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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
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大まかに、そして失態

 

 東は彼女らの考えを聞いて押し黙る。

 自身の考えていた事よりも彼女らの意見の方が正しいのではないかと考え方を改める。


「............皆の考えだと過剰に話していたのが嘘かどうか、と何処の部分が嘘かどうか」

「......えっと、つまり?」

「真蒼偽紅の球が『過剰表現』に反応して色が変わったのか、それとも最後しか見ていないと言った彼女のその『言葉』に反応したのかっていうのが、今気にすべき事だと思う。皆の意見を聞いてある程度まとめてみて、恐らくこのどちらかに反応したんだと思う」


 東が大まかにまとめた事を述べる。


「だからこの二つのどっちかで魔道具を使おうと考えているけど、どうだろう?」

「良いと思う。フェーネさんの能力では分からなかったし、あの証言人の証言の中で気になっていたのが最後の方は観ていたって所だから、私はそっちを確かめた方が良いと思う」

「ですね。でも私は過剰に話していた事についてを突いた方が良いと思います。そこが崩せれば、先程法生司長が言われていた通りその証言は無効となるので」


 彼が皆に決議を求めれば、真っ先にキリが賛同してくれた。

 次いでニーナも賛同するが、キリとは別の所を詰めてみると提言される。


「あん、なしょ、う言、おかし、い。わた、しもそれをく、ずせ、ば良いと思、う。血の辺、りとかも、はや嘘」

「うーん、私も確認は最後の方が良いと思うわ。一番核心に迫れる方が確実で、手っ取り早いと思うし」


 ニーナの提言の後、一拍置いてユキナがニーナのサナがキリの考えに賛同する。

 綺麗に分かれてしまった。

 そうなれば東が最終的にどちらを訊くべきかを決める事になる。


「......被告弁護人による異議申し立てがない様子ですので、これより判決に──」

「待った。こっちはまだ証言人に対する魔道具の使用が──」

「被告弁護人。特例により魔道具の使用が許可されたとはいえ、判決への無意味な時間搾取は認められません! 異議申し立てがあるのであれば、申して頂きます。ない様でしたら、次に判決への時間搾取行為は公務執行妨害とします!」


 少し待っても東が話し合いを終えず、思案していたため公判が次へ移ろうとした。

 東が慌てて止めようとしたが、その行為に痺れを切らした法官が声に怒気を孕ませて叱責を飛ばす。

 もう確認や内容の調整などをする時間は得られそうにない様子。

 サヘルはもう公判に興味を失い、『何故東がフェーネを連れて来たのか』という疑問にシフトして思案していたが、彼の行動や見せられた証拠にそれらしい事がなかったため情報不足により解決に至らなかった。

 そのため途中から東とキリ達のこれからについてずっと妄想、改め耽っていた。

 そんな彼がもし、先程の様に法生司長に判決を催促しておけば、彼は勝っていたかもしれない。

 しかしその行為は不要な思考を加速させるために捨てられた。


「......では、もう一度さっきの証言人に魔道具を使用して問いたい」


 東が覚悟を決めて口を開く。




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