表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
272/516

魔道具の事前申請、そして例外

 

 これはとても良い流れに変わるぞ!

 私が命じた訳でもなく、あの女が勝手に嘘を吐いたのだ。

 例え今のが虚偽であると判明しようが、私が責任を負わされずに済ませる事なら出来る。

 そして先程まであった、此方が敗訴する可能性がグンっと下がった。

 全て虚偽の内容を宣言している奴らの中で、あの女だけがさらに虚偽を告げる。

 そんな事はあの副総監法官が出張って来ると分かってから、急遽変更し崩れかかった元の内容から更に逸脱しているのだ。

 そうなれば深掘りされれば、彼女の負け。

 対して此方は、あの女が独断で虚偽の申告をしたっと言い張れば済む。

 今回の公判での此方側の証言の一つが潰える可能性も高いが、それだけで済むなら多少の痛手でしかない。

 後はあの女を見捨て、此方が再び優位になる様にすれば良い。

 万が一にも、茶毛が私を裏切る事はない。そんな事をすれば、自身の末路がどうなるかくらい彼処で証言をしている者達は理解している。

 故に裏切る事はない!


「ならそれが嘘じゃないっていう証明をしてもらう」


 勝ちまでの道が見え始めた時に、小僧がそう告げる。

 ふ、やはりそう来るよな。

 しかしこれで虚偽と発覚しようがしまいが、もはや貴様に勝ち目はない!


「法生司長。こっちが魔道具を使って真偽を図るが、問題ないか?」

「それは容認出来ません。被告弁護人からの事前申請を受理しておりません。故に、魔道具による真偽の明白を図る行為は棄却されます」


 法生司長が小僧の提案をしっかりと却下する。

 どんな魔道具を持って来たかは知らんが、この国の者でない貴様にはその様な規則がある事自体知らなかっただろう。

 元々移動するだけでもギリギリで間に合うように調整されていたのだ。

 例え知っていたとしても、出来たはずがない。


「無茶言うな。事前申請の義務は知っていたが、俺らがこの国に着いたのは今朝方。そしてその時にこの公判のことを知ったんだ。申請する時間なんてなかったんだ」


 ふ、やはりそのくらいに到着となったか。

 しかしいくら訴えようとも規則は規則。揺らぐ事はない。


「......例え貴公が仰っるように時間がなく、申請出来なかったのだとしても、規則に則り魔道具の使用は認められません」

「......魔道具の使用には申請が確かに必要です。しかしその魔道具の例外で事前申請があるはずです」


 法生司長がようやく自身の役割を果たそうとしていると、先程の気の弱そうな狐の獣人の娘がまた何かを言い出した。

 戯れ言の様にも捉えられるが、先程の発言も恐らく小僧よりも先に今回のこちらの穴に気がついていた。

 それに事前申請の例外だと?

 過去にその様な事例があったという報告は......あったようななかったような。

 いや、なかったはずだ。いくら私が他の事への関心が低いとはいえ、その様な異例な出来事があれば記憶しているはずだ。

 だからそんな例外などない!


「坐星暦一六三九年、六之月。時に商人とその部下との公判のです。横領と密売で起訴された彼の部下の証拠の一つとして、申請なしで魔道具が使われています。魔道具は“ケルネアンノ”という人の強い想いが物に着いた物だと、その想いを聴く事が出来るという道具です。これが最大の一手となって商人の勝訴となりました」


 獣人の娘が言うには、それは八年前にあったらしい。

 それらしい話ではあるが、そんな公判があれば私の耳に入るはずだ。

 つまり虚偽(デマ)である。



坐星暦。読み難いですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ