四階、そして六階層に
合ったと仮定して『天眼』を下へ移動させる。
ないならないで上の階の壁奥を探すだけだ。
「(今までと同じ構造だろうから六、七メートルも下がれば……)」
上層と同じ構造だと考え、その間分で下げる。
すると仮定が合っており、階下にまた別の階があった。
牢の配置や人数は三階層と同じだな。
しかし牢の中にいるのは三階と比べてやや人相が悪い人が多い気がするけど気のせいか?
四階にサナたちがいないかを確認して回りながら檻の中にいる囚人の様子も窺う。
中には檻を手でガタガタとやっている者や小さな刃で削っている者、何故か壁に身体を押しつけ上下に動かして上を見ている者、ベッド下で壁に穴を空け二メートル程掘っている者などがいる。
こういう所は上層階と大差ないな。
広さは二百十五メートル。
三階は医療監房がプラスで入るから、二百二十八に六十を足すから二百八十八メートル。
上下の差は平均して四、五十くらいしか変化がないな。
探す範囲が狭まってくれるのはありがたいが、どうせなら同じ階か階下に皆を置いてくれていればもっとありがたかったんだがな。
しかしこの階にいないとなるとやっぱり上層、もしくはこの階の壁の奥か?
……いや、まだ下に階がある可能性もあるな。今し方階下があったのだからもしかしたらまだ続いているかもしれない。
こういう所も首長から聞き出せてたら良かったんだけど、そういう腹芸は持ち合わせていない。
誰かに教えてもらえないかな……ポールさんなら出来たりしそうだけど。
帰ったら聞いてみよう。そのためにも早く見つけてあの女たちの誤解を解かないとな。
『天眼』を下へ移動させる。
やっぱり下にも階はあった。すぐに皆がいないか全部の牢を確認して行く。
構造は三、四階よりも牢が一回り程小さくなっており、この階はそれぞれの囚人が拘束されている。
今までは牢の中では自由に出来ていたから、恐らくこの階からは重犯罪者を捕らえているのだろう。
しかしそんな階にですら皆の姿はない。
とりあえず下があることを前提に見て行こう。
それで階がないようなら上の壁の先を探すことにしよう。
そう決めてどんどん下を探して行く。
六階層も存在しており、構造などは五階と同じだ。
この階の囚人も拘束されているから、仮定通り五階からは重犯罪者なのだろう。
そしてこの階にポールさんたちがいた。
執事のポールさんとコック長のローレアさん。メイド長のマリアさんと庭師のガゼルさん。
メイドのルーシィさん、クレシーさん。スピカさん、セシリアさん。
彼らから少し離れた場所に門番のブルースさんとロベルトさん。
それぞれ同室で囚われている。
自分が立てた予想通りだとすると皆の扱いは重犯罪者。
罪状を聞いた感じだと脱獄の協力者の従者って立ち位置だから、ここにいてもおかしくはないか。
とりあえずようやく見つけられたから一安心だ。
ただまだサナたちが見つかっていない。
投稿頻度が下がっており申し訳ございません。
まだしばらくは不安定になる事をお詫び申し上げます。




