転生悪役令嬢はヒロインを見つける
お久しぶりです。
リアルで少しトラブルがありまして、更新出来ていませんでした。
待ってくださっていた方、本当にごめんなさい。
これからは元通りのペースになりますので、これからも拙作をよろしくお願いします。
予想外。
予想外である。どうやら、私がアルテア兄様と遊びつつ、ティフォニーを専属から外すため動いていた間に兄様の命日はすぐそこまで来ていたようだ。
想像の4倍くらいアリアが来るのが早かった。
ブルーローズの開花時期からみて、流石に一月だろwwwって思ってたのが良くなかった。
よく考えれば、メイリーとアリアの誕生日は一月だし、キャラの誕生日も偏っている。
周年記念まで一月だと、イベントが渋滞を起こしてオタク(の財布)が死んでしまう。
とまぁ、話がそれたが。
目の前には座り込んだヒロイン(未来)。後ろには兄様。そしてそこから少し離れた噴水にはヒロイン(過去)。
地獄絵図である。マジなんなんだ、この状況。
「大丈夫ですか?」
再び問いかけてもアリアは答えない。切実に助けてほしい。こちとら六歳児だぞ、無視すんな泣くぞ。
協力を持ちかけようにも兄様が近すぎる。少しの間考えて私はアリア(未来)の手を無理やり引っ張りーーー倉庫の中に押し込んだ。
「? 、ーーーー!」
なにか言ってるが、あんまり騒ぐと兄様によって飛ぶのは彼女の首である。
大人しくしておいてくれ、メイリーの教育にスプラッタショーはよろしくない。
「あー! メイリーだぁ! ど〜したの〜♪」
「……兄様」
「うん! メイリーの兄様だよ〜。どうして一人でお庭にいんの〜? 誘ってくれたら良かったのに」
相も変わらず兄様は天使のような笑みを浮かべたまま走ってきた。
……フェアリアルの真っ白な制服に赤い液体が付着しているように見えなくもないのだが、触らぬ神に祟りなし。気にしちゃ駄目なやつだな、これは。うん。ケチャップでもついたんだろうな、兄様割とお転婆だから。そういうことにしておこっと。
「兄様はお仕事だったの?」
「ん〜? ま、そんなとこかなぁ」
フェルのとこにも寄ってきたんだよぉと、ニコニコ笑いながら話しているが、少しへにゃ、としているところを見るに、かなりお疲れらしい。
「そっか……ちゃんと休んでね」
「……善処します」
うん。それ、絶対しないやつだよね? ティフォニーがいるから平気と伝えると、兄様は申し訳無さそうに視線をうろちょろさせて。
「……ふぁ…んう、ねみぃ」
ぽつりとそうつぶやいた。
そしてふらふらと歩き出す。珍しい。兄様がこんなにぽやぽやしてるなんて。
「また後でねぇ、俺の可愛いお姫様」
「おやすみなさい、兄様。よい夢を」
☆★☆
さてと。
兄様とあとーーーアリア(過去)が去ったのを確認して、私はそっと倉庫の中を覗き込む。
怯えたように一瞬びく、と体を揺らしてすぐにヒロインはこっちに寄ってくる。
「……ね、ねぇ。貴女メイリーだよね?」
うーん、ど直球!!




