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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第16章 冒険初心者のキセキ
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治癒、そして治療

視点変更。

 

 さて、どうしたものか。

 魔獣達に襲われそうになっていた少女を助けたまでは良かったんだけど、気を失ってしまった。

 理由は普通に考えて肩や脚の傷からの大量出血が原因だろう。

 気を失って倒れそうになった少女を抱えて、服が血で滲んでいたので取り出しておいた治癒核に魔力を込めて傷を癒す。

 幼そうに見えるけどさすがに脱がして確認する訳にはいかないので、脚の傷で判断した。

 なんおでもしかしたら治っていないかもしれないが、今は応急処置ということで。

 地べたに寝かせるという訳にもいかないので宝物庫にあるシーツを取り出してその上に少女を寝かせる。

 痛みが引いているようでさっきまで浮かべていた辛そうな表情が今は和らいでいる。

 傷が癒えて痛みが引いたのだろう、良かった。

 問題は少年(こっち)だな。

 彼の背中に刺さっている槍、これを抜けばかなりの出血だろうけどそこはすぐに治癒核で癒せる。

 しかし大抵のゴブリンの武器には薬が塗られている。

 これはゴブリン達が独自で塗ることあるそうだが、基本的には冒険者の使っていた物を使っているそうだ。魔獣にやられたり外した武具を剥ぎ、自分たちが使っているそうだ。

 そして魔眼を使って少年の背に刺さっている槍を見ると『麻痺毒』の毒が塗られているのが分かった。

 こればかりは治癒核でも治せない。

 一応毒がこれ以上回らないようにすでに槍を抜いて癒してある。


「とりあえず家へ運んで、“メルマン”さんに診てもらおう」


 用事は後にして俺は二人を脇に抱えてゲートで家へ飛ぶ。

 ちなみにメルマンさんとは俺の家で働いてもらっている医者だ。

 料理対決の時にリリーが気を失った時にポールさんが診てくれたが、やはり専門の人が必要だと思った。

 それと先日のニーナの発情期の時に一日中部屋で眠っていたからこれはさすがに、と思って夕食後に念話で神様に頼んでおいた。

 まあ皆、風邪などを引く事が少なかったとはいえその時になるまで決心出来なかったのは反省だよな。

 それで神様はメルマンさんを派遣してくれたんだけどまさか頼んでから一日も経たない寄越してくれるとは思っていなかった。

 メルマンさんは四、五十くらいなのに行動は素早く、背筋もビシッとしている。この前木箱三個を持ち運んでいた。

 部屋の一室を好きにしてもらっている。

 この前入ったら難しい本がずらりっと並んでいたし、病院とかの消毒液の匂いが漂っていた。

 その部屋の中にゲートを繋げて部屋へ入るとメルマンさんがちょうど道具の点検をしているところだった。


「おや、旦那様。そちらの方々は?」

「メルマンさん、悪いけど麻痺毒の解毒ってある?」

「ええ、御座いますよ。ですが、それにも種類が御座いますのでまずは診せて頂いてもよろしいでしょうか?」

「頼む」


 俺は二人をそれぞれベッドへ下ろす。

 少年はうつ向けに、少女の方は仰向けに寝かせて少女の方だけ毛布をかける。

 メルマンさんは少年から血を抜いてそれを何かの魔法具で調べている。

 それを調べ終えると次は彼の服を脱がせて診る。傷は癒したので残っていないが毒のせいなのか刺さっていた所が少し青紫になっている。

 そんな感で色々と診断をし続ける。

 数分くらいしてメルマンさんはこっちへと視線を移す。


「問題ありません。この毒ならちゃんと解毒が御座います」

「そうか、良かった」


 思わず安堵の息を吐く。


「ただですなー....」

「?なんかあるのか?」

「いえ実は、細胞が少し壊死しておりまして」

「壊死....治せそうか?」

「このくらいなら今からでも」

「なら頼む」

「かしこまりました」


 メルマンさんは深々と一礼してどこかへ走って行く。

 これで二人とも助かるだろう。だけど壊死は怪我を負って、その先端に毒が塗られていてもそんな早く細胞は死なない。

 まして俺が傷を癒した時、傷口からは血が流れていた。壊死するには時間がかかる。

 つまり前からあった所にたまたま槍が刺さったのだろう。

 それにしてもなんでこんな真似をしていたんだろか?レベル上げか素材目当てか....いや彼らの武具を見た感じだと両方違う気がするな。

 なら考えられるのは....

 そう思案しながら俺は医務室を後にする。



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