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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第14章 ボアアガロンを捕縛
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監禁、そして限界

 

 酒場まで戻り酒場の入り口の扉の方へ行こうとしたら止められた。理由を訊いても「ボスの命令ですので」の一点張り。

 つまりここで一夜過ごせということ?

 この酒場には朽ち果てた机や椅子しかない。埃やクモの巣もちらほら見える。そんな酒場で寝るのは誰だって嫌である。

 ブルスさんもワオルさんも俺らを連れてきた男たちに抗議したが当然聞き入れてもらえなかった。

 男たちはそれぞれ俺らを無視して三人が外へ出て行き、残りの四人は今出てきた道をふさぐように座った。

 数分経つと外へ出て行った男のうち一人が戻って来た。手には木箱を持っており、大量の食糧が頭を出している。


「お、飯だ」

「酒もあるぞ」

「黙れ!これは俺らの飯だ!」

「じゃあ儂らの飯は?」

「そんな物はない!」

「「「「え⁉」」」」

「ボ、ボクチンの分は当然あるのだろうな?ボクチンは幹部だぞ」

「はい、ドゥクル様の分は用意してございます。こちらへ」

「うむ」


 ドゥクルは食糧を持って来た男に外へと連れ出されて行った。出て行く際に俺らの方を向いてニヤリと笑ったのを全員確かに見た。

 後ろからクスクスと笑い声が訊こえる。


「今晩の飯はお預けだな」

「ちくしょー」

「これで良いか?」


 宝物庫からハンバーガーを五個取り出す。まあ、前に作ったのはこれで全部なんだが。


「何だこれ?」

「ハンバーガーていう料理。これで良かったらどうぞ」

「「「はんばあがあ?」」」


 三人は首を傾げながらもハンバーガーを受け取る。

 俺が先に食べて食べ物なことと大丈夫なことなどを証明する。

 それを見てから三人が覚悟を決めたのか互いを見合ってから一息おいてかぶりついた。


「「「⁉うまっ」」」


 三人は目を見開いて驚いた。

 残り四個のサンドイッチと人数分のコップ、それと水儒核も宝物庫から取り出す。


「これも美味いぞ!」

「この野菜だけのはんばあがあも美味いぞ」

「あ、そっちはサンドイッチな」

「小僧、このはんばあがあもっとないのか?」


 そうサンドイッチの食べかけを突き出して訊いてくるワオルさん。

 話を訊いてくれ。


「残念だけど、もうない」

「ありゃ、そうか」

「ならこれを売ってる店の場所、教えてくれねえか?」

「おお、オレにも教えてくれ」

「あ・・・あの、僕もいい・・・ですか?」

「悪いがそれ手作り」

「「「えっ⁉」」」


 またしても驚いた。そんなに以外なのか?男だって料理するだろ。


「はあ、小僧お前さんやるなあ」

「今度儂のかみさん紹介するからよ、そん時に作り方教えてやってくんねえか?」

「は?お前さん、かみさんいたのか⁈」

「おう、何だよお前らその意外そうな顔は?」


 見ればブルスさんとアルも驚いた顔をしていた。


「あ・・いや・・・と、とりあえず小僧、ワオルのかみさんに作り方教えてやんな。オレからもこの通り頼むからよ」

「そ、そうですね。僕からもお願いします」


 そう言って座ったまま頭を下げるワオルさん。


「ブルス、小僧、お前ら・・・いい奴だな・・・・」


 泣き出してしまったワオルさん。

 慌てて泣き止ましてから教えることを約束した。するとばっと俺の手を握って「ありがとな」を連呼された。

 後で分かったのだが、ワオルさんの奥さんはサナほどではないが料理が下手だったがそれはまた別のお話。

 その後も水儒核で騒がれたり、それによって怒った男たちが怒鳴ったりした。

 結局食事を終えてから寝ることになったが、当然布団なども用意されているはずもなかった。が、さすがに布団まで宝物庫から出すと説明が大変なので止めた。

 しかし俺らが寝付いた頃に事件が起こった。

 俺が宝物庫から水儒核を取り出したのを男たちに見られていたらしく、盗まれそうになった。

 相手はそれなりの冒険者だったのか気配を殺して近づいて来たのだが、中途半端というか所々で気配が隠せなかったため四人全員がそれに気づき目覚めた。

 宝物庫を掴んだ腕を掴んで、脇固めを決める。


「があぁぁぁぁっ⁉いてててっ⁉︎」

「てめえら!何しやがる⁈」

「こいつが俺の物を盗もうとしたからだが」

「そんな証拠、どこにもねえだろうが⁈ドゥクルの部下だからって俺らに逆らうなっ」


 証拠も何も手に持ってるんだけど?・・・ああ、俺の身体でちょうど隠れているのか。


「お前ら、いい加減にしろよ?そろそろ儂らも黙ってねえぞ!」

「あ?やろうってのか?」

「上等だ!黙らせてやる!」

「僕らにたて突いたこと、後悔させてやる!」

「行くぞ!てめえら!」

「小僧たちは後ろで隠れていろ」

「う・・・うん・・・・」


 アルは怯えながら酒場の入り口の方へと向かった。俺らはアルを守るように前に出て構えた。

 そこからは黙らせ合という名の一方的な喧嘩が始まった。そしてそれは十五分ほどで蹴りがついた。

 男たちは四人全員そこら辺で倒れている。

 俺は特に怪我もなかったが、ブルスさんとワオルさんは相手がそれなりの冒険者だったのか隠し武器でかすり傷を数か所作ってしまったがそれでも勝った。

 傷は治癒核を渡して回復してもらった。もちろんそれでも驚かれた。

 後で相手に何か言われても面倒なのでこちらはずっと武器を使わず素手で戦った結果、仲間に怪我を負わせてしまったのは反省だな。自分の感覚でやらせるのは今後止めることにしよう。


「こいつらこのままで大丈夫か?」

「縄・・・何てある訳ねえか」


 宝物庫の中に縄はあるが出すのは止めておくか。


「ん?そういやあ外にも二、三人いたような?」

「こんなに騒いだのに入って来なかったけど、まさか気づいてないなんてことはないよな」

「少し様子を覗いてみるか」


 そう言って、ワオルさんが扉を少し開けて外の様子を伺う。


「・・・⁉倒れてるぞ」

「「「えっ⁉」」」


 扉を全開するとそこには血の池の上で横たわった二人の男がそこにはあった。

 一体何が・・・


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