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異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します  作者: りゅうや
第17章 リリーの真偽
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劣勢、そして茶毛の答え

 

 なので今回の法官側が彼女だと分かり次第、穴だらけではあるが流れ通りになる様に即席で整えた。

 本来副総監法官がこんな公判に出てくる事自体おかしな話なのだ。


「!」


 まさか......まさかあの小僧が裏から手を回し.....いや、自国の貴族である私ですら法官に干渉するのは無理に等しい。

 であるなら、他国の一市民でしかない小僧如きに干渉し、ましてや副総監法官を出張らせる事など不可能。

 だぁから落ち着け!そんなくだらん考えが起こる様では、いくら相手が小僧でも足元を(すく)われかねん。


「その通──」

「何をバカな事を!ずっと持っていたからこそ、被告が持っていたのだ!」


 証人は嘘を吐かせる訳にはいかん。それは被告や原告であるへーネルとてそうだ。

 しかし私だけは別だ。

 今回の訴訟で問題の重さを増させる存在である私は、明らかな虚偽でなければ少なからず吐ける。

 それだけ重要ではないのだ。

 追求されれば、知らぬ存ぜぬで通せば良い。


「原告側は、証言者のみ発言を許可します。静粛に」

「ふ....ふざけるなっ‼︎貴様、一体どういうつもりだ⁈」


 先ほどからこの男は何を考えているのだ?貴様は此方側であるだろうに、何故私の邪魔をしようとしている?

 何故あの小僧らが優位になる様に動いている?


「.....どういうつもりも何も、貴公が仰られたのです。被告弁護人の発言が子供の駄々であると。ですので、被告弁護人の異議の確認を行なっているに過ぎません」


 だから、それをやろうする意味が分からんのだ!さっさと終えてしまえば良いものを、何故引き延ばそうとしているのだ!

 そんな事をして彼奴が有利になってしまってからでは遅いのだぞ。


「それで、さっきなんて言いかけたんだ?」


 法生司長が認可したのを良い事に小僧が再び茶毛に問う。

 くそ!打つ手なしだ。


「えっと......」


 よし、良いぞ!先ほどの私の言葉で素直に答えて良いものなのか迷っている。

 そのまま黙秘を続けて欲しい所だが、あのどうしようもない法生司長が促せば答えなくてはならない。

 その前に騎士を使ってこの場を乱すか?いや、流石にこの状況でそんな事をすれば認めているのと変わらん。

 あー!副総監法官に味方のはずの法生司長の愚行、全くなんなのだ一体!あの小僧が関わるとロクな事にならん!


「証言人、質疑の返答を」


 危惧していた展開へとなった。法生司長が茶毛への問いの返答を促された。


「............ち、違います」

「!」


 茶毛は恐る恐ると声が掠れながらも答えた。


「私は最初から被告がペンダントを持っていた所を見ました!」


 彼女の中で何かが吹っ切れたかのように、声を荒げて宣言する。嘘を。

 あの女、やりおった。



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