転生悪役令嬢は見つめる
約1ヶ月ぶりです、携帯が壊れたショックから立ち直れませんでした。
これからはがんばります……。
……ティフォニーを私付きじゃなくするって……わりと大変なんだよな。
自分で解雇するのは無理だから、父に聞かなきゃだけど。
父は、どうでもいい私でも貴族令嬢としての侍女がいるから、新しく探さなきゃいけない。
それを頼むのか……あの父に……。
無理だな。もっと敵意持ったのが来そう。
信頼できる奴は一人もいない。孤立無援……いや、居たかも。
「メイリー以外に私の推しって、いたよね……」
なんも思い出せないけど。
多分、悪役令嬢の騎士だろうな。
何故なら、最推しがメイリーだから。
……説得力しかないな。
問題は、その騎士の名前が思い出せないこと。姿もね。
……探しに行くかなぁ。
フェルタシアのことと前世で読んでいた悪役令嬢物の内容から考えて、普通に過ごしていた場合、思い出せるのは、多分会う少し前。前日あたりかな……。
……おかしいといえば……兄様って……。
魔法書片手に考えごとをしていた私は、足音が近づいてくるのに気づかなかった。
「ふーん、随分と難しい本を読んでんねぇ。偉〜い」
楽しげな声に、私は持っていた本を落とす。
メイリーの記憶が入ってくる。頭が割れそうに痛い。
「……にいさま、?」
兄様の目が私を見て驚いたように丸くなる。
『メイリー♪ なあにやってんのぉ? べんきょ〜か、つまんなぁい』
『甘えんぼさん、兄様はすぐかえってくるよぉ』
『ふふ〜、さすが兄様の妹だねえ』
『メイリー、バイバイ♪ 来世でねぇ〜』
あつい、いたい、だれかたすけて、あたまが、ひとりにしないで、わたしはひとりでも、こっちにこないで、にいさま、やめて、死なないでっ……!
「メイリーっ!」
意識が遠のいていく。
主人公とは似ても似つかない青の目を見て、私は目をつむった。