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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第14章 ボアアガロンを捕縛
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連携、そして速さ

 

「ふんっ!」

「くっ....おらっ!」

「ごほぉっ⁉︎」


 ワオルさんは一人の男の振り下ろされた剣を横受けで止め、剣先を左下がりにして流し姿勢を屈めて左肘を相手の鳩尾目がけて打ち込む。

 しかし相手もそれなりのレベルの冒険者だったようで流され体勢を崩していたにも関わらず、いや崩れていたからこそというべきだろうか。

 身体を引くのではなく、逆に身体が倒れるかのように捻り鳩尾を避け鳩尾のやや横を叩かせた。

 肋骨が二、三本ほど折れただろうがあの状態にされてから気を失うのを避けたのは敵ながら見事だと思う。


「!ワオルさん!背後っ!」

「⁉︎」

「はぁっ!」

「ぐっ⁉︎えっ」

「っと」


 目の前の男に気を取られていたためか、背後からのもう一人の接近に気づかなかったようだ。

 アルがその接近に気づけ、声をかけたお陰で致命傷は回避出来たようだが腹を刺された。

 痛みに耐え相手の顎目がけて拳を振るったがギリギリで避けられてしまった。

 良い連携プレイだな。それに動きもしっかりしているし、気配の殺し方も上手い。

 青のボアアガロンの「青」はギルドランクが青ということだとギルドから聞いていたが今の彼らの連携を見るとチームでは赤は行くのではないだろうか?


「へっ、喰らえ」

「....」

「なっ⁉︎」


 みんなの様子を観ながらも警戒を怠っていなかった俺にチャンスとばかりに口元に傷のある槍を持った男が真横から突いて来た。

 身体の重心をやや前に、顎を少し引いてそれを避ける。


「ふっ!」

「うおっ⁉︎」


 さらに身体を倒し倒れる前に空中で回転する。

 そして脚と脚の間に引っ込めていない槍を挟み残りの回転へと移る。

 予想外のことが続いたためか男は足の踏ん張りが利かず槍を奪われてしまった。

 俺としては槍ではなく男の体勢を崩すためにやったのだが、それを理解してなのか槍をすぐに手放されてしまった。

 無事着地を終えると槍が地面に落ちる音が響く。


「ふっ!」

「はあっ!」


 そして着地した俺にほぼ同時で二人が斬り込んで来た。上下と左右からの挟み込む形で斬り込んで来た。

 上は俺の首を右から、下は俺の膝を左から。

 槍の攻撃を予想外の行動で避けた俺の着地する場所を予想して動いたこの二人の息の良さと洞察力もまたすごい。

 気配を殺してからの攻撃。さらに剣を振るタイミングの良さなどは並の冒険者よりも優れている。

 だが、スピードが足りない。剣を振り、そこから俺に当たるまでのスピードが断然に遅いのだ。

 しかしこれはキリと比べるとだ。

 普通ならまず避けることはままならず。例え避けられてもそれなりのダメージは受けるだろう。

 キリとは時々模擬戦をするのだが、最近彼女の剣を振る速さなどが以前より増しているのだ。

 それに慣れなければキリには勝てない。

 剣の道を歩んでいる彼女に勝てなくてもとも思うが、そこは漢として負けられないという難儀な想いもあるのだ。

 まあ、結局負けてるんだけどね。

 話しを戻してその速さに身体や目が慣れてしまったため遅く感じてしまう。

 なので上へ飛び下への攻撃を回避する。そして飛んだことで首ではなく二の腕くらいを目がけて上の剣が迫る。

 それをタイミングを図って木刀でそれを止める。


「何っ、おわっ⁉︎」

「ん?がっ‼︎⁉︎」


 完璧だったはずの攻撃が当たらず困惑していた二人のうち、上の木刀に挟まれ抜けなくなった剣を木刀ごと背後へ放り投げる。

 そして下を攻撃したやつに身体を捻り体勢を変えてから踵落としを頭に喰らわせた。

 あの木刀はクレアウッドマンの木で作ったためそれなりに頑丈に出来ている。

 だがだからと言って本身の剣を止められるかは怪しい。そのため木材の強い使い方で止めた。

 ノコギリで角木を切る際真っ直ぐ切ると簡単に刃は進む。だが途中からの斜めだとこれがまた難しい。

 真っ直ぐ切ってから斜めに切ろうとしても刃が止まってしまう。

 これはノコギリが狭い角木の切り跡の中で曲がれないからだ。薄いとは言え鉄なためなかなか曲がってはくれない。

 それとほぼ同じ原理でさっきの剣を止めた。

 一度刃を噛ませてから木刀の向きを変え、進まなくさせたのだ。

 剣は確かにノコギリよりも太い。だが研がれた剣の、ましてやファルシオンのような刃の厚さが薄い剣はギリギリで止められた。


「そろそろだな」


 背後へと投げたそいつへ近づき鳩尾に一撃を決めて気絶させる。

 そして落ちている木刀を拾い上げ、宝物庫から小刀を出し剣が挟まっている所のやや下を小刀で切る。

 これで短くはなったが木刀を再び使うことが出来る。

 そしてさっき踵落としをした方も気を失ったはずなので、俺はみんなのサポートと数人の相手をするため近くの敵へと駆ける。

 そして数十分のすえ、ようやく全員を倒した。もちろん殺さずにだ。

 多少の怪我なら治癒核で治せるので出来ても問題なかったのだが、何分敵が強かったため骨などへの攻撃が多くなってしまった。

 治せはするがこれって内臓に骨が刺さっていた場合は治せるのだろうか?

 そんな疑問を抱いた。


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