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週刊言責は追求せり!  作者: 壱ノ瀬和実
彼と彼女が目指すもの
46/77

5-1

 ――週刊言責十四号、『実録じつろく! 優等生の真実!』冒頭部分から抜粋ばっすい


 一番好きなおにぎりの具は何ですかと問われたらば迷うことなく、「ツナマヨこそ唯一ゆいいつにして頂点なり!」と答えるわんぱく少年だった筆者ひっしゃであるが、私が日々家で食していた缶詰に書かれていたシーチ◯ンという文字が、必ずしもツナを意味していると言うわけではないことに気付いたのは、制服姿もようやさまになってきた頃の話であった。

 ツナとはマグロの英訳えいやくである。常識じょうしきと言って良いだろう。しかしシー◯キンはツナであるとの先入観せんにゅうかんとらわれた私が、缶詰に括弧かっこ書きで「カツオ」としるされていることを知ったとき、私にとっての常識が爆破解体されるビルのように崩壊ほうかいした。

 私が愛した我が家のツナマヨとはシ◯チキンマヨネーズであり、唯一にして頂点と思っていたツナマヨは私にとって唯一でもなければツナですらなかった。

 だが私は叫んだ。何の問題があるか!

 私が美味いと小躍こおどりしていたツナマヨは確かにツナではなかったが、シーチキ◯と名を変えただけでその味は変わらない。

 私はツナマヨという名前が好きだったのではない。シー◯キンマヨの味が、存在が好きだったのだ!

 概念がいねん根底こんていからくつがえされたとしても、私がそれを好きであった事実までは覆せまい。

 本質ほんしつ見誤みあやまってはいけないのだ。何を愛していたのか。何を想っていたのか。


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