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転生悪役令嬢は甘えたい  作者: 狐由樹
転生悪役令嬢は甘えるのが下手すぎる
3/15

転生悪役令嬢は頭を抱える


『オモ姫』に転生したことに気付いて、五時間。


私は自室で頭を抱えていた。


……なんで思い出せないんだろう。



……攻略対象を、誰一人として。


え、どうしろと言うんだ、名前すら思い出せないのに……えぇ?


ハードモードが過ぎる。


「ヒロインの幼馴染と、悪役令嬢の騎士がいた気がする、けど」


覚えてない。


『メイリー』の記憶にも、瑠花の記憶にも、そんな人はいない。


まだ、出会ってないのかな?


でも、ヒロインは、今7歳。

幼馴染なら、そろそろ出てくるんじゃ……。


悪役令嬢の騎士ってのも気になるな……普通、悪役令嬢の婚約者とかじゃ………………ん?




その瞬間、頭の中でパチンと記憶が弾けた。





『フェルタシア様の婚約者は私です。

だから、お姉ちゃんは諦めてください!』

『……私がフェルタシア様の婚約者に選ばれたのは、6つの時です……』

『……ふふふ、ははははっ! ほんとにあんな言葉、信じてたわけぇ? 笑いが止まんないんだけど! 最高っだねっ!」






「…………!」


フェルタシア……フェルタシア・アイラン?


「思い出した……悪役令嬢の婚約者……」


メイリーの婚約者。公爵家の跡継ぎ、フェルタシア。

攻略難易度★★★。神出鬼没の、愉快犯。


彼は、『メイリー』を処刑台へと導いた人物だ。




「……嘘でしょ……」


情報が上手く整理できない。

婚約者に選ばれたのは、6歳?


今が、12月23日。


私の誕生日は、1月7日。



「つまり、あと1ヶ月もない?」



……これは転生早々、詰んだ……?




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