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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
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奴隷、そして手出し

 

 何故小僧があの娘を連れている?

 あれは“ダマンナ”の飼っている奴隷だったはず。まさかあの女があの奴隷を手放し──いや、あり得んか。

 私を含め他の貴族も始末、あわよくば入手しておきたい奴隷。

 それ程にあの奴隷には価値があり、それと同等に危険視されている。

 奴が見てさえいれば隠蔽した悪事も明るみになる。それは持っていれば周りへの牽制、そして恨みの種となる。

 悪事をしなければ良い話ではあるが、そんな生優しい考えで生きていける程、人は善人ではない。

 欲ために悪事を働く。それが人という生き物だ。

 それだというのに何処で見ているかも分からん娘を警戒しなくてはならん。

 見られるにしても、あの娘と一般人とでは当然意味が変わる。

 一般人であれば公判で事実を訴えようと虚偽の可能性もあるため弱い。

 しかしあの娘の場合はそれを確実に証明するため厄介極まりない。

 そして能力であるがためなのか、時間がいくら経とうとも忘れず、変わらない。

 それ故に手札として使える。

 しかし先程から言っている様に、そんな者が居るだけでいらん者からも恨みを買う。

 そんな厄介者を飼っているのが、港近くで飲食店を営んでいるダマンナ。

 あの女、平民から商人になりそんな厄介者を持っているにも関わらず続けている。

 本来そんな者が商いを続けていくには、それなりの貴族の後ろ盾を持つか大商会の傘下に入るかしなければ無理だ。

 だというのにあの女は、店舗を持つ際の土地で関わった貴族くらいしかいないというのに既に四年。

 それだけでそこまで残り続けたのはまさに奇跡だろう。

 むろん潰しにかかる商会や貴族もいたが、どう調べ上げたのか相手の弱みを握っているのだ。

 それをフェーネに見られていた場合は勝ち目がない。

 それだというのに彼奴は「困った時に手を貸してくれるなら、黙っといてあげる」と言いおる。

 信頼なんぞないし本当に見ているかも分からん。

 しかしそんな危険を犯してまで排除するのは、損得が釣り合わん。

 よって私も含め、皆手を引いた。表向きは。

 全員あの奴隷は欲している。だからダマンナが何かやらかす事を願い、そうなる様に動いている者もいる。

 まあ、下手をした者は地位、財産の剥奪没収や炭鉱行きや奴隷落ち、国を追われたなんて者いた。

 そんな敵にする事さえ恐れられる様になり始めたというのに、何故その要である奴隷をあの小僧が持っている?

 考えられるのは奪ったか。

 しかしそれは以前に何度か行われている。そしてどれも失敗に終わっている。

 護衛を大量に雇っている訳でもないのに、だ。

 恐らく買った奴隷に手練れの者が数人いるのだろうと予想は立てているが、調査をしてもそれらしいのは一匹だけ。

 あとは確認出来ておらず、それ一匹で我々の部隊が壊滅させられたとは考えられん。

 あの女が持つ奴隷共の何匹かはどれも一癖二癖ある。そしてそいつらを一体何処で入手したのかさえ謎なのだ。

 そんな女の元から奪ってきた?時間なんぞ全くなかったであろう小僧が?

 繋がらんな。一体どう......



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