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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第14章 ボアアガロンを捕縛
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不貞腐れ、そして新たな物

 

 ゲートを潜り、神様と対面して早三分。

 互いに何をしゃべるでもなくただただ見つめ合っているという(はた)から観たらシュールな()が続いている。と言っても時が止まっているから側から観られることはないけど。

 などと変なことを考えている場合ではないな。


「デオルさんが知らなかったからあのボスが使っていた魔道具について教えて欲しいんだけど、知ってるか?」

「.....」


 神様はなぜか不貞腐れた顔で黙っている。


「?なあ、訊いてるのか?」

「.....」

「おーい」

「....はぁー、うん、訊いているよ。魔道具の事だったね」


 少しトーンが落ちた声でそう言った。

 まず魔道具について知っているのかと聞かれたのでノーと答えた。

 それで魔道具について説明してもらった。

 他の異世界の中には魔法というRPGなどにはよく存在しているやつで作られた物とかを魔道具と呼ぶらしい。

 しかしこの世界には魔法はない。

 だから魔法ではなく魔獣を使って作った物を魔道具と呼ばれているそうだ。

 しかしどの魔獣を使ってもそれが魔道具になるのではなく、俺らと同じ『固有能力』を持った魔獣からでないとダメだそうだ。

 当然固有能力持ちは強くその素材はそうそう手に入らない。しかしそれ以上にそれを加工出来る人材が少ないらしい。

 普通に加工しても固有能力を引き出せず失くしてしまうそうだ。

 なので魔道具は珍しい物なのだそうだ。

 そしてあのボスが所有していた魔道具は元はちゃんとした魔道具らしい。

 なぜ「元」と付けたのかと言うと、ボスのあの魔道具は普通の魔道具が大量の魔素を長い時間浴び続けた物が進化したらしい。

 この進化も何個かのパターンがあるそうだが、基本的には今の方法と、大量の魔力を一気に与えるかの二択だそうだ。

 魔力を一気に浴びた魔道具は魔道具が耐えれる魔力量を超えて壊れてしまうそうだ。

 しかし壊れる魔道具ばかりではないらしい。中には壊れずに耐え切る魔道具がまれに存在するとのこと。

 その壊れずに残った魔道具は魔道具が進化したことで耐え切れるのだそうだ。

 これらのように特殊な進化を遂げた魔道具たちを専門家たちは『魔具』と呼んでいるとのこと。

 またこの魔具という物の存在は近年発見されたばかりのためであるのと、出来方がまだ詳しく分かっていないそうだ。

 公表しようとしている者もいればその反対もいるそうだ。

 ちなみにデオルさんから聞いた“カシオピア王国”でも二、三個ほど発見されているそうだ。


「つまりボスが持っていたのがその『魔具』ってこと?」

「そう、さらにアズマ君の話からしてその魔具は・・・いや、何でもないよ」

「おい、気なるだろ」

「いや気にしなくて良いと思うよ。それに今回アズマ君が聞きたかった事は魔具についてなんだろう?なら気にしなくても良いよね」

「そうだけど・・それはそんなに重要じゃないんだな?」

「ああ」


 そう笑みを浮かべて答える。

 あ、これは何かあるな。しかもそれが後の面白いことになるやつなのだろう・・・はぁー・・・・


「・・・そうか、分かった。ありがと」

「いえいえ、次は最初から私を頼ってね?」

「?・・・あ、ああはいはい。分かったよ」


 すごい良い笑顔でそう言ってきたが最初は意図を組みとれなかった。

 まあそのままだったんだけど。

 俺は軽く受け流してゲートを開いて家へ帰る。



「魔具・・・ですか」


 夕食の後のティータイム?の時にさっき神様から聞いた魔具についてをみんなに話した。

 それを聞いて唸ったのがニーナだった。


「何か知ってるのか?」

「はい。と言っても先ほどアズマさんが言っていたカシオピア王国ですけど・・・」

「やっぱりカシオピア王国か・・・・行ってみるか」

「「「「「・・・・・」」」」


 俺の呟きになぜか場が静まり返る。


「・・・はぁー、そんな簡単な話じゃないわよ?」

「そうよ。今カシオピア王国は隣国のアンドロメア皇国と戦争になりかけてるのよ?」

「らしいな」

「知ってるならなおさら何で行こうとするのよ!?」

「それはボスが使ってた魔具の出所の調査を・・・」

「「「「それはアズマの仕事じゃない(です)」」」」

「あ、はい。そうですね」


 婚約者一同からの否定に気圧されてしまった。

 冗談だったんだけど・・・とりあえず謝ってこの場を宥めた。



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