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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
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知らず、そして糸口

 

 そんな超高価な魔道具ではないとはいえ、あれもれっきとした看破の魔道具。

 その後一度しかない物でどうこの公判を乗り切るのか。


「どういうことだ?その魔道具には回数制限があるのか?」


 小僧が法生司長に問う。

 慌てた様子を隠しているつもりなのだろうが、その様から完全に動揺や焦りは抜け切ってはいない。


「勿論です。そちらの真蒼偽紅の球が先程嘘に反応した際の色合いは、その魔道具が初めて発する色合いから数段落ちています。そしてその色合いから残りの回数を知る事が出来ます」


 法生司長が懇切丁寧に説明する。

 ふむ、なかなか良い色合いだと思ったが、あれで数段落ちた物だったか。

 少々初めの色がどれ程なのか気になるな。

 小僧を捕らえた際にでも聞き出してみるか。


「............その回数を超えると、どうなる?」

「色が失われ、完全に能力を発動出来なくなります」


 本当に何も知らない様で、小僧は法生司長に教えを乞う。

 それにしても使用回数の制限も知らんとは......

 確か情報では五輪核全てを所持しているとあったはずだが、仔細も知らず所持しているとは、やはり庶民に高価な物を持たせても意味を()さんな。


「アズマさん......」


 狐の獣人が小僧に何かを言った。

 口の開閉の数と状況からして、恐らく奴の名だろう。

 ふっふっふっ、さっきまで威勢の良かったあの獣人でさえ、どうするべきなのか分からず動けんでいる。

 これ程愉快な事があろうか?

 小僧はといえば、ずっとどう打開するべきか考え込んでいる様子。

 そしてその周りにはただただ観ている事しか出来ない愚女達。

 もう諦めろ小僧。貴様風情では打開への糸口を見つける事は叶わん。


「......被告弁護人、これ以上質疑がない様でしたら被告人の審議に移ります。宜しいですね?」


 法生司長が進行の促しをする。

 もはや笑みが止まらん。この公判を勝利で終えるまで、もう間もなく。

 このまま進めば、あの小僧は当初の予定通りに処刑出来る。


「東」


 私が想像した未来が確かになろうとしている。

 そんな最中に銀色の髪の女が小僧と何か話している。

 そこに銀髪エルフが小僧の右手を取り、ジッと奴の目を見て頷く。

 それに遅れてもう片割れの獣人が余ったもう片方の手を握り、強く頷く。

 無駄な励ましか、はたまた失態に対する慰めか。

 どちらでも良い。もうすぐ終わるのだからな。



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