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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第18章 堅牢署からの脱獄者
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リーダーの能力、そして厄介

 

 私達にも反応してレッサーが頭を増やし、こちらに突っ込んでくる。

 が、伸びた頭がこちらに届く前に首が切られ、砕かれる。

 そのお陰で邪魔されずに近づける。


「グラウンワーム!」


 リーダーが地面を殴りながら一番最初に能力を発動させる。

 彼の能力『グラウンワーム』は地面を殴り、壊した物に魔力を流して操る事が出来る。

 もう地形破壊も構わないと判断してだろう。

 地面にヒビが伝わり沈没、隆起する。

 そしてその壊された土の塊が積み重なっていき、魔獣の様な形になる。

 ゴーレムに近いが魔獣は自身で魔力を生成出来る。

 それに対してあれは流した魔力がなくなれば動かないただの土になる。

 その土塊が子供に向かって伸びる。

 しかしそれが子供に届く前に彼の近くまで這い戻っていたレッサーが、頭部を槍の様に変形させて土塊に突き刺さる。

 そしてまるで水中を泳ぐ魔獣の様に上下に貫いて行っている。

 そんなバカげた能力まであるのか。

 頭部を増やすだけならまだしも身体の形を自由に変える事まで出来るとは......

 が、それで、そんな事を恐れて最後の機会を失う訳にはいかない。

 それはリーダーから撤退の指示がない事からも明白である。


「捕える!」


 それにリーダーもその程度で終わる様なタマではない。

 例え土塊として使えなくとも魔力が残っていれば操縦は可能。

 むしろそちらの方が厄介。

 レッサーによってバラバラに砕かれた土塊の欠片が上下左右から子供に迫る。

 拳程度の土塊から人間の頭部と変わらない土塊が幾百、幾千と動きを封じるために迫って来る。

 こんな動きをされるから戦闘訓練の時に苦労する。

 放っておけばデカい土塊が、対処して砕けば今の様に複数の土塊で襲って来る。

 純粋にウザい。

 まず初見でそれの回避は出来ない。

 事実子供はなんの手立てなく四肢と胴体に土塊が纏わりつく。

 そもそも自分を守る魔獣が近くに居ないのでどうしようもないのだろう。

 アイスネークやレッサー達はウとギュウが、唯一戻って来た先程のレッサーも自身で壊した土塊に押さえつけられている。

 それにしても捕らえられる際にも一歩も動こうとしなかったのは、やはり『ヴァブ・ション』によって全身グチャグチャになっていたからなのだろう。

 だからこそ余計に、そんな状態で立ち上がれた事が異常なのだ。

 レッサーも主人を守るために『グラウンワーム』の拘束から抜け出そうと(もが)いている。

 形を変えてその僅かな隙に抜けようとするもむしろ『グラウンワーム』に全体を押さえ込ませる結果となった。

 そしてそんな何も出来ないでいる子供の付近で短剣と槍がそれぞれ姿を表す。

 先にシンとダが子供に迫ったらしい。



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