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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第18章 堅牢署からの脱獄者
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結界、そして入り方

 

 なんて、話から逸れたくだらない考えはは置いておこう。


「しかし以前から従者の方による訪問が増えており、精霊様もあまり快くは思っていませんでした……」


 確かに友人が来ずにそれの知り合いが来ても、精霊からしたら迷惑ではあるだろう。

 ただ、それ以上にそのことを話したドライアドが表情を歪ませたことの方が気になった。本当に快く思っていなかった、と強調するかのような顔だ。


「精霊様の結界を、許可があるとはいえ頻繁に他の人間の方が通られればそれだけ綻びが生じてしまいます」

「結界? エルフの里は結界で守られてたってことか? それに綻びって……」


 聞き慣れない言葉たちに思わず質問を挟んでしまう。


「……人間との子孫を善しとしていなかったこともありまして、距離を取る必要があったので精霊様がこの森の一部に結界を施しました。それにより長い間、人間や魔獣の侵入を拒んでいました」

「そんな便利な能力があるのか」


 結界。今まで固有能力持ちと遭うことは何度もあったけど、そういう”護り“に徹した能力者はいただろうか?

『ウォーミル』も攻防に汎用が効く能力だが、結界のような能力ではない。


「(それにしてもあの薄緑色の幽霊みたいだった精霊がか……)」


 初めて精霊を見た日。輪郭は人型だったけど、顔はシリコンを型に流し取った様な感じだった。

 声や体格からして恐らく女性型だっただろう。全体的にのっぺりとした凹凸の少ないものだった。

 しかしどこか薄く透けている様子は幽霊の様にも視えた。


「というか、精霊にも能力を持っているのがいるんだな」

「取得の有無はともかくとして、私たちでも取得可能ですので、精霊様なら余裕のことです! そしてその御力は例え竜であろうと手出しは出来ません!!」

「お、おお……」


 直前まで落ち込んだ様子だった彼女が、水を得た魚の様に饒舌になって行く。

 その勢いに気圧されれてしまう。


「しかしそんな精霊様の有能な能力とて万能という訳ではございませんでした……」


 が、すぐにまた暗い顔へと変わってしまった。

 そのどこか演劇のような物言いに、しかし重たい空気への変化に思わず姿勢を正す。


「──キリサキ様はエルフの里への入り方はご存知でしょうか?」


 突然の質問の答えを考える。


「(入り方って言い方が気になるな。まるで神社の参拝時に礼をする、みたいな……言いか──あ!)」


 自分で例を挙げてみて、ふと思い出す。

 エルフの里に来た最初にあの斬撃を飛ばしてきた女(男に変装時)がしていた行為。確かあの時も参拝の様なことをしていた。

 よく分からず真似てみたけど、もしかしなくてもあれか……?


「手を合わせる、あれのことか?」

「少し違います」

「え……でも前はその方法をしたら入れたんだけど……?」

「合掌のみでは足りません」


 当たりをつけて答えたのに足りないと言われてしまう。しかし記憶を辿っても合掌以外に行った行為が思い至らない。

 俺が頭を悩ませているとドライアドが続ける。


「合掌──それと信仰です」


 怪しい宗教の文言のようなものが出てくる。


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