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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
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就寝、そして確認

 

「取りに行きたい所だけど、多分数日はかかる」


 そんな薬がダンジョン内にあるとするなら、十中八九隠し部屋の宝箱の中だろう。

 宝物庫もそこで入手した訳だしな。

 となるとさっきも考えたが、最速で行って三日くらいはかかる。

 ダンジョンは下へ行けば行くほど階の大きさが広がる。

 そうなるとどうしても攻略に時間がかかる。


「だから今回は遠慮する。当初の予定通りエルフの里に行く」


 なので気は進まないが、そちらに行くことを皆に伝える。


「それと今日は色々あったからニーナとユキナにはもう休んでもらいたい。けど、大丈夫か? 二人がいなくなっても」

「はい。三人の手当ても終わっていますので、あとは私一人でも大丈夫です。お二人共、手伝いありがとうございました。とても助かりました」


 時間も時間なので去ろうとすると、メルマンさんが二人に対して深く一礼する。


「こちらこそお姉ちゃんたちを助けてくれてありがとうございます」

「あり、がと」


 それに対して二人も礼を返す。


「お姉ちゃん、早く寝てね? 治りかけだからって隠れて鍛練とかしたらダメだからね?」

「しないわよ。おやすみ」

「おやすみなさい」

「おやす、み」


 挨拶を終えた二人に先に部屋から出てもらう。


「アズマさん?」

「悪い。俺はもう少しここにいるから、先に休んでてくれ」


 部屋から出る様子のない俺を不思議に思ったらしく、ニーナたちが振り返る。

 そんな彼女に断りを入れる。

 それで納得してくれたのか、ニーナはそれ以上何も訊かず就寝の挨拶だけして去って行く。


「旦那様?」


 そして彼女らが部屋からある程度離れたのを確認してから扉を閉める。

 何故残ったのか疑問に思ったメルマンさんが小首を傾げる。

 サナも不思議そうにこちらを見ている。


「メルマンさん。訊きたいことがもう一つあるんだけど」


 メルマンさんに向き直り彼の目を見る。

 この世界の医者がこれを知っているかは分からない。

 本来であれば試す前に確認しておいた方が良かっただろうが、そんな猶予もなかった。

 だから事後で確認を取るのはおかしいが訊いておきたい。


「血液を交換していた場合、今リリーに起こっている症状は起こってしまうものなのか?」


 少し引き気味になりながらも問いかける。

 今、俺自身に影響はない。だから成功していると思っている。

 しかしそれはあくまで素人の考え。この世界より医療技術の発展している地球のニュースで観た情報しか持っていないそんな俺の考えがどこまで通用するか。

 あの時はこれしかない! と思って行動したが、『魔眼』で正確にクロシオモ草の毒だと分かった今、それによって起こる症状とは別のものが出ている。

 つまり毒以外の原因があるとすれば、血液交換くらいしか思いつかない。

 もちろん成功している可能性も大いにある。

 弾けないのだとしたら、俺も不調を起こしているはずのだから。

 だから……だからはっきりさせたい。リリーを苦しめている症状は、俺が原因なのかどうかを。

 もう、病気で苦しんで死ぬ人を見たくはない。


「血液交換……どれほどの量を交換したかにもよりますが、非常に危険な行為ではありますね」


 しばらく間を置いてから告げられた彼の言葉に身体から血の気が引くのを感じる。

 やっぱり俺が……


「少量程度なら入れ替えは可能ですが、それが、そうですね……コップ二杯以上の量ですと不可能に近いですね」


 続けるメルマンささんの声が徐々に遠退いていく。

 素人がおいそれとやって良い行為ではなかった。

 そのせいで助けられたかもしれない人を苦しめてしまっている。


「……ですから、出来て太い血管からの少量だけっと、大丈夫ですか旦那様。顔色がよろしくありませんが」


 聞いた俺のために説明をしてくれていたメルマンさんが、心配してこちらの様子を伺ってくる。

 背が低いからだいぶ覗き難そうだ。


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