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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
320/516

容体、そして方法

___________

注意:視点変更

________

 

 槍の男、確かモリアとか呼ばれていたか? そいつの次に薄い緑色の剣を持った優男との戦闘を終え、傷を治しながらリリーたちの元へと向かう。

 思った以上に長引いたのと戦闘でのダメージが結構大きい。

 脚も少し捻ったから戦闘中は大変だった。しかも相手かなり強かったし。

 まあ、それでもそれらを全部治せる治癒核は本当に便利である。

 切り落とされそうになった手も、そこにある槍で貫かれて出来た穴さえも元通りになるのだから。

 時間は少しかかるが三つほど欠片があれば十分である。


「アズマさん!」

「ニーナ、リリーの容体は?」

「呼吸はなんとかしていますけど、どんどん浅くなってきています。こちらの呼びかけにも反応がありません。それとアズマさんに言われた通り、首横にあった毒針は抜きました。ただ毒の種類が分からないので簡易的な処置しか出来ませんでした。ごめんなさい......」

「いや、それだけでも十分だ。ありがとう。あとは俺がやる」


 申し訳ないという顔に悔しさが入り混じっている。

 リリーに目をやれば身体がやや痙攣しているのと、顔が青白くなっている。

 ニーナの言う通り呼吸が満足に出来ていないらしく、口を開け下をだらりと垂らしながら苦しんでいる。

 彼女がしてくれた処置は傷口の洗浄と軽い止血。確かに知識がなければ毒の処置なんて出来ない。

 俺だって能力がなければ初手から詰む。だから今はこの能力に感謝である。

『魔眼』の力を強める。


 _______

 クロシオモ草の粉

 特殊:即効性の毒

 効果:神経麻痺

 _______


 見覚えのある名前の毒だ。

 神経麻痺の毒。毒であることに変わりはないが、即死の猛毒よりは猶予がある。

 と言っても本当に僅かしかない。


「ニーナ。これをリリーに飲ませてやってくれ」


 宝物庫から薄茶色の錠剤を取り出し、ニーナに渡す。

 メルマンさんが持っている抗毒剤の一つだ。非常事態などを考えて色々とそういう系の薬はもらっていた物だ。

 ただ一番良いのは『状態異常』系の魔道具を所持しておく方が安全らしい。

 そうすれば途中から参戦してきた騎士たちのように俺の『麻痺』を受けることもないのだから。

 しかし全部の『状態異常』をカバー出来る魔道具はそうそうない代物なため、基本は一つか二つを防ぐのを使う。

 その点で考えるなら応用が利く薬の方が良い。とメルマンさんが言っていたな。

 確かに今回に限ってはその言い分が正しいと思う。

 ただ抗毒剤は──


「……でも抗毒剤では毒は完全には消せないですし、効くまでに時間がかかってしまいます」


 彼女の言う通りであくまで抗う薬だ。今から飲ませても、助かる望みは薄いだろう。

 もちろんこれで終わりでもない。


「分かってる。だから今から賭けで助ける」


 ゲートリングを指から外す。

 元々この指輪に魔力を流すことでゲートは使える。やったことはないがステンチスライム時もそうだが、大きくは出来た。

 なら逆に小さくも出来るだろう。

 水儒核と『ウォーミル』、『水流操作』で同じことをしようとすれば、小さくし続けるが一番難しい。

 先端から終わりまで全体を操作しなくはならないし、そこへさらに『ウォーミル』で凍らせる。

 三つの作業があるとはいえ、かなり厳しかった。

 剣を作った時も形はそれらしい物は出来たが、細かく形作るには時間も慣れも必要だろう。

 お陰で剣と呼んで良いのか分からないのが出来たし。

 さて、頼むぞ神様......




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