相談
目覚ましの音でいつも通り目を覚まして、私は学校へ向かった。
一晩眠ったら意外と思考が整理されてきて、なんとなくだけど今後の方針もわかってきた気がする。
だからとりあえずそれを実行…と言いたいところだけど、無駄に手を加えるようなことをして家族の仲が壊れてしまう、とまではいかなくても今以上にお父さんの愛が伝わらなくなってしまっては困るので、私は学校の友達、つまり第三者に相談することにした。
何事にも客観的視点が大事だって教わってきたからね。
それに運良く、私の一番の親友は恋愛小説が大好きだ。
普段から、愛を伝えあって仲の良いカップルを見てきたミヤコちゃんならきっと良いアドバイスをくれるだろう。
と意気込んで学校へ向かったのは良かったんだけど…
「ミヤコちゃん、おはよー。ねえ、ちょっと相談に乗ってほしいんだけど…」
「おはよ。どうした?由衣が相談なんて珍しいじゃん」
「実はね…」
と、昨日の出来事や私の考えを細かく説明した。
「ってわけで、お父さんの愛がちゃんとお母さんに伝わるようにしたいの。なんかいい案ない?」
「そんなこと急に言われてもなー」
「そこを何とかっ!もうミヤコちゃんしか頼れないんだよー」
必死にお願いしたおかげか、
「もう、わかったけど、上手くいくかは知らないからね」
「ありがとう!」
やっぱり持つべきは友、だね。