表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第18章 堅牢署からの脱獄者
400/516

メルマンさん、そして狭い

 

 サナが見つかったことに安堵する。

 しかし彼女も他の囚人と変わらない程に疲弊している。

 すぐに助け出したいが、まだニーナとユキナを見つけられていない。

 サナには悪いけどもう少しだけ待っていて欲しい。


「(サナがこの階にいるなら二人もいる可能性が高い)」


 ポールさんたちが同じ階の同じ牢に収容されていたからな。

 それに皆がこの建物内にいることは確定した。

 もしかしたら誰かは別の場所に収容しているかもと考えていた。だから安心して探せる。

 その考えは正しかったらしく、それぞれ三人離れた位置にニーナとユキナはいた。


よしほひ!」


 思わずガッツポーズを取ろうとしたが、指を動かしただけで痛みが走る。

 忘れてた……ま、まあ、これでとりあえず全員の位置は分か、ってない!

 サナたちを探すことで頭がいっぱいになっていたが、まだメルマンさんが見つかっていない。

 一階から七階、はまだ途中だけど、までにメルマンさんはいなかった。

 見落としたとは思えない。

 探す時は普通の視覚と『魔眼』でメルマンさんの霧との二つを使っていた。だからない。

 そうなるとこの階より下にいるってことか?

 五階からが重犯罪者だと考えるとメリマンさんはサナたちより重犯罪者だと捉えられている?

 メリマンさんがそんな下層に追いやられる程の罪人とは思えない。

 それこそポールさんたちと同じ五階で良かったはずだ。

 そうしなかったのにも理由がありそうだな。


「(下にいるなら探しやすそうではある)」


 階層は下がる毎に狭くなっている。だからあまり時間をかけずに済むと思う。

 見つかり次第ゲートで牢から抜け出して首長と話す。

 誤解を解ければ脱獄のことも目を瞑ってもらえるかもしれない。

 ただ目を瞑ってくれるかも分からないし、誤解が解けなかったら罪を重ねるだけだから賭けでしかない。

 それでもやらなければ進まない。

『天眼』を下へ落とす。

 八階に下りると、そこにはもはや牢ですらなくなっている部屋があった。

 独房という意味では同じだが、部屋とは呼べない牢獄。

 人が座れば動くスペースはなく、四肢の枷には天井から鎖が繋がっている。

 カプセルホテルの縦版だろうか?

 今までの傾向とは全く違う構造に戸惑うが、それでも牢である以上は犯罪者が囚われている。

 ならここのどこかにメルマンさんはいるはずだ。

 そう信じて隅々まで探す。

 何故か濡れている者や嘔吐している者、寝ている者はいるがこの階にメルマンさんの姿はなかった。


「(まだ下があるのか?)」


 マジで広いな……もうダンジョンだろ、これ。

 見つからないことへの不満よりも、まだ続きそうな堅牢署の構造に引いている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ