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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
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毒の種類、そして症状


「ひとまず魔道具については明日にするとして。リリーについても詳しく教えて欲しい。どうにかなりそうか?」


今は対処のしようがないことに割り切れない気持ちだが、焦っても仕方がないので無理矢理その想いを吞み込んでリリーの状態を伺う。

呼吸が浅くなっているらしいが、毒や血液のことはどうなったのか気になる。


「はい。症状から見て恐らく黄愚草おうぐそうかクロシオモ草だと思います。首筋に毒針が刺されてからすぐに抜き取り、的確な応急処置があったので完全に毒が回り切る前に処置が出来ました」

「そうか。ニーナ、ありがとう。よくやってくれた」


メルマンさんの説明を聞いて、すぐにそこまで動いてくれたニーナに労いと称賛、感謝を込めた言葉を彼女へ送る。


「あ、いえ! わ、私も夢中で……良かったです」


すると謙遜の態度を示す。が、尻尾とは素直なもので先ほどまで垂れていた尻尾がピンと立ち、そしてゆっくりと下りていく。

リリーを救う助けが出来たことに喜んでいるためか安堵の表情を浮かべている。


「今は抗毒剤とどちらの毒にも効果のある解毒剤を飲ませてありますが、どうも効きが悪く高熱に脈拍の低下、呼吸も早くて浅い状態ですね。もしかしたら別の毒の可能性もあるので、調べているのですが中々該当する症例が見つからないのです」


深刻な顔でリリーの状態をより詳しく教えてくれる。

そして「申し訳ないございません」と謝罪する。謝らせてばかりだな……


「毒はクロシオモ草だけだと思う。毒針に付着していた毒を調べたから間違いない」


そんな彼に毒の種類を伝える。

メルマンさんが懸念していた黄愚草とは、クロシオモ草ほどポピュラーな物ではない毒キノコの一種である。

草とついているが、キノコだ。

効能として一欠片だけでも口にすれば、眩暈、嘔吐、腹痛、下痢、呼吸困難が起こる。

そして次第に肌の色が黄色くなっていく。

そんな物が森の隅、特に魔獣が多く生息している場所に生える。

何故って? 彼らが臭いが栄養のある何かを出して行くからだ。


「そうでしたか。しかしそれにしては症状が軽症ですね。クロシオモ草でしたら呼吸困難や痙攣がもっと起こるはずなのですが」

「ある程度はこっちで処置したからでは?」


血液入れ替えもしているし。

聞く限りでは失敗している様子はない……が、メルマンさんでも予想外の症状が出ている。

これがもし俺の行動のせいなら、今すぐにでも血を戻した方が良いだろう。

でもそうなると俺に影響がないのは問題がないからー……血液による身体への影響って『状態異常』なのか? 

あれ、待って。それってそういう括りに入るのか?

え、もしかしてそういう系は弾けなかったりするのか?

……もし血液型が違ってたら俺も危なかった訳だから、下手したら死んでた……?

まだ確かではないけど、もしそうだとしたら──


「ありがとうございます。神様」


初めて心からあいつに感謝したかもしれない。


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