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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
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争った形跡、そして盗難

 

「?」


 目覚めたばかりのフェーネが、何故か寝転んだなま震え始める。


「(あの時期ならば、さほど寒い気候ではないはず。何をそこまで震えている?)」


 サヘルを含め、映像を見ている者の中のほぼ全ては同じ思いを抱いていたい。それはユキナやリリーもだった。

 対して東やキリ、サナとニーナはなんとなくではあるがその原因が何か、検討がついている。


「あ、東」

「どうした? キリ」

「その、気持ちは分かるけど、殺気を納めてくれない?」

「え? えーと......こう?」

「う、うん。ありがとう。楽になったわ」


 それが確かなものだと結論づける話し合いが聞こえる。

 彼の放つ殺気の恐ろしさを知っているユキナやリリーは、その会話でおおよそ何があったのかを想像し、少々憐れんだ目でフェーネを見ている。

 そしてその原因である東も、知らなかったとはいえ辛い目に遭わせてしまった事に対して心の中で謝罪をする。

 そして数分ほど経てば、東達の声も聞こえなくなった。

 その頃合いで、先程の窓枠から顔を出し、周辺の様子を窺う。

 そして誰もいない事を確認すると、彼女は再び窓枠から外へ出る。


「ぃひっ⁉︎」


 地面には争った形跡や多少の血痕があり、それを見てしまった彼女から短い悲鳴とも呼べない声が漏れる。

 すぐに目を背けてしまったのと画質が少々悪いため、詳しくは分からなかったが、恐らくそこそこ時間が経過していると見受けられた。

 彼女はその場を早く後にしたい気持ちからか先程通った道を急いで戻る。

 裏路地から出ると目の前を二人の薄汚れた見た目の男達が慌てた様子で通り過ぎる。

 その慌てぶりが気になったのか、その男達が向かった方へと目を向けると先程の二人ともう一人の男、こちらは目の前にいる二人よりはまだマシな風体をしている。

 そのマシな風体の男の前で深々と頭を下げて、彼に怒鳴られ......否、そんな彼の横に土下座をしている者が二人いた。

 格好は頭を下げている二人よりも汚く、また生地がボロボロだ。

 どうやら怒鳴っているのはそちらの方らしい。

 彼らに近寄る彼女だが、そうしなくとも男の声が大きいためはっきりと何を言っているのかが分かった。


「何故、貸したと嘘を吐いた! 何故、直ぐに報告をせんのだっ! 実態が悪化するのが分からんのか⁈ そうか、分からんのだな! 貴様は脳のない奴隷だから、掃除担当なのだからな! 貴様なんぞ、買ったのが間違いだった!」


 四十後半をいくその男は、土下座をしガタガタ震え、泣いている奴隷に怒涛の勢いで責め言う。


「旦那様。お怒りはごもっともですが、今は盗まれた馬を探すのが先決かと──」

「そんな事、言われんでも分かっておるわ!」


 助け舟を出すように左の痩せ細ってはいるものの、それなりに筋肉のついた男が宥め、提案を出そうとしたが、逆に怒鳴られる始末。

 しかしその発言のお陰か、事態の収集へと脳を切り替えた風体の良い男が、それぞれの男に指示を出す。






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