却下、そして嫌われている
「子供ぉ……?」
「子供の囚人……ああ、先日収容された。確か先日の脱獄事件の主犯格の家にいた子供ですね」
ブライアンの発言に訝し気な表情を浮かべる看守の横で、少し考え込んで記憶を呼び覚ました看守。
「魔道具、は持ってたら取り上げられるか。てことは能力持ちだった訳ね。で? なんで食事がいる訳? 囚人にも食事は出されてるはずだけど」
「重症で収容されたそうですが、食事は摂れるように治療はされるはずです。ただ食べていないだけならここのを持って行っても無意味でしょう」
ブライアンの目論見を暴くべく問いただす看守たち。言っていることも正しい。
そして言われた通り口の中は治っているからしゃべれるし、内臓もどうやったのかある程度は治されているから食事をしても問題はない。
ただ食事の機会がなかっただけだが、そこまでは知らないのだろうか?
「食事は俺が責任持って食べさせます! あの子を死なせたくないんです!」
「ダメだね。お前は部外者だ。そんな奴の頼みを聞いても俺らは得しないんだよ」
「損得ではなく、上の許可なく署の食料を渡す事がダメなんです」
「急用で上に要請している時間がないんです! せめて水だけでもお願いします!!」
「ダメです」
そんな彼らに対して尚も必死に頼み込むブライアンだが、その願いはやはり届かなかった。
……それだけやってのける心意気は買うが、裏が見えない以上完全に信用は出来ないからな?
「……そんなにその子供が助けたいなら俺らのとこに連れて来いよ。そしたら飯を食わしてやっても良い」
「おい! 勝手な事を──」
「大丈夫だって。天下の王国騎士様が身元不明な子供を助けたいって言ってるんだ。助けるために俺らに預けるからよ。ですよね? 副・隊・長様?」
嘲笑しながらブライアンを煽るもう一人の看守。
そんな彼の口から出た『王国騎士の副隊長』という言葉に俺とブライアンが小さく反応する。
「(要請で呼ばれたと言っていたが、まさか王国騎士だったとは……)」
あってもどこかの貴族のお抱え騎士だと考えていただけに予想外過ぎた。
俺が驚いているのに対してブライアンは、下を向いているためか辟易した顔を浮かべている。
「(……そういえば部長がやけにブライアンのことを目の敵にしていたな)」
脱獄後に看守たちに捕まった時のことを思い返す。
キリたちの処遇について、あの男が決めたことはどうのこうのと言っていた。そして彼らの物言いに辟易している様子から考えても何度も言われているのだろう。
しかしなんでそんなに嫌なのかが謎だ。純粋に部外者だからか? でもそんな理由で王国騎士を毛嫌いするだろうか?
「(下手したら問題に発展し兼ねない事案だし、首長はなんとかしないのだろうか? 首長の様子からしてブライアンのことを嫌っている様子は……)」
思考の途中で過去の彼女を思い返させる。
彼女らが初めて俺の家を訪れた時の様子を。吐き捨てる様にブライアンに後を任せて部屋から出て行った首長の様子を。
「(……あれ。もしかして首長からも嫌われてたりする?)」
不安な予想に頬を引きつらせてしまう。
投稿が遅くなり申し訳ございません。また、リアルが多忙になってきたため、定期的に投稿が遅くなります事をお詫び申し上げます。
なるべく二週間以内には投稿するようにいたします。申し訳ございません。




