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ネタ帳

アオは、自分が見た夢をいつもパソコンで書き留めていた。


それはいわば、小説を書く時の<ネタ帳>のようなものだった。


ほとんどはとても使い物にならないただの落書き止まりなのだが、中には実際に小説に使い、出版されたものもある。


「ふむ……」


キーボードをたたき書き留めているうちに、ふと頭に浮かんだものがあった。


そこで今回も、見た夢を基に、プロット的に書き起こしてみたのだ。




バンパイアハンターの少年、ヴァーミリオンは、自身の両親を殺した悪しきバンパイア、ヴァルシュピニアを追っていた。


ヴァルシュピニアは、人間との共存を望む穏健派のバンパイアを激しく憎み、人間の娘であったヴァーミリオンの母親と仲良く暮らしていたヴァーミリオンの父親を殺し、一緒にいた母親も殺したのである。


その時、まだ幼かったヴァーミリオンは保育園に行っていて無事だった。


両親の死を知ったヴァーミリオンは、親を亡くした保育園でもあったその保育園に引き取られたものの、ショックで何日も泣いて過ごし、涙が枯れてもふさぎ込んで誰とも口をきかない子供になってしまった。


そんな彼を不憫に思った保育園の職員、クリシュティナは献身的に彼に尽くし、支えてくれた。


そうして彼が少しずつ癒されていってる間にもヴァルシュピニアによるバンパイア狩りは行われ、次々とバンパイア及びバンパイアと共存しようとする人間達の被害は増えていった。


警察も懸命にヴァルシュピニアを追うものの、バンパイアとしても規格外な強さを持つ悪漢は捕えきれず、逆に返り討ちにあって警官の死傷者も多数に上っていた。


そんな、人間にとってもバンパイアにとっても危険な存在に対して、各国は桁外れの賞金を懸け、軍隊まで動員してヴァルシュピニアを倒そうと試みる。


それでも悪しきバンパイアを滅することは叶わず、十年の歳月が過ぎたのだった。


そしてある日、保育園の児童達がテーマパークに遊びに来ていた時、あろうことかテーマパークにヴァルシュピニアが現れたのである。


テーマパークで働くキャストの中にバンパイアがいて、それが狙われたのだ。


ヴァルシュピニアが入国したらしいという情報を掴んでいた政府は、狙われそうなところを警戒していて、その中にこのテーマパークもあり、対ヴァルシュピニア特殊部隊も待機させていたことにより、テーマパークは戦場と化してしまう。


しかし、園児達がそれに巻き込まれそうになった時、身を挺して庇う者がいた。それは、成長して職員の手伝いとして働いていたヴァーミリオンなのであった。



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