込まれます」

「ふぁ!?」

「ぷえっ……ぷぇっ……」

「切実に棟の解体と再建をお願いしたい」

「もしもし学院長、貴方の黒い方の娘さんが部室棟をホラースポットにしてるんですが何か知ってますか」

「真宵ちゃん……」


 八割が女性メンバーで構成された異能部にとって、その情報は“死”であった。

 雫は既に液体となり、あの玲華さえ身を竦ませる。

 多世は一つ目の段階でダンボールの中に隠れ潜み、日葵は冷や汗をかく。くるみと鶫、火恋の一年たちは脳内で退部届を出そうか本気で苦悩していた。

 弥勒は無表情。特になんとも思っていない様子。


 阿鼻叫喚なのは男性陣も。一絆も姫叶も廻も涼偉も男の意地で耐えているだけで、内心泣きたくてたまらない。

 姫叶なんて一絆の服の裾を全力で掴んでいる。

 涼偉はファー扱いしているふさふさの尻尾が恐怖で股の間に入り込んで戻らない。

 廻は眼鏡を連続かちゃかちゃ、一絆はドン引き顔。


 真宵のほん怖語りは全てを恐怖のどん底に落としていた。



「あ、全部嘘ね」



 満面の笑みで真宵が種明かしして、たっぷり一分。


「「「「「死んでくれ!!!」」」」」


 真宵と日葵、弥勒の三人以外の部員たち全員の心が揃った瞬間であった。






◆◇◆◇◆






「ねー、これ解いてよ。そろそろ頭に血が上って朝日迎えられなくなっちゃうんだけど」

「でも本望でしょう?」

「死にたいは死にたいけどちょっと違うんだよなぁ」


 天井から逆さ吊りされている真宵を横目に、恐怖の怪談から開放された部員たちは先程までの冷めた空気を払拭するかのように和気藹々と談笑に励んでいた。

 複数から鉄拳制裁を食らった真宵は頭にたんこぶをたんまりと乗せている。まるで六段アイスクリームのようだ。

 ……その傷も気付いた時には無くなるのだろうが。


「おめーはマジで反省しろ?」

「ごめんて。ついホラーって言葉を聴いて……こう、やりたくなっちゃったんだよね」

「オレのせい……?」

「大丈夫だよ火恋ちゃん。利用されただけだから」

「酷くね? 千年単位でどっぷり浸かりあってる相棒にその扱いその仕打ちは酷くね? 泣くよ? 泣くよ?」

「あら、なら私が泣かせてあげようかしら……」

「醜態晒したくないから遠慮しとくね」


 握り拳を作る雫から全力で目を逸らして、身体ごと目を逸らした真宵は目線で日葵に助けを求めた。

 笑顔で却下された。

 次に真宵はボーッと壁に寄りかかっていた弥勒へと目を向けて助けを求めた。


「…………ん?」


 残念、通じなかった。弥勒は再びボーッと呆けた。


 真宵は泣く泣く雫からの折檻を受け入れた。そして後悔した。なにせ右腕を液体に変えてスパンキングを仕掛けてきたのだ。

 即座に縄抜けにして逃走を図る。残念、捕まった。


 そんな情けのない先輩のドタバタコメディを見て、なんとも言えない表情をしていた一年生の一人、宝条くるみは、全然関係ないが思ったことを口にした。


「あの、先輩達はどーして異能部に入ったのです?」


 何気ない質問を聞いた二年と三年の動きが止まる。滅多に聞かれない話題だった為、なんでだったっけと各々思考を巡らせる。

 同じく新入の一絆も興味を持ち、聞く体勢に入る。

 周りを見回せば、なんとも言えない表情を浮かべた同級生や先輩たちがいた。


「私はこの力を誰かの為に使いたかったから、ここに入ったのです、けど……その、それで、えと……み、皆さんはどーなのかなって思いまして……?」


 ただただ気になった。それだけの理由で聞いてみたくるみだったが、二年三年の反応が思ったより固くて不安になっていた。

 なにせ全員無言。

 単純になんだっけかなと悩んでいるからなのだが、そんなこと知らない彼女は地雷踏んだのかなと怯えるばかり。


 可哀想。早く誰か喋ってあげて。


「んー、私はおとーさん……学院長のかるーい推薦で入った感じかなぁ」

「俺も先に言っとこ。色々あっての成り行きだぜ」


 空気を読んだ日葵が真っ先に沈黙を破ると、一絆も我先にとそれに続いて入部理由を喋った。成り行きというのも嘘ではないが、並行世界云々などの諸問題に箝口令を出された為このような簡単な説明になってしまった。

 無論それを知らない一年生たちは特に疑問を挟む事もなく、なんだったらと自分の入部理由を話し出す。


「俺は単純に戦いたいから、ッスかねぇ」

「んー、オレは特務局のばーさんに入れって脅されて最初は仕方なく、だったぜ? 入部試験でふつーにやりたいってのに変わったけどよ」

「拙者は、その……まぁ〜……忍者的理由で?」

「ごめん女子二人にツッコミどころが多すぎる」


 黙って聞いていた真宵も思わず沈黙を破って二人に目を向けた。経歴的に二人とも闇が濃そうなのでわざわざ聴かないが、ちょっと気になった。

 なにせ片方は特務局に目をつけられている様子。

 そんでもって自称・新人くノ一も後輩にいるのだ。気にならない方がおかしかった。


 涼偉は呑気な顔で欠伸をしている。犬みたいに。


 特務局からの推薦はほぼ確実に入部できる地獄への切符である。渡される大半が過去に素行不良で問題があった者ばかりなのも黒さに拍車をかける。

 実態は超法規的措置による犯罪者運用の応用だ。

 胸に一物抱えている高校生を政府直下の治安維持に参加させることによる更生、国全体の戦力の増強を求めた政策である。

 無論、しっかりと更生の余地がある者に限るが。


「いや、やましい話ではないんでござるよ? ただその実家で色々ありまして……ね?」

「闇が深そう。これが本当に怖い話ってヤツ?」

「違うでござる同じにしないでくだされ!!」


 同列に語られたくない、鶫の必死な慟哭であった。


「ん。次は私。私は………ん…廻」

「はぁ……コイツも茉夏と似たように特務局の要請で強制入部している。幾つかの交換条件付きで、な」

「ん。そうなの?」

「何故把握していない。お前の身の上だろうがッ!」


 曖昧そうな表情の弥勒に蹴りを入れ仕方なく説明を代わった廻は、やはり納得できていない弥勒に追加の一撃を怒鳴り加えた。

 尚、廻が異能部に入ったのも特務局の要請である。

 理由は勿論、《洞哭門(アビスゲート)》開通の予知が可能な異能を持っているからである。彼自身もその力を使うことに躊躇いはなく、逆に乗り気であったとのこと。

 そして、部室の片隅で独り震えている多世は……


「強制入部なんて横暴です……ぐすん……」


 当時の絶望を未だ引きずっているのか、悔しそうに泣いていた。国内最大のサーバーをダウンさせた疑惑のある犯罪者を捨て置かず正義の徒として使う辺り、特務局の性格の良さが伺える。

 三年の時点で強制入部が二人もいるなど、普通なら考えられないことだが……


「僕は普通にお金稼ぎの為だね。街の治安とかよりも優先すべきことってあるじゃん?」

「実際は病気のお姉さんの治療費じゃない」

「そこは黙っておくのが約束でしょ!?」


 姉思いな姫叶は、植物状態の姉が目覚めるいつかの日を夢見て、異能部に入ることを諦めなかった男だ。その熱意は他の誰にも負けやしない。

 気の置けない友人を揶揄った雫も入部経緯を語る。


「私はまぁ……目標があったから、かしらね」


 素直にお姉ちゃんの背を負いたかった、同じ職場で隣に立ちたかったから、とは言えなかった。

 すぐ側に姉がいるのもだが、絶対に揶揄われる為。

 隣でいい笑顔をしている真宵に微笑まれるのが一番屈辱であった。


「ふむ、次は私か……私は純粋に、この壊すことしかできない力を世の為に活かしたかったから、だな」

「あー、訓練場……」

「ガッツリ実害を見せられてたね」

「触れたもの全てを壊してしまう悲しきモンスター、ってこと?」

「不名誉すぎるぞ」


 異能部部長・神室玲華。神の武器の名を冠する雷の異能を持つ彼女は、生まれ持ったその力をアルカナの為に活かしたいと語る。

 幼少期に発現したその異能は、悉くを焼いた雷だ。

 忌み嫌われたその力を称賛される力に変えたのは、ひとえに彼女の努力と偉業によるものだろう。


「で……ラストは洞月くんか」

「んー理由って言ってもねぇ……まず大前提として、ボクってば自分から入部届、出したわけじゃないんだよね」

「……推薦コース、なのです?」

「いや、そんなんじゃないよ」


 低く唸るように答えた真宵は、何処かやましそうな雰囲気を醸す、イヤな微笑みを浮かべる日葵を睨んで言った。

 つい先日の事だとも思える過去を想起する真宵は、入部することになった経緯を軽く、裏事情など不穏な情報は抜かして語る。


「当時は帰宅部の姫になるか魔王を崇める会とかいうオタサーの姫になるか悩んでたんだけど……」

「なんだその選択肢」

「お姫様に夢でも見てるんでござるか?」

「ちょっと言葉強い。まぁ姫云々は冗談だよ。普通に家帰って寝る生活するつもりだったし……そんな淡い夢をぶっ壊したのが、この脳内ピンクお花畑」

「えへへ。照れる」

「今のに照れる要素一ミリも無かっただろ亡かすぞ」

「字面が不穏だよ、ごめんてまよちゃ……」


 照れ顔を見せる日葵に足蹴りを食らわせる真宵は、なんとか周りに宥められながら徐々にイラつきを鎮めていく。

 弥勒のなでなでで怒りは終息した。


「勝手に入部届出されて、気付いた時にはここで働く未来が決まってた、ってわけ」

「勝手に人生設計変えられてて草」

「かーじゅーきくん? 社会的に死にたい? 別にキミが生きてなくてもボクは平気なんだけど」

「ごめんなさい」


 哀れ、望橋一絆は魔王に平謝りする奴隷となった。


「端的に言うとこんな感じかなぁ。ぶっちゃけなんでここに入れたのかわかってないんだけどさ。それでもイヤイヤながらちゃーんとやってる。偉くね?」

「すっごい偉い」

「安心してくれ、もっとこき使ってやるからな!」

「ぶちょー嫌い……」


 ただでさえ多忙な真宵が惜しくも過労死するまでの距離が一歩縮まった。


 そんなやり取りをする同僚たちを見ながら苦笑いを浮かべる日葵は、楽しそうにそれを眺めていた一年生たち、特にくるみがいる方へと顔を向ける。


「ふふっ、ま、こんな感じで入部理由は人それぞれ。なーんでくるみちゃんが不安に思ってたかは知らないけど……君の疑問は疑問は解消できたかな?」

「ん! はいなのです!」

「ん、それは良かった♪」


 満足気な笑みを浮かべる後輩に、思わずにっこり。


「むっ……もうこんな時間か。すまないが今日はもう解散として、明日に備えるとしよう」

「はーい」

「うーっし、帰るかぁ〜」

「皆、ばいばーい」

「転換はや……」


 夕焼けを告げるメロディを耳にした玲華が、各々に帰るよう促せば、二年三年はパパっと帰宅の準備をして廊下に出ていく。

 切り替えの速さに呆然としていた一年たちも慌てず騒がずそれに続き、明日に向けて学院から立ち去っていく。


「それじゃ、また明日」

「まったね〜」

「しゃす! お疲れ様でした!」

「くるみ殿、お迎えは?」

「出る前に執事長に連絡したのです! そろそろ来ると思っ……あ、来たのです!」

「リムジン〜初めて見たッスよ俺」

「オレも動いてんのは初めてだわ」


 こうして、新入生を四人も迎えた“新生”異能部は、新たな門出を迎えたのであった────…
















































「で、あの怖い話。アレってマジの実話なんでしょ」

「……流石に誤魔化されなかったか」

「今お風呂に入ってるかーくんとかれーか部長も深く掘り下げなかったからいいけど、あんまり言わない方が精神衛生上みんな嬉しいんだよ?」

「わーってるよ。ただマジモンが紛れてるからさぁ」

「え、てか怪異とか幽霊とかって実在……」

「魔物のゴーストとは別モンなのは確かにいるけど」

「ホラースポット絶ッッッ対に行かないから。金輪際誘わないでね」

「……物理効かないから?」

「そうだよ!!!」

「ガチじゃん……ま、全部魔王城産だから平気だよ」

「何も平気じゃないじゃん……ん? あのてかそれって真宵ちゃんに誘われて来ちゃってるんじゃ……?」

「……………あはっ」

「否定して!!!」

「いやホントになんでバレたのか理解できない……」


 誰も知らない夜の底、恐怖は常に傍にいる───…


何故怪談っぽいのを書いたのか……なんでしょ、気分?

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