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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
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ボロ小屋、そして居た

 

 裏路地へと入った彼女は何度か後ろを確認しながら、進む。

 しかしそこで誰かの声が聞こえたため止まる。

 声の主はサナ達なのだが、フェーネにとっては背後の奴らの仲間かと思い開け放たれた、否ボロく崩れかかった窓枠の部分に身体を無理矢理ねじ込む。

 いくらボロくともすぐに壊す事は出来ないと判断し、その手段で侵入する事にした訳だ。

 しかし無理矢理だったのと、侵入の際の急いが強かったためか窓から滑り落ちる。

 顔から落ちるのを避けるために身を捩り、肩くらいで地面と衝突する。すると映像が少し波打つ。

 昔のブラウン管テレビ時代なんかである、映像に線が上っていく様が一瞬だけ映る。


「この時落ちて首裏を打つけてしまいまして。恐らくそれの影響です」


 彼女がその現象について説明するとリアルな映像なためか、その光景を見ている何人かが肩をビクつかせる。

 落ちた時の全身に広がる痛みと、それとは別で強打した場所が酷く痛むらしく唸り声を上げて悶絶している。

 しかしそこに近づいて来る足音が聞こえ、歯を食いしばって痛みに耐えているのか僅かに歯軋りの音が鳴る。

 息を殺し、外から聞こえてくる男達の自身を探している声。


「おい、あそこの女達見てみろ。売れそうな種族だらけだぞ!」


 しかし先程まで緊張が混じっていた声から一変して、歓喜の声を上げる。

 壁に耳を当てて、外の音に集中しているため自然と横を向く事に。

 そこは荒屋であり、蜘蛛の巣や埃が目立つが、一応人が生活している雰囲気はある。そんな見ていて気分の良い物ではない映像がしばし続く。


「ああ、確かに売れそうだ。が、フェーネのが売れるだろ」

「見つからねー女なんかより、今見える利益だろ?普通」

「......お前に正論を言われるとは、思わなかった」

「あぁ?」

「とりあえずあの女達を捕まえよう。フェーネはもう少し使える品を準備してからにする。それで良いな?」


 そんな簡単な話し合いを終えた男達。数分もししないうちに彼らの話し声とサナ達の声が鳴る。

 何事かを話し終えると今度はユキナと男達の会話となる。

 その時の出来事を憶えていたサナ達は、まさか自分達の近くに証言者であるフェーネがいた事に驚いた。

 そうしてしばらくユキナと男達の文言が続くと、突然映像が揺れる。


「ここであんまり憶えていないんですけど、気づいたら何故か寝てたんですよ。だからしばらく経った後になります」


 彼女の補足通りなようで、閉じられていた目を開いたかの様な映像へと切り替わる。

 依然として変わりない汚さではあるが、寝転んでいた事以外は何も変わっていない。



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