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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第18章 堅牢署からの脱獄者
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能力の成立、そして施策

 

 慌ててドライアドを見る。未だ困り果てて黙ってしまっているがそれ以外に変わった様子はない。

『催眠』にあった自傷行為をする様子もない。


「(どういうことだ? 間違い、ってことはないだろうし……まさか距離が関係してる?)」


 もう一度『魔眼』でドライアドを見ても状態異常は変わずあるし、内容も特段変わっていない。

 そうなるとやはり距離が関係している線が濃厚だ。


「(とりあえず近づけさせないように気をつければ焦る必要もないか。問題はそれが出来るかだけど)」


 突然来訪した精霊王。そしていきなり攻撃してくるようなやつの行動を予測してドライアドに近づけさせない。

 おまけに居ないとは思うが他の魔獣の警戒もしながらドライアドにシロという人物について聞き、それが終わったら刑法官たちから情報を聞き出す。

 それも制限時間は約四、五時間程度で……


「(ハード過ぎるっ……!!)」


 ただでさえ冤罪で頭を抱えているというのに、多少自分で()いた種があるとはいえ状況が悪化して行く。

 そんな現状から目を逸らして逃げ出したい気分に駆られる。


「……あの氷は魔獣避けだ。突然出したのは悪かった」

「……さっきの地揺れもか?」


 気分を変えるのも含めて氷のドームを作った理由を伝える。

 すると今度は首長が尋ねてきた。しかしその視線を一瞬たりとも精霊王から外さない。

 それ程までに警戒している彼女の様子を当の本人はどう感じているのか、顔が見えないというかないため把握出来ない。


「いや、あれは知らない。たまたまだと思う」


 地震は人災ではなく自然としておく。そうしなければ冤罪を晴らしたあとに地震が起こった際に犯人のされ兼ねない。

 ただでさえゲートでどこへでも転移出来る人間が、人災まで起こせるとなればそれこそ監視対象になってしまう。

 まあ、転移出来る人間を監視し続けるのは難しいと思うが。


「なるほどな……せや、坊主。俺治癒核持ってるしその怪我治すか?」

「それはありがたいけどあとで頼む。今は目の前の精霊が何をしてくるか分からない」

「精霊……初めて見たけど、それ攻撃は通るんか?」

「分からん」


 ブライアンの疑問に返事をしつつ施策を考える。


「(距離を取らせるならいっそゲートで無理矢理に移動させる方法が一番楽だけど、精霊王を移動させられるか?)」


 最も問題のある存在をどうにかしたいのにどうにも出来る気がしない。

 話し合いで帰ってもらうしかないが、そちらも望みは薄い。


「精霊王のことは俺が責任を持つから、とりあえずさっきのを伝えて欲しい」

「……かしこまりました」


 そんな相手の対処を、少なくとも今するのは得策ではない。

 それも含めてドライアドに通訳してもらい、後日万全の状態の時に来てもらいたい。本当は来て欲しくないが……

 話を聞いた精霊王はしばらくの間沈黙する。

 精霊王の対応次第でこれからの厄介度が変化する。しかし逆を言えば、爆弾(精霊王)さえ対処出来れば度合いが少しだけ緩和される。



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