表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
284/516

空中映像、そして真実

 

 そこに絵が現れる。その光景に一同が驚きを示し、野次馬共なんかは騒がしくて仕方ない。

 さらにその絵が動き出し音が鳴り出せば、そのざわめきは一層増す。

 しかしその現象に心当たりのある東は驚きはすれど、周り程ではなかった。

 ようは映像が空中に上映されている訳で、実物を見るのは東も初めてではあるがSF作品ではそういう設定の物もいくつか見ていた。

 なのでそういう物が異世界にあっても不思議ではないと思った。

 対してそれを一度見ているサヘルは顎に手をやりながら、その謎の現象に関心と自身の物としたい邪な欲が入り混じった目でフェーネを見ていた。

 映っている絵は港街の下側にある野菜売りの店。

 そこでいくつかの野菜を選び、持ち帰っている様子だった。

 映っているのがフェーネの目線なため荷物が下側に映っているのが気になるが、自身の目ではなく他者の目線で街中を見るというのは新鮮でそこはなかなかに良い。

 しかし所詮は下民共が多い港街。汚くて仕方がない。

 喧騒は置いておくとしても、この汚さだけは不愉快だ。

 そんな不愉快極まりない道をそそくさと歩いている。奴隷の身分を考えれば妥当だろう。

 そうして己の主人が待つ店の方へと向かっている途中で港の大通りへと出るその少し前。

 大通りの所を歩く被告人と被害者の姿がある。


「!見るなーっ!」


 それが何を意味するかを理解したへーネルは血相を変えて叫んだ。

 その事に周りが驚いている時だった。


「「「「「「「!」」」」」」」」


 彼が止めに入る前にその光景は映し出された。

 へーネルが被告の小僧のズボンポケットに何かを入れた瞬間が。

 阿呆が。反応を示せばそれが自身にとって重大な何かだと教えるようなものだ。

 現に小僧らは何が起こるのか注視していた。

 幸いなのは映っていたのは何かした、というだけで何を入れたかまでは分かっていない。

 あの絵ではそんな細部まで見えはしなかった。

 普通の人なら......


「今、リリーのポケットに証拠品とは別の何かを入れたな」


 東の発言をほぼ全員が理解出来ていない。また訳の分からない事を言ったとしか認知されていない。

 しかし東の言った事を理解している者が、被告サイドを除けば二人。

 実行したへーネルと本人から何をしたかを調べてから詰問したサヘル。

 この両名は知っている。

 被告人(リリー)はそもそも何も盗んではおらず、むしろ彼女に窃盗の罪をでっち上げるためにへーネルが彼女のポケットに証拠品、ではなく全く別の物を入れたのだ。

 それがリリーが言っており、東が当初から疑問に思っていた『指輪』だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ