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様子見へ、そして理性

注意!....何かを!

 

 翌日の朝もニーナは降りてきていない。結局昨日の昼と夜も降りて来なかった。

 ポールさんやメイドさんたちにも聞いたが自分たちが知っている限りでは部屋すら出ていないとのこと。

 しかし食事はしっかり食べているそうだ。

 昨日の夜にサナをゲートでニーナの部屋へ送った。別に入ろうなんてしてないからね?さらにサナに睨まれたりとかしてないからね?

 まあ、話は戻して。

 朝食を終えても降りて来ない。

 キリとサナはいつも通り朝食を終えてからトレーニングへと戻った。彼女たちは休むという言葉を知らないのではと思うほど毎日欠かさずトレーニングに励んでいる。

 彼女たち曰く、「鍛錬(たんれん)は一日でも欠かすと腕が鈍るの」とのこと。

 そこら辺はよく分からない。俺は別に武闘派ではないがちゃんとトレーニングはしている。まあ時々サボっているけど。

 それでもそんなに変化を感じないのでピンっと来ないのだ。

 まあ、話を戻して。

 二人に「頑張れ」と応援をしたらサナに「アズマも行くのよ」と言われた。

 理由は、俺を一人にすると絶対にニーナの部屋へ行くからとのこと。全く持ってその通りだったので言い返せなかった....

 しかしトレーニングの最中にトイレと評して抜け出した。

 さすがのサナもトイレまでは付いて来なかった。まあそれが分かっていたからこそなんだけどね。

 ということで、監視がなくなったのでニーナの所へ向かう。

 別に好奇心とかではなく、ニーナが身体を壊していないか心配なだけだ。

 なので様子を見に行くのだ。忙しいと聞いたので俺にも何か手伝えることがないか訊いてみよう。

 そんなことを考えている間にニーナの部屋の扉前へと着いた。

 ここで前回のことがあるので注意が必要だ。ちゃんとノックをする。そしてニーナから許可出るまで待つ。

 ......許可というか返事すら返って来ないんだが?

 もう一度ノックするがやはり返って来ない。

 悪いとは思うが心配なので扉に耳を当てて中の音を聴く。

 すると中から少し息遣いが荒く苦しんでいるニーナの声が聞こえてきた。


「!ニーナッ!」


 俺は慌てて扉を開けて中へ入る。

 中に入ると布団を被っているニーナ(?)が視界に入った。その布団は少し揺れて、いや震えているのか?

 そう思うと俺は部屋の中へ足を踏み入れてニーナの元へと早足で駆け寄った。


「ニーナ、大丈夫か⁈辛いのか?」


 そう話しかけるが返事はなくただ息遣いの荒い呼吸と時々苦しんでいる声が漏れるだけ。

 サナは忙しいからと言っていたがどう見ても『忙しい』ではなく『苦しんで』いる。明らかに大丈夫ではなさそうなのでやはり医者に診てもらおう。

 そう思い、ニーナの布団を(めく)るために手を伸ばす。

 するとぶちっという音が聞こえたとほぼ同時に伸ばしていた腕が掴まれた。


「⁉︎」


 そして勢いよく布団から飛び出して来た者に床へ押し倒されてしまった。幸いもふっとした絨毯のおかげでさほど痛くなかった。

 って、そんな場合ではない!

 倒れてしまった時に思わず(つむ)ってしまったので、目を開けると、布団から飛び出して来たのはニーナだった。

 ただ息遣いが荒く、頰は紅くなっている。しかし艶やかな肌に潤んだ眼は妙に色っぽく、そこへ前者のものが重なってさらに色気が増している。

 互いにしばらくの間見つめ合っているとニーナの顔が近づいてきて唇が重なる。

 数秒くらいしてからニーナが俺の口の中に舌を入れてきた。

 そして自分の舌を俺の舌と絡ませてくる。

 それを数回ほど繰り返してからニーナが唇を退ける。


「っん...はぁ、はぁ....に、ニーナ?」

「はぁ...はぁ、っんあ....アジュマしゃん....」


 息遣いが荒く、彼女の名を出すのにも苦労するがなんとか聞こえる程度の声は出せた。

 ニーナは少し呂律が回っていないのか少し変になっている。


「ごめんな...しゃい、アジュマしゃん...わたし....私もう....我慢出来ません....」

「!⁉︎ちょっと!ニーナっ!」


 そう言ってニーナは俺の上に跨りながら服を脱ぎ始めた。

 止める間はあったがしかしニーナは俺の言葉を無視して上の服を脱ぎ捨ててしまった。

 下着姿となった彼女を見るのはこれで二度目になるが、こんな真っ正面から見たのは初めてだ。

 ニーナはよく家の中で本を読んでいるが冒険者なので多少は日に焼けているが、それでも白い肌だ。

 さらに細いお腹周りなため腰の括れがよく分かる。まあ下目でギリギリだけど。

 そして(言ってはなんだが)姉のサナよりもあまり成長していない所。そこを水色の胸当てが絶妙に隠す。


「どう...ですか?」


 そうさらに頰を赤らめながら訊いてくる。

 いや、どうですかって聞かれても....ここは本音を言うべきなのか?それともあえて違う何かを言った方がいいのか?


「.....やっぱり。ダメ、ですか?」


 俺が悩んでいたため何がかは分からないが不安になってしまったようだ。


「いや、そんなことはない!うん、全然ダメじゃない!」

「!よかったです....」


 何か分からないがとりあえず弁解出来たようでニーナは喜んでいる。顔が浮かない顔から笑顔へと変わった。


「それじゃあ...どうぞ.....」

「⁉︎おまっ!なっ⁉︎」

「んっ⁉︎」


 そう言ってニーナは胸当てを外してしまった。

 それに驚いている俺を無視し、俺が隠すために顔の前へやった腕を掴んで自分の胸へと押し当てた。柔らかい感触が指一本一本から、てのひら全体から感じる。

 慌てて離そうにもかなり強い力で離すことが出来ない。

 これが獣人のパワーかよ、なんてパワーだ!

 そんなことを考えてはいるが胸を触られているからかそれに感じているニーナの声の方が頭の中を一杯に埋め尽くす。


「.......そろそろ、しよ?」


 そう言ってくるニーナ。

 これ大丈夫なのか?いや、婚約者なんだし...でも魔眼でニーナから異常に出ている物『フェロモン』。

 魔眼がここまで見えるようになったのは驚きだが今は置いておいて。その『フェロモン』だが、かなりの量を発している。

 多分ニーナは発情期なのだろうとは思う。

 昔読んだ本では個体差はあるが動物はホルモンを分泌して好きな雄を欲情させるそうだ。

 だから普段大人しいニーナがこんな状態になっているのだどう。

 だからそんな冷静ではないニーナと一線を越えるのは...


「私....初めてですけど...や、優しくして、下さい.....」


 .....いっか。

 ニーナは動いて俺に跨がった状態から脚の横へと移動して、俺ののズボンをに手をかけ....


「に、ニーナ!悪いんだけど手、握ってくれ!怖くてさ」

「....うん」


 そう言って俺の手を取り、指と指の間に指を挟ませてくる。


「ありがとう、そして....ごめん」

「?、がっ⁉︎」


 手を絡ませるとニーナはガクッと俺の上でうな垂れた。


「ごめんな、痛かったかもしれないけど」

「あっ、あっ....」


 ニーナの身体を『麻痺』を使って動けなくさせた。

 悪いとは思ったがやはり正気ではないのに一線を越えるのはダメな気がした。そう思ったのでギリギリ理性が勝ったので踏みとどまることが出来た。

 惜しい気もするがここはきっぱりする方がいいだろう。

 さて、上半身裸のニーナをサナが見たらどう思うか?間違いなく怒る。そして俺が怒られる。

 なので服を....いや無理だよ。


「そうだ」


 俺はユキナのペンダントを取り出してイメージしながら、魔力を多めに流す。

 それをニーナに着ける。すると裸だったニーナの姿が一瞬でさっきまで着ていた服が幻惑で現れる。これで良し!

 そしてゲートで倒れているニーナをベッドへ戻す。

 その時に気づいたが最初のぶちって音はこの縄が千切れた音だったようだ。

 魔眼()を凝らすとサナが設置した物だと分かった。

 何やってんだよ....

 とりあえずニーナをベッドに戻して布団を被せて、とっとと部屋から出る。

 しかしその後サナにバレてめちゃくちゃ怒られた。そしてキリとユキナも発情期のことを訊いてからサナの加勢となった。

 そしてしつこく一線を越えてないか聞かれた。




胸当て=ブラジャーだと思ってください。

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