-グリーヴ・エスカノール-
コードが、一人一人…別々のものを与えられているとするのなら一体何を持っている。
ソロモン、ナベリウム・カルタゴ、アスカ・メリ、リッチ・オベール、そしてグリーヴ・エスカノールか。
ソロモンは、噂の通り……極寒の地「フリューゲル」にいる。
特に目立った動きはなし。
ナベリウムか。 聞いたことのない、名だが 凶土狂にいるということは相当な実力者か。
凶土狂とは、危険な魔物が数多く存在している魔の大陸である。
アスカ。こいつは、確か……
ヴァイロンは、ある本を開いた
やはり、魔界大戦の……魔王の名だな。場所は、凶土狂の地獄城。
復活を遂げたといったところか。
リッチといえば、勇者の側近の賢者の名だな。
いつの代だったか……400年ほど前だったか……場所は「フェスト」か。
4大陸の中で我が帝国に次ぐ面積の大陸「バロリンド」にいると。
この者たちは、慎重に動いていると考えるべきか。
問題は、グリーヴ・エスカノールだな。
この速度で、自らの国を移動している、まさか英傑装備を使っているのか?
だとしたら、一体なんのために……こいつに与えられたコードは一体何なんだ
『大量殺人です』
――!?
『どこで起きた?』
その報告を知らせてきたのは、諜報部隊の隊長「グレーテル」であった。
隊長のコード≪忠誠会話≫は、遠いところに居ても念話によって会話を可能にするのだがその報告は驚きだった。
アレフ大陸の南東に位置する島国オールスタイン そこはグリーヴが王をしている国である。
そして、そこで大量殺人が行われているというのだ。
そして、その地域とグリーヴの移動経路を重ねると一致した。
これは……偶然では、ないな。
グリーヴが、殺人をするということは奴のコードは殺人によって効果を発揮するもの……
『グレーテルよ、殺された者の素性を調べられるか?』
『はい、只今』
『任せる』
殺すことで、効果を発揮……魂のストック、血を扱うコード?いや、これは違う。
わざわざ、身勝手に殺しているわけではない。
なぜか、しっかりと狙って殺していることは確かだ。
一体……どんな
『ヴァイロン様』
『うむ、報告を聞こう』
『はっ、殺された人数は24名。
すべての者を把握することはできませんでしたが、4名の素性を調べました』
報告内容は、至ってシンプルで明確だった。
コードが有能な人材が死んでいる。
これが、4名の合致点だった。
『わかった、引き続き調べろ』
『はっ』
となると、奴のコードは……ほかの者のコードと関係していることになるな。
『ヴァイロン様』
グレーテルでは、ない。
ほかの諜報員……「ウェル」からの報告だった。
内容は……
グリーヴが、英傑装備以外のコードを使用したというものだった。
それも、複数。
なるほど、奴のコードは殺した者のコードを奪う能力か……
それにしても、無警戒すぎるな……グリーヴ、奴はこんなにも無警戒で残酷な奴だっただろうか?
疑問を抱きながらも、ヴァイロンは考える。対策を――