拒否、そして催促
しばらく考えても対処法が思いつかない。
『出来ねば罰を与える』
『そこをなんとかなりませんか? さすがに犯罪者とはいえ殺すことは出来ません』
釘を刺してきたゲーテルに反論する。
両方を解決する方法がないから今どうにか出来そうな方を相手する。
これを慈悲と呼んで良いのかは悩む所だが、与えてもらったのにさらに要求するのはかなり図々しく失礼だ。
しかしそれを踏まえた上でまだ助けて欲しいとお願いしている。
『異論は認めぬ。汝は我が世の不純物たる罪人だ』
が、相手も簡単には認めてくれない。
まあ、厚かましい望みだから断られるとは思っていた。
しかしこっちも諦める訳にはいかない……ただやり過ぎるともらったチャンスさえ失う可能性は高いが、そのチャンスがどうしようもないのだから縋るしかない。
『そこをなんとかお願いします!』
譲歩してもらえるなら土下座でもなんでもする。
身体が動かすのは厳しいが痛いだけだから無理をすれば出来る。
『……ゲーテル様! そこをなんとかお願いします!』
応答がないのでもう一度頼み込む。
しかし数分待っても返事はない。
「(やっぱりダメか……)」
調子に乗り過ぎて即天罰を下すとならなかったのは良かったが、譲歩は受け入れてもらえなかった。
こうなると完全にお手上げだ。
…………うん、仕方がない。
さすがに犯罪者とはいえ人を殺すのははばかられる。
ましてやこっちに害を与えてくるような相手でないのなら危害を加える必要はない。
いつ天罰を受けるのかは分からないが今は首長と会い、俺の無実の証明をする。
ここまでを最低ラインとして可能であれば首謀者を見つける。
そのためには──
「おーい! 起きろー! おおーいっ!」
『天眼』を解除し、寝ているブライアンを起こす。
この男が行動を起こしてくれないことには何も始まらない。
だというのに何故寝ているのか。
「(腹いせに能力で驚かせてやりたいが、水儒核がないから出来ない)」
そのため声をかけて起こすしかない。
「……んあ?」
何度目かの呼びかけでようやく起きる。
「今……何時だ……?」
寝惚け眼を擦りながら尋ねてくる。
その呑気な態度に頭が痛くなる。
「良いからあんたは早く話し合えるかどうかを確認してきてくれよ!」
今自分にどれだけの時間が残されているのか分からない。
先程までなら一番重症なキリは助けてもらえたが、リリーの状態も急がないといけないのは変わらないという状況だった。
しかしまさかこの世界の神様が出てきてさらに状況を悪くされ、急がないといけない。
少し声を荒げてしまったのは申し訳ないが寝ているそっちが一番悪いと思っている。
「時間がないんだ! 悪いけど急いでくれっ!」
なので急かす。
信じて欲しいと言っている彼らにつけ込む形でのお願いだ。
図々しいのも無理を言っているのも承知の上でのお願いだ。断られても文句は言えない。




