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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第18章 堅牢署からの脱獄者
423/516

到着、そして氷の蛇

視点変更

 

 _______________

 __________


「よく頑張った。あとは任せろ」


 ギリギリだけど間に合って良かった。

 キリを抱えながら安堵する。


「だ、れ……?」


 しかし弱々しい声で誰かと問われてしまう。

 まあ、この姿だから仕方がない。

 少し複雑に思いつつも彼女をベッドに下ろす。


「ごぉおー……!!」


 すると少し離れた背後から配水管が詰まった様な音がする。

『天眼』には医師やキリたちを襲っていた若い医師が、脚に赤黒く太い氷の尻尾が刺さっている。

 おまけに薬品によって結構整っている顔も左半分が(ただ)れている。

 “娼胃油(しょういゆ)”という堕胎剤に用いる薬品だと『魔眼』で表示されたが、原液が危な過ぎないか?

 触れただけで皮膚が爛れる激薬。男の症状もそうだが……


「痛かったよな」


 キリの左手に視線を移す。

 瓶を割ったから男より爛れている。

 治癒核さえあればすぐに治してあげられるのにな。


「んだこれはっ! ごんの氷はぁあー?!」


 こんな状態にまで追い込んだ襲撃犯が氷に雄叫びを上げる。

 うるさいなぁ……

 叫びながら彼は、手に持っていたメスの様な刃物で氷の尻尾を切断する。

 しかしそこそこ強度があるため少し欠ける程度で終わる。


「(切断されると面倒だし抜いてやるか)」


『水流操作』で氷の尻尾を男の脚から抜く。


「ぐがあーっ!!? や、辞めっ……動くんな……」


 引き抜かれる痛みに悶える男。

 ……ああ。そういえば抜け難くするために刺す前に返しを着けたんだったな。

 キリのことで頭がいっぱいで、自分の工作を忘れていた。


「ま、良いか」

「ぐおぉあっ!!!」


 ぶジュッと嫌な音を立てながら男の脚から氷の蛇の尻尾が抜ける。

 少しだけ脚から抜いた時に血と肉片が飛ぶ。

 尻尾から滴り落ちる血はすぐに凍り、尻尾の長さが少しだけ伸びる。

 移動用に作った氷の蛇。

 全長は最初はたったの十五センチ。今は四十センチ程かな。

 直前で水分を補給出来たため大きくなった。

 襲撃された際に思いつきで作った遠隔操作の武器? いや技か?

 蛇にした理由は特にない。なんとなく動かしやすそうなイメージだったのだろう。

 あの時は夢中でそうした理由は憶えていない。

 ただ利便性がありそうなので今回も使った。

 移動は車輪状にすればギリギリ移動に使えたが、大きくないと不便だった。

 もし途中で強度を上げる方法を思いつかなければもっと血が必要になっただろう。

 子供身体だからどれだけ血を抜いて平気なのかが分からない以上、あの閃きがなければ到着はもっと遅れていた。


「──んだ、そんの魔獣んはっ?!」


 やや独特なしゃべり方で氷の蛇を睨み、叫ぶ若い医師。

 そんな彼の横で俺と若い医師と魔獣を交互に見ている老医師。

 彼の状態もかなり危険だろう。首からの出血や顔色がそれを表している。


「ガキん子! お前んが連れだっだかっ?!!」


 ……分からない。なんて言ったんだ?

 連れだっだ? 誰を?

 …………いや、さっき言ってた魔獣のことか?

 魔獣を連れだっだ? ──ダメだ。結局分からない。

「だっだ」が分からなくする。

 という訳で考えるのを辞めよう。

 思考を切り替えて、氷の蛇を若い医師の足に這わせる。

 しかし蛇に反応して彼も動く。

 残念ながら目的は尻尾を刺したことで脚から流れ出た血だ。

『ウォーミル』で固体から液体に融解させ、その血を取り込む。

 これでこの血も操れる!


「くっ!」


 動きを封じるために再度脚目がけて血を伸ばしたかった。

 しかし吸って大きくなった分量と出来上がった大きさが異なる。

 いや、小さくなるのは分かる。でもそれを踏まえた上での想定の半分程の長さになるのは想定外だ。

 辛うじて先端が彼の右脚を掠りはしたものの、動きを封じるダメージには至らない。


「ん?」


 よく見ると血が地面に残っている。


「(なんで? 取り込めなかったのか?)」


『魔眼』から見える血の霧は若い医師のだ。

 ということは、やっぱり脚から流れ出た血を取り込めなかった訳だが、その理由が分からない。


「クンゾガキん子がっ!!」


 自分の能力の不確定要素について考えていると、先の一撃を避けた男が刃物を投擲する。


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