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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第14章 ボアアガロンを捕縛
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驚き、そして分配

 

 俺はギルドに呼ばれた、というか「明日またいらしてください」と言われた。

 昨日ボアアガロンのボスとその仲間数人を警邏に引き渡してから、ギルドが閉まる少し前にギルドへ報告をした。

 ボスを捕らえたって言ったらすごい疑われて睨まれたのは当然なんだけど、少し傷ついたね。

 そしてその後各自が取っている宿へ向かうということで解散した。

 人目が消えた辺りでゲートで家へと跳んだ。

 二日ほど家に帰れていなかったのでかなり落ち着けた。

 そしてその晩はなぜかみんなが俺の部屋に来てパジャマパーティー的な感じになりました。

 話を戻して、俺たちはギルドの客室へと案内された。

 その客室は以前俺が(勝手に)お邪魔したギルドマスターのティアさんの執務室とはやや広く、その代わりかそこまで高価な物がない。

 失礼な言い方だと思うけど。


「お待たせして申し訳ございません」

「「「⁉︎」」」


 部屋に案内されてからしばらく待っていたら扉をノックしてからティアさんが入ってきた。


「ギッ...ギルドマスターッ⁉︎」


 ワオルさんたちが驚きの表情を浮かべている。

 その反応に慣れているのかティアさんは何ともないように椅子に腰かけた。

 それを見てからお付きの人が紅茶をティアさんの前に置いた。


「さて、まずは今回の依頼を承諾して頂きありがとうございます。また、依頼達成お疲れ様です」


 ティアさんが頭を下げる。

 それによりかワオルさんたちが固まってしまった。


「予想はしておりましたがまさかボアアガロンの(ボス)までも捕らえられるとは、アズマ様は流石ですね」

「いや、今回は運が良かっただけだよ」

「いえいえ、ご謙遜を」

「...え⁉︎もしかしてギルマ...ギルドマスターはこの小僧の事をご存知だったのですか⁉︎」


 俺たちの会話を訊いてまたしてもワオルさんたちが驚きの表情を浮かべる。というか、ブルスさんは口をパクパクさせている。

 ティアさんが目でこちらに何かを問おってきている。

 よく分からないけどとりあえず頷いておこう。


「....はい、以前私の依頼を受諾して頂いております」

「⁉︎ギルドマスターからの直属依頼⁉︎」

「お前さん、成り立てじゃないのか⁉︎」

「...信じてもらえるかは分からなかったから言わなかったが、俺は一応銀ランクなんだ」

「「「なっ‼︎⁉︎」」」


 俺の発言にまたしても三人が驚く。

 そして全員の視線がティアさんへと集まる。ティアさんはその視線の意味を察したらしく頷いた。


「はあ....さっきから驚かされてばっかりで現実感がねえなぁー」

「だな」

「うん、うん...」


 ブルスさんの発言にアルとワオルさんが賛同する。


「えー...ごほんっ、話が少しズレてしまいましたが、とりあえず今回の件のご報告をさせて頂きます」


 ティアさんが話を戻して今回の依頼達成についての話をし始めた。

 まずボアアガロンのボスを捕らえたことでしばらくほどすればあまり騒ぎを起こさなくなるとのこと。

 こういう集団は頭がいなくなると幹部同士によるボスの座狙いの闘争が起こる可能性が高いことが理由らしい。

 まあこれはそこまで確信出来るようなことではないが可能性的にはの話らしい。

 次に前述のことが起こればほぼ間違いなくボアアガロンという組織は個々人が名乗り上がって作る小規模な組織になるとのこと。

 こうなれば警邏の取り締まりを強化すれば収まるとのこと。

 例え闘争が起こらなくても何かしらの乱れが生じてしまうそうだ。

 なのでもう青のボアアガロンという組織はギルドや警邏からしても脅威ではなくなったそうだ。


「そして今回の依頼達成の報酬ですが...」


 ティアさんが机の上に置かれていた鈴を鳴らすとすぐに扉をノックする音がした。

 ティアの許可で中に入ってきたのは格好からしてギルドの職員の女性だろう。

 彼女の手には膨らんだ皮の巾着袋が盆のような物に乗せられている。

 その袋を盆ごと机に起き向きを変えてから、その女性は部屋を出て行った。


「こちらが今回の報酬として、白金貨十六と金貨四枚となります」

「「「白金貨っ‼︎⁉︎」」」


 最近自分の稼いできた金額がおかしかったせいで三人のような普通(・・)の反応が出来ない。

 普通はギルドからの依頼でも金貨一枚か二枚、多くて五枚らしくギルドに貼り出されている依頼やクエストはそれよりも下だ。

 ましてや普通の冒険者や街人はそうそう金貨を持つことさえない。

 それなりに稼いでいる店か、商人くらいしか平民では見ることのない額....と、みんなから聞いた。

 だから俺が前のティアさんからもらった額は異常を期しているようだが、国の貿易品の大半がアトラスが製作源らしい。

 なのでエルダースノウマンが現れた年は相当の被害を受けていたらしい。

 なのでその被害に比べれば俺の報酬は(多少高い)一部ほどでしかない、と神様から聞いた。


「それとランクですが、残念ながら今回の依頼達成では誰も上がる事はありませんでした。しかし皆様、かなりの成果でしたので時期に上がる事は確かです」


 ティアさんが励ましのような言葉をかけるが多分三人とも訊いていないと思う。

 ずっと視線が白金貨の入った巾着袋に釘付けされている。

 そこからは特に何もなかったので早々に話が終わり、退出することになった。

 ギルドから出た俺たちというかワオルさんとブルスさんがほぼ同時に「分けるぞ!」と言って報酬をそそくさと四等分し始めた。

 報酬の金額が意図されたかのように綺麗に割れる金額だったのですんなり分け合いが終わった。

 一人白金貨四枚と金貨一枚という普通の冒険者からしたら十分過ぎるほどの稼ぎとなった。

 ちなみに銀ランク以上なら金貨や白金貨を稼ぐことの出来る依頼は普通にあるそうだ。


「よっしゃー!今からギルドの酒場で祝杯上げるぞっ!!」

「おおーっ!」

「小僧たちも来るか?」

「いや、俺は家に帰るよ」

「ぼ...僕も遠慮...します.....」

「んだよ、つれねえなー」


 ブルスさんたちの少し不貞腐れた顔に対して苦笑いで返す。

 言っては何だが酒で出来上がったおじさんのウザさはバイト先で嫌というほど味わった。

 なのでここは丁重にお断りさせていただいた。


「そんじゃあ、またな」

「またどっかで会おうぜ」

「ああ、また」

「は...はい、また!」


 そう言ってブルスさんとワオルさんはギルドの方へ、アルは...あっちは確か繁華街( だったかな?)へ。

 俺は人気がない場所の裏路地を目指しそれぞれ歩く。


もう少しだけ続きます。(こっちが今一番書きたい部分です)

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